2023.5.25(木) 6回目の接種
おとといの夜は日本酒に特化した飲み会「本酒会」の月に1度の例会日だった。その席で、新型コロナウイルスに対する6回目のワクチン接種についての話が出た。僕は、5回目までは市役所から案内が届くなり予約をした。しかし6回目ともなると慣れもあって、その封筒は事務机の上に置いたままだ。接種を済ませた数人によれば、どこもかしこも混んでいるという。
6月の予定は既に入り始めている。これまでの経験により、接種の翌日と翌々日は発熱で仕事にならない。とにかく状況を調べてみよう。そう考えて当該のページを開いてみた。
案に相違して、空きはいくらでもあった。混み合っていたのは、はじめのころだけのことだったのではないか。しかし1回目から5回目まで世話になったセキネクリニックは、希望の日には接種を行っていなかった。よって候補の中では家から最もちかいモリ病院に予約を入れた。
僕のような、自分の行動に制限を設けたくない人間は、できるだけワクチンを接種すべきと思う。
朝飯 茹でたスナップエンドウ、茹で玉子、ミズの甘辛煮、納豆、胡瓜と蕪のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、胡瓜と若布の味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、ホットミルク
晩飯 ジーマミー豆腐、トマトとレタスとブロッコリーとツナのサラダ、韮のナムル風、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、蒸し焼売、「紅星」の「二鍋頭酒」(生)
2023.5.24(水) 韓国衣料取り寄せ記
先週の水曜日は暑かった。翌日は更に暑くなることを、気象予報士は伝えていた。しかし夏日がいつまで続くわけはない。家の空気調整器も、日により冷房にしたり暖房にしたりを繰り返している。来月には梅雨寒の日もあるだろう。というわけで、気軽に羽織れる上着を買おうと考えた。いわゆるトラックトップである。
あちらこちらのウェブサイトをためつすがめつし、韓国製のひとつに目を付けた。アディダスやニードルズなどの有名どころは色が気に入らなかったのだ。購入ボタンをクリックしたのは先週17日の朝だった。
「ご注文ありがとうございます」という表題の自動送信メールに目を通すと、その文面は日本のウェブショップとは随分と違っていたから警戒の気持ちが湧く。「まさか偽サイトに注文をしてしまったわけではないだろうな」という気持ちである。はじめのメールが届いてから83秒後に注文確認メールが届く。内容は更に心配になるもので、最上部にはhtmlのタグめいた文字列が無駄に幾十も連なっている。
出荷完了メールは19日の夕刻に来た。しかしそこにある佐川急便の追跡番号をクリックしても、飛び先のページには「該当なし」の文字。おなじ数字をSagawa Global Trackingの検索窓に入れても答えは”No Record”。
いよいよ心配になってクレジットカードの履歴を調べてみる。追えたのは昨月末までの出金のみ。しかし息せき切ってカード会社に照会するのも粗忽な行為に思われて「1週間や10日は待ってみるか」と、無理に自分を落ち着かせる。その後は毎日、佐川急便の追跡番号をクリックし続けて、そのたび「該当なし」を目にしてきた。
今日もまた、その賽の河原に石を積むようなクリックをすると、目の前の景色がいきなり変わった。これまで「該当なし」と出ていた場所が「配達中」に変わっていたのだ。「もう大丈夫」と胸をなでおろす。「はやく着かねぇかな」と気が急く。
韓国からの荷物は午後の早い時間に届いた。しかし優先させるべきは仕事である。折しも「ぐるなび」に、使用言語は英語とする予約をいただいた。きのう作った英文の、早くも出番が来たのだ。そこで返信の枠に当該の文章を入れてみる。すると右下に「1534/1000文字」、左下に「1000文字以内で入力してください」の注意書が出た。
先ずは各料理のページにリンクするURLをすべて取り去って文字数は1,225。”below”を”↓”にするなどして1,116文字。”a weak green tea”を”Matcha”にするなどして1,043文字。カッコとカッコ閉じをスラッシュひとつにするなどして1,020文字。そこから更に削ってようやく977文字に収めた。はたしてご返事はいただけるだろうか。
朝飯 生のトマト、納豆、油揚げと小松菜の炊き合わせ、ブロッコリーのソテーを添えたハムエッグ、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、ごぼうのたまり漬、メシ、キャベツと若布の味噌汁
昼飯 葡萄パンのトースト、ホットミルク
