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お買い物かご

清閑 PERSONAL DIARY

2021年9月の日記30本

2021.9.30(木) ガラリと変える

しその実の買い入れは、8月30日から始めて9月13日に締めた。一方、茗荷はそれより早い8月10日から買い入れを始め、52日間を買い続けて本日、ようやく最終日を迎えた。しその実は1,000リットルの桶に1本以上を買った。茗荷もまた、充分な量を確保できた。以降の仕事は、これらを可能な限り丁寧に扱い、手をかけ時間をかけて、上出来の商品に仕上げていくことだ。先は長い。

僕は、これまで連綿と続けてきたことを急に変えてしまう、ということをしばしばする。というか、そのような行いを好むところがある。みょうがのたまり漬は、上澤梅太郎商店の中では目立たない商品だ。これが長く売れ続けているということは、特定のお客様のご支持をいただいている可能性が高い。それでも更に多くのお客様にご愛用いただくべく、1年の後には製法をガラリと変えているかも知れない。

ところでここ数日のあいだ「大型で非常に強い」台風16号の動向を、テレビやスマートフォンが伝え続けている。日光地方の天気は、いまだしごく穏やかだ。それでも明日の午後に雨風が激しくなれば、心細さを覚える社員に限っては、早めに帰宅させようと思う。


朝飯 秋刀魚の梅生姜煮、刻みオクラを薬味にした納豆、蓮根と人参のきんぴら、揚げ茄子、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、長芋のたまり浅漬け、メシ、缶詰の鯖とブロッコリーの味噌汁
昼飯 肉まん
晩飯 めかぶの酢の物、マカロニサラダ、生のトマト、もつ煮、「夏太郎」らっきょう、麦焼酎「こいむぎやわらか」(生にTIO PEPEを少々)

2021.9.29(水) 死ぬわけではない

ほぼ1日おきに、朝食の動画をTikTokに上げている。上げれば最低でも1万数千回は再生をされる。これまでの最多は今年2月28日のそれで、再生数は63万8千3百になっている。

僕は料理は苦にしない。しかし作り方はいい加減あるいは「テキトー」である。味噌汁の具は子供のころからの経験に則って、ではなく主に色で選ぶ。だから僕の味噌汁にはトマトが目立ち、ときにはピーマンやパプリカも用いる。

朝食の動画について最も多い質問は「味噌汁にトマトって、合うんですか」かも知れない。それを目にするたび「訊くより先に、やっちゃえば良いのに」と思う。もっとも及び腰の人は、すべての分野にいるものだ。味噌汁に関しては「やっちゃえば良いのに」の僕も、人のことは言えない。

池袋のビックカメラの裏手に第一イン池袋というホテルがある。ここはむかし池袋温泉という名のサウナ風呂だった。その地下の一角には鍼灸の先生がいて、年に何度かは施術を受けた。

あるとき鼻が詰まるという僕に「やってみましょう」と先生は頷きながら「鼻づまりのツボは、鼻の両脇にあります」と、何本かの鍼を手に近づいて来た。両目の直下、鼻の脇に鍼を打たれるとはおだやかでない。「いや、先生、だったらいいわ」と慌てると「死にゃぁしねぇから」と先生は、ニヤリと笑ったように見えた。

死にはしないからといって、そんなところに鍼を打たれるのはいやだ。以降、鍼灸師に鼻づまりを訴えることは止めた。

しかしまぁ、味噌汁の具にトマトを使うくらいは、気軽にやっちゃっていただきたい。世界を見わたせば、トマトをスープの具にするなどは、珍しくも何ともないことなのだから。


朝飯 切り昆布の炒り煮、納豆、ミートボールとほうれん草のバター蒸し、長芋のたまり浅漬け、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、胡瓜と蕪のぬか漬け、メシ、トマトとズッキーニの味噌汁
昼飯 「ふじや」のタンメンバター
晩飯 めかぶの酢の物、蒲鉾、糸こんにゃくの明太子和え、生のトマト、胡瓜のぬか漬け、鮒鮨、蛍烏賊の沖漬け、「松瀬酒造」の「松の司特別純米」(燗)

2021.9.28(火) 日本発酵紀行

製造現場での朝の仕事から4階の食堂へ戻ると時刻は6時12分だった。一方、テレビ局から伝えられていた時間は「6時15分ごろ」というものだった。すぐにテレビの電源を入れ、リモートコントローラーの「5」を押す。

発酵デザイナーの小倉ヒラクさんが店にいきなり現れたのは、2018年のことだっただろうか。季節は秋だったかも知れない。明日は野岩鉄道で会津へ抜けようとしている小倉さんにはこの街での宿泊を勧め、長男は朝食の美味い旅館「熱海館」を予約した。夕刻には僕が居酒屋の「和光」まで小倉さんを送り届けたような気がする。

僕はその日、用事があり、長男も生憎とふさがっていた。夕食を共にすることはできなかったものの、小倉さんはその日のことを著書「日本発酵紀行」に書いてくださった

その小倉さんが推薦する品として、今朝は上澤梅太郎商店のらっきょうのたまり漬が紹介をされる。番組はテレビ朝日の「グッド!モーニング」。コーナーはその中の「新井恵理那のあら、いーな!」である。

それは「6時15分ごろ」ではなく、6時15分ちょうどに始まった。有り難し。平時はふたりのところ、今日の事務係は3名に増やしてある。多くのご注文に恵まれることを期待しながら、朝食の準備に取りかかる。


