2021.2.6 (土) そういうものにばかりに目がいく
10日か2週間か、それくらい前に、ウェブ上でひとつの壺を目にした。その瞬間から、僕はそれに惹きつけられた。以降、毎日そのページを訪ね、ためつすがめつ眺めてきた。そして1週間ほど前に、店主へメールを送った。その古美術店は千葉県の山の中にあり、ひと月に2日しか開かない。店主が返信してきた日は、僕には都合が悪かった。そしてすり合わせの結果、今日がその日に決まった。ウェブショッピングの好きな僕も、今回は流石に、先ずは現物が見たい。
09:08 ホンダフィットで会社を出発。
10:03 羽生P.A.で休憩。
10:37 東北道を川口I.C.で降りる。
10:42 東京外環自動車道に入る。
11:06 京葉道路に入る。
11.17 PASAR幕張で休憩。
12:05 目的地最寄りの茂原長柄I.C.はETC専用で降りられず。
12:08 そのひとつ先の茂原長南I.C.から一般道に降りる。
12:21 APOLOGIA着。ここまでの走行距離は217.5Km。
農業協同組合の穀物倉庫、といった趣の大きな建物の前にホンダフィットを駐める。メモ帳に覚え書きなど記しているところに店主のタグチマサヒロさんが迎えに来てくれる。目当ての壺は、あらかじめ入口ちかくの明るいところに出してあった。
口縁の3分の2ほどが失われていることは、ページの画像から分かっていた。肩の部分の灰かぶりは、やはり相当なもので、まるで溶岩のようだ。iPhoneのLEDランプを点灯させて内側を覗き込む。床に膝をつき、外からも観察をする。裾から下は失われ、底までの3寸ほどは別の土で継がれている。その「継ぎ」は、壊れたことを惜しんだ人が、直しながら使った跡だろう。「これ、いただきます」とタグチさんに告げる。
店の中には無疵完品の壺もあって、それには売約済みの札が貼られていた。しかし全体が茶色一色の滑らかなそれには、特に興味は覚えなかった。
「クルマで15分ほど」と教わった美術館”as it is”は、杉の森を抜けた山の上にあった。そこで望月通陽のあれこれを見て、予期せずコーヒーをいただいて、砂利の道を徒歩で戻る。
13:38 “as it is”下の駐車場で、iPhoneのgoogleマップに帰路を探す。
14:12 市原舞鶴I.C.から首都圏中央連絡自動車道に上がる。
14:25 東京湾アクアラインを抜けて浮島I.C.から首都高速道路湾岸線に入る。
15:18 蓮田P.A.で休憩。
16:35 帰社。アポロギアからの走行距離は246.8Km。
会社に帰り着くなり壺を長男と隠居へ運ぶ。そして口縁が大きく欠けた、穴窯の中で大量の灰を浴びたか、まるで溶岩のように肩の荒れた、裾から下は別の土の継がれた壺を、床の間の中央に置く。
朝飯 メシ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と缶詰の鯖と白菜キムチと揚げ玉と菠薐草の味噌汁
昼飯 “as it is”のコーヒー
晩飯 「陶」から持ち帰った酒肴あれこれ、家のおかず少々、「片山酒造」の初しぼり「うすにごり素顔」(冷や)、自家製わらび餅風、Old Parr(生)