晩飯 バンブー、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、スナップエンドウのニース風サラダ、スパゲティナポリタン、Chablis Billaud Simon 2018
2023.5.23(火) ハラム
「汁飯香の店 隠居うわさわ」はインターネットによる予約の受付に「ぐるなび」を使っている。この方式には、取りあえず席を確保する、予約が可能か相談をする、席と同時に料理も確定させるなど、様々な形がある。
松竹梅の松にあたる「一汁七菜膳」は、前日の15時までにご予約をくださったお客様へのみ、ご提供が可能になる。ごはんは、お客様ひと組ごとに土鍋で炊き上げる。そのようなことから、インターネットでいただいたご予約のうち、料理を指定してくださっていないお客様には、あらかじめそれをお決めいただければ有り難い旨のメールをお送りする。
そのメールは日本文によるものだが、きのうの日記に書いたようなことが今回は起きた。そのことから、英文によるものも必要と痛感をした。急がば回れ、否、善は急げだ。そして午前のうちに使いまわしの効く、いわゆるテンプレートを完成させる。
難しいのは表現の微妙なところ、言葉を選ぶところだ。
先生の奥さんが妊娠をした。それについて外国からの留学生が「奥さんが孕んでおめでとうございます」とお祝いの言葉を述べた。「この場合、ハラムという日本語はどうかね」と先生は苦笑いをした。そういうはなしをむかしどこかで読んだことがある。
赤ん坊のときから英語に触れ、2歳のころから英語を話し始めた、そういう人たちが違和感を持つことなく読める文章を作成しようとしても、日本人の僕には無理だ。しかしとにかく作ることは作った。この英文はとりあえずこのまま使い続け、しかるべき”native”が現れたときは、その人に添削をしてもらおうと思う。
朝飯 カレーライス、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、若布と玉葱の味噌汁
昼飯 ピザパン、ホットミルク
晩飯 「食堂ニジコ」の酒肴あれや、これや、それや、焼きそば、4種の日本酒(冷や)
2023.5.22(月) 今日の日記は長いな。
「汁飯香の店 隠居うわさわ」の、本日の口開けのお客様は、中国語圏のものと思われるお名前でご予約の2名様がふた組。来店時間は15分を置いているものの、4名様はご友人、お知り合いの可能性が高い。そのうちの2名様は僕からのメールに対して、きのうのうちに「一汁七菜膳」をお決めくださっていた。しかしもうひと組の2名様からは、ご返事はいただけなかった。
先ずは2名様が開店と同時にいらっしゃって、4名とも「一汁七菜膳」であることを隠居係のタカハシリツコさんにお伝えになった。しかしそのお膳は、前日の15時までにご予約くださった方へのみ、ご提供のできるものだ。さてこの込み入った説明は、どうすべきか。
調理係の家内から来て欲しいと長男に電話があったものの、ウェブ会議を控えている長男は、それに応えられない。代わりに僕が隠居へ赴いて、納得をしていただく。ご理解の速いお客様で幸いだった。同時に、仕込みの都合上、料理は事前にお決めいただきたい旨の返信は、英文でも用意すべきと感じた。即、取りかかろうと思う。
10時ちょうどに家内から、今度はセキネさんがお見えになったと連絡を受ける。セキネヒサタケさんは、四半世紀ちかく前にMG界に忽然と現れた切れ者だった。町内の若手シバザキマサヒロ君が東京で修行中、たまたま取引先の社長として知り合い、ここ数年は僕との交流も復活していた。
取りあえずは隠居へ出向き、セキネさんとシバザキ君に挨拶をする。そして食後のお茶をお出しするころ、また来ることを伝える。セキネさんは東京から大型スクーターでいらっしゃったにもかかわらず、服装はスーツにネクタイだった。
会社見学を希望していたセキネさんとシバザキ君には、先ず通常の蔵見学をしていただく。続いて社会科見学の小学生しか入れないところまで入っていただく。セキネさんは更に訊きたいことがあるとのことだったから、今度は個人の空間である4階の食堂へ、シバザキ君と共に上がっていただく。
セキネさんは驚くべきことに、僕への質問を隙間なく箇条書きしたA4の紙を内ポケットから取り出した。それらに答えるうち13時を過ぎる。途中「ここからは核心に入るから、シバザキ君は帰っていいよ」と、セキネさんはシバザキ君に中座を促した。これは、家に仕事を残してきたシバザキ君への心遣いだろう。
今日の僕の東京行きは、下今市13時44分発なら余裕綽々、14時35分発でも間に合うと計画していた。その13時44分発は早々に諦めた。それを伝えると「だったら2時前に終わりにしましょう」とセキネさんは時間に制限を設けた。14時35分発の上り特急が下今市を出ると同時に、セキネさんには礼状をメッセンジャーで送った。
神田スズキ皮膚科では、17時前に名前を呼ばれた。先週の火曜日から収斂剤を貼り続けた患部を先生はひと撫でして「薬はもう、一般の軟膏だけで良いでしょう」と言った。他のところも経過は良好にて、次は2週間後に様子を見ることになった。
神田のガード下からは、野村證券の旧館が望める。そこへ向かって歩きつつ、今川橋ちかくの骨董屋を覗く。飾り窓には銅製の双耳壺があって、手書きの説明が添えてある。そこに「なにげに」という言葉を見つけて、すべてを読み終えないうちにその場を離れる。「何気なく」と「なにげに」と言うことは、僕の好みでない。
少し先のビルで土屋鞄の扉を押す。こちらには、15年のあいだ使って壊れ加減になったパスホルダーを、4月のはじめに修理に出した。ところがその後、技術者とメールのやり取りをするうち、修理代には11,770円のかかることが知らされた。15年前の品物とはいえ、商品価格の3倍ちかい修理代は心理的に出しがたい。よってそのまま返却するよう頼んであったのだ。オネーサンは古びた革の小物に磨きをかけた上で返してくれた。道具は上質のものを直しながら使うことを好む。ちなみにこのパスホルダーは終売にて、おなじものは手に入らない。
日本橋からは京橋の上を走る首都高速道路が望遠できる。時間にすこしの余裕があるため丸善に入る。以前は丸の内の本店にしかなかった時計の工房ができている。これからは愛機の”MONDAINE”の修理も楽に頼めるだろう。そのまま本の売場へ進みながら「テムズとともに 英国の二年間 」という平積みの本に目が留まる。手に取り開いて最初のページの半分ほどを読む。著者は徳仁親王。後日、amazonかメルカリの古書で買うかも知れない。
やがて右手の、街路樹の緑と緑のあいだにモンベルが見えてくる。ここでもっとも軽量の傘を買ったのは昨秋のことだ。その傘は今日も持参をしている。京橋を越えれば銀座。しかしその結界は超えず左手に折れる。
南天子画廊への階段を上がり、ガラス戸を押し、今日が初日の展覧会をぐるりと見る。そして6号ほどの絵を指し「これ、いただきます」と画廊の人に伝える。絵は来月17日の最終日まで会場に置いて後、僕に届けられるという。
「モツ焼きのタレなど垂らしてもいけない」と、服はユニクロの、3着1,000円のTシャツを着てきた。今日の東京の最高気温は29.5℃と伝えられていたものの、暑さはまったく感じない。結局のところモツ焼きではなく、おでんを肴に燗酒を飲む。そして浅草19:59発の下り特急に乗る。セキネさんからは「東京で飲むときは絶対に声かけてくださいよ!」という返信が入っていた。
22時前に帰宅をし、それほど遅くならないうちに就寝する。
朝飯 油揚げと小松菜の炊き合わせ、納豆、コールスロー、きのうのカツ煮の残り、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とブロッコリーの味噌汁
昼飯 「セブンイレブン」の2種のおむすび
晩飯 「一平日本橋店」の鰹の刺身、おでんあれこれ、「神戸酒心館」の「福寿」(燗)
2023.5.21(日) バンブー
旅の荷物のうち、数、体積ともに、かなりの割合を占めるのは薬だ。それは、バックパッキングをしていた1980年代のはじめから40年後の今に至るまで変わらない。
現在、旅の持ち物としてコンピュータにデータベース化してあるものは138。そのうち薬は26を数える。素人診断による薬の服用は危ないという人がいる。もっともな意見ではある。しかしたとえばタイとミャンマーとラオスが国境を接する山奥に滞在しながらいきなり発熱をしたとき、街まで降りて病院で長く待たされて、というようなことをすれば、症状は重くなるばかりだろう。
日本で体調を崩し、病院で診察を受けて薬を処方される。そのすべてを服用する前に体調が戻れば薬は余る。旅に持参する薬には、そのようなものも含まれる。そのうち喉の腫れを収める薬には「症状が重くなくても消炎鎮痛解熱の頓服を併用すると効きが速い」と、青いフェルトペンで但し書きを添えている。それにしたがって、今朝は食事をする前よりロキソブルフェンNa錠60mgを飲んだ。喉の痛みは30分ほどで去った。日曜日は、平日の3倍は忙しいのだ。
その仕事を終えて4階の食堂へ戻ると、窓の外には暮色が濃くなっていた。夕食は和食だったものの、食卓にはティオペペとドライベルモットの冷えた瓶を立て、それをバンブーにして3、4杯ほども飲む。
朝飯 ミートボール、コールスロー、納豆、油揚げと小松菜の炊き合わせ、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、胡瓜と若布の味噌汁
昼飯 苺ジャムのトースト、ホットミルク
晩飯 ジーマミー豆腐、ミズの甘辛煮、じゃこ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、カツ煮、バンブー
2023.5.20(土) 駄目なところ
きのうは夕刻から寒気がした。よって夜は燗酒を飲んだ。寝るころになって、喉の左側に痛みを感じてきた。夜半に目を覚ますと、その痛みは更に強くなっていた。発熱はないものの、以前に処方された消炎鎮痛剤を飲もうか飲むまいか迷っているうち、また眠っては目を覚ますことを繰り返すうち朝になる。
うがいをすると、喉の痛みは次第に薄れた。それでも朝の仕事が一段落をしたところでセキネ耳鼻咽喉科へ出向く。日曜日に寝ているわけにはいかないし、週明けには外せない用事があるのだ。そして診察の後、6日分の薬を処方してもらう。
毎晩、風呂から上がると腰にタオルを巻き、上半身にもタオルを巻き、食堂に来て水を飲む。時にはそのまま眠り込んで時間の経つこともある。気づくとはらだは冷えているものの、風邪をひくわけではない。「オレも丈夫だよなぁ」と感じる日々ではあるけれど、たまには今日のようなことも起きる。重々、気をつけなければいけない。
数日前に孫のリコが「土曜日はピザパーティです。どんなピザが食べたいですか」と訊くので「タイのニンニクとタイの唐辛子と、トマトとチーズのピザが食べたいです」と答えた。そういう次第にて夜の食卓にはリコが粉をこね、長男が焼いたピザが次々と出てきた。それらを肴にしてドライシェリー、白ワイン、締めにウイスキーを飲む。そういうときには「重々、気をつけなければいけない」がどこかに消えてしまう、それも僕の駄目なところである。
朝飯 ミートボール、油揚げと小松菜の炊き合わせ、コールスロー、納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、ブロッコリーと若布の味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、ホットミルク
晩飯 タコとアサリとトマトとパクチーのサラダ、ピザ其の一、ピザ其の二、ピザ其の三、ピザ其の四、レモンのシャーベット、TIO PEPE、Chablis Billaud Simon 2018、「久埜」のかしわ餅、Old Parr(生)
2023.5.19(金) 以降は机の上で
しなくてはならないことでもつい忘れがちになるから、ポストイットは欠かせない。コンピュータは終業後に事務机の電源から外し、おばあちゃんが編んだ手提げ袋に収めて4階へ運ぶ。翌朝はそのコンピュータを食卓に立ち上げて、あれやこれやする。
今朝も、そのコンピュータのディスプレイの右上にはポストイットが貼られていて、すべきことが黒と赤のボールペンで箇条書きしてある。それに従って、そこにあることすべてを処理する。「すべてを処理する」と書けば何やら格好良く思われるかも知れないけれど、実際には、それほど大したことでもない。
ところできのうは郵便貯金の口座をインターネットを介して操作する機能が使えなくなった。不思議に感じていたところ、夕刻になって「ゆうちょダイレクトサポートデスク」から電話があり、この仕組みを安全に使い続けるため、利用者権限を更新して欲しい旨の説明を受けた。
更新のための書類は早くも昼に届いた。作成は事務係のマスブチサヤカさんに任せた。それを直ちに今市郵便局へ持参する。降り始めた雨はなかなか強く、往復の道ではホンダフィットのワイパーを高速で動かし続けた。帰社すると、事務室の前に掛けたのれんは風に大きくあおられ、犬走りの庇から舞い上がるたび雨に濡れている。それを事務室に取り込んで、以降は机の上でできることをする。
気温は、夏日だったきのうとはくらべものにならないほどに低い。
朝飯 ミズの甘辛煮、納豆、冷や奴、人参と甘夏の酢の物、生のトマト、胡瓜の塩もみ、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と大根の味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、ホットミルク
晩飯 油揚げと小松菜の炊き合わせ、人参と甘夏の酢の物、冷や奴、空豆の甘煮、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、鯛の煮付け、「片山酒造」の「かしわざかり佳撰」(燗)
2023.5.18(木) 効く薬、効かない薬
元は湿疹と思われる、いつまでも治らず、色は赤く、表面はコンクリートブロックのように荒れ、まるでかさぶたのようになった太腿の直径3.5センチメートルほどの患部には、貼りつける形の収斂剤が処方された。この薬は貼付してから数時間でその部分の色を薄め、表面を滑らかにし始めた。そして2日を経た今日は、更に皮膚を正常にしつつある。
「効く薬は怖い」と言う人がいる。一理はあるものの、効かない薬は動物のいない動物園、魚のいない水族館のようなもので、話にならない。
患部に貼りつけた収斂剤は、それをガーゼで覆い、ガーゼは絆創膏で固定する。朝にはその絆創膏を剥がし、収斂剤を外し、非常な粘着性を帯びた白い薬は「オリブ油」と印刷されたシールを瓶に貼られた油で拭き取る。更にその油分をアルコールで拭き、新しい収斂剤を貼る。他の、症状の軽いところには軟膏を塗る。この作業には実に20分を要するから、朝は特に、時間の確保を考えなくてはならない。
「1週間後にまた見せてください」と先生は言った。来週の火曜日は忙しい。よって神田の皮膚科には、その前日の月曜日に行こうと考えている。
朝飯 炒り豆腐、納豆、生玉子、めかぶの酢の物、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と万能葱の味噌汁
昼飯 「やぶ定」の冷やしたぬき蕎麦
晩飯 茹でたブロッコリーと3種のサラダ、クロワッサン、生ハムのムース、2種のパン、鶏のトマト煮、Chablis Billaud Simon 2018、西瓜
2023.5.17(水) 色あざやかな朝食
2000年5月12日より始めた「ほぼ年中無休」の体制を、今年の1月からは「第3水曜日定休」と改めた。その日、外には「社内メンテナンスのため」と看板を出す。「メンテナンス」は誤りではないものの、同時にすべての社員が出社をして勉強や意見を出し合う日とした。
午前は隠居にて、各部署に分かれて1時間ほどの創作をし、以降はその創作の途中経過の報告や、結果の発表などをした。昼休みを挟んでふたたび隠居に集まり、今度はこれから秋までのことについての報告や連絡を行う。
店が休みの日には、ふだんより道の駅「日光街道ニコニコ本陣」での販売量が増える。よって僕は勉強や話し合いの合間を縫って道の駅へ出かけ、売り切れの出ないよう、検品と納品を繰り返す。
夜になって、iPhoneの画像をコンピュータに移す。そのときはじめて、朝食の画像を撮り忘れていたことに気づく。「なにか考えごとでもしていたのだろうか」と振り返っても、思い出すことはできない。
朝飯 茹でたブロッコリーを添えたスペイン風目玉焼き、炒り豆腐、納豆、胡瓜と蕪のぬか漬け、人参と甘夏の酢の物、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうの「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と大根の葉の味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、コーヒー牛乳
晩飯 「フジヤ」の焼き餃子、天津風玉子焼き、雷ラーメン、梅割り焼酎、日本酒(常温)
2023.5.16(火) 適温
開高健は昭和5年の生まれで終戦時は15歳。密造酒に酔って地下道で寝ていると「戦争には負けたないな」という声が降ってきたという。その大阪弁を僕にいただければ「歳はとりたないな」ということになる。
年を重ねるに従って最も強く身体に現れはじめた変化は皮膚の劣化である。若いころでも9月になれば、かかとにアカギレができた。それが今では年間を通じてできている。手指のそれは、夏にはさすがに消えるものの、現在は右手の親指と人差し指にバンドエイドが巻かれている。
アカギレくらいならまだしも、多分、元は湿疹と思われる皮膚病が現在、太腿から足にかけて3種類、首から上に1種類、頭皮には謎の赤斑が、こちらは10年以上も前からできている。これらについてはこれまで地元の医院で治療をしてきたものの、完治は遂に諦めた。そして2018年に白内障の手術を受けたときとおなじく、検索エンジンに助けを求めることにした。
いくつかの候補の中から最終的には神田駅にほどちかい皮膚科を選んだ。交通の便の良さも大切である。そして今日はその医院にて処置を受け、処方された薬は医院のあるビル1階の薬局で手に入れた。さて結果はどういうことになるだろう。
神田から本郷三丁目の甘木庵、そこから坂を下って湯島、そして根津のギャラリーと、それほど離れていないところを巡ってあれやこれやする。
「1週間後にまた見せてください」と皮膚科の先生は言った。治るなら少々の距離は問題にしない。移動の最中に本を読めるのもの有り難い。更には薄着で動けるようになった季節も嬉しい。今日の東京の最高気温は26℃。9月までは、僕にとっての適温が続くだろう。
朝飯 めかぶの酢の物、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、きのうの鍋の残りによる味噌汁
昼飯 「釜竹」のざるうどん(太打ち)
晩飯 「加賀屋北千住店」のあれこれ、チューハイ









