朝飯 隠元豆の胡麻和え、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、蓮根と人参のきんぴら、切り昆布の炒り煮、揚げ茄子、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、小松菜の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」のスーラーメン
晩飯 揚げ茄子、揚げ湯波の淡味炊き、胡瓜と三つ葉の酢の物、糸こんにゃくの明太子和え、生のトマト、長芋のたまり浅漬け、蛍烏賊の沖漬け、「天寿酒造」の「鳥海山きもと純米大吟醸」(燗)

2021.9.27(月) 無事の帰着

如来寺では、付属の幼稚園で運動会の練習が整然と行われていた。新旧のお墓の花立ての水を換え、あるいは水を足す。供えた20日以降には雨の日もあっため、花はいまだ命脈を保っていた。いずれ数日のうちにはふたたび訪れて、また様子を見てみることにしよう。

お寺の駐車場から税理士事務所に電話を入れ、数日前より必要とされていた書類を届ける。「固定資産台帳兼減価償却額明細書」で僕がとまどうのは、すべての日にちが元号で記録されているところだ。僕の記憶はすべて西暦による。よって元号と西暦の対照表は必須である。

それはさておき今日は、新宿高島屋の11階で、2週間にわたって開かれていた「美味コレクション」の最終日。販売係のササキユータ君は撤収作業を手伝うため、14時30分にハイエースで東京へ向かった。その直後、研修により金曜日まで留守にする家内を下今市駅まで送る。

夕食後、ひとり食堂で睡魔と闘っている最中にササキユータ君から電話が入る。時刻は20時51分。日光宇都宮道路の大沢I.C.まで戻ってきたという。想像していたより1時間も早い。即、事務室に降りてシャッターを上げる。駐車場にヘッドライトの見えたのは21時06分。今度は蔵へ走り、こちらのシャッターも上げる。そこにハイエースが後退で入ってくる。ササキ君は戻り品を冷蔵庫に収め、21時10分に自宅へと去った。

以降は、先ほどまでの眠気はどこへやら。まったく目の冴えたまま0時を過ぎる。


朝飯 隠元豆の胡麻和え、納豆、ミートボールのケチャップ煮、海老豆、秋刀魚の梅生姜煮、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、ブロッコリーの味噌汁
昼飯 ざるラーメン
晩飯 「ぱんいしづか」の3種のパン、トマトとズッキーニとベーコンのアヒージョChablis Billaud Simon 2015

2021.9.26(日) 杞憂

15日(水)から27日(月)までの13日間、つまり現在、上澤梅太郎商店は新宿高島屋の11階で開かれている「美味コレクション」に出張をしている。今回は、そちらで販売すべく「長芋のたまり浅漬け」を研究開発室のマキシマアキコさんと嫁のモモ君が新商品として作った。それが思いがけず好評にて、本店でも試験的に並べてみようということになった。

「長芋のたまり浅漬け」は、漬物としては賞味期限が短い。よって金曜日の午後に袋詰めしたそれは、この土曜日と日曜日で売り切らなければならない。僕は土曜日の朝にその写真を撮り、会社のfacebookページに上げた。

2日目の今朝、店の冷蔵ショーケースに並べられたそれは僅々11袋。僕の心配をよそに、大部分はきのうのうちに売れてしまったのだ。そして今日は、開店からいくらも経たずに完売。お買い上げくださったお客様には、厚く御礼を申し上げます。

「汁飯香の店 隠居うわさわ」のお客様が蔵見学をご希望になっていると、10時すぎに電話が入る。即、現場の準備を整えてから隠居へ急行する。そのお客様を蔵にご案内し、共に店まで戻り、記念写真に応じる。

正午過ぎ、隠居の席に空きはあるだろうかと、販売主任のハセガワタツヤ君が事務室に顔を出す。これまた即、その5名様を隠居までご案内する。あらかじめ水に浸漬しておいたお米は、この5名様にておしまい。以降は満席とさせていただく。「汁飯香の店 隠居うわさわ」のごはんは、お客様ひと組ごとに土鍋で炊く。フリのお客様には多くご対応できないのが泣きどころ、である。

午後、数日前に予約しておいたライ麦食パンを「ぱんいしづか」へ取りに行く。僕は朝食は、特に家にいる限りごはんでないと気が済まない。しかし夕食は別だ。

夜はそのパンとポーチトエッグにて白ワインを飲み、早々に就寝する。


朝飯 海老豆、納豆、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、刻みキャベツを添えた鶏の笹身揚げ、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと若布と長葱の味噌汁
昼飯 「湖里庵」の鮒鮨茶漬け、ごぼうのたまり漬、海老豆
晩飯 トーストポーチトエッグ無花果の蜜煮Chablis Billaud Simon 2015

2021.9.25(土) 千灯供養

きのう20時すぎに就寝をしたところ、0時をまわったころに目が覚めた。早寝早起きとはいえ、これでは昼夜逆転である。どうにか二度寝に入ると、今度は同級生6人つまり定員を超えてホンダフィットを走らせるうち、鬼怒川沿いの曲がりくねった道から渓谷に転落する夢で目を覚ます。

とにかく僕は、どこかから落ちる夢を頻繁に見る。「夢 落ちる」と検索エンジンに入れると、出てくる解説は悪いことばかりだ。ところが実際の僕に悪いことは起こらない。夢判断などは信じるに当たらない、ということだ。

昼食は、日本経済新聞の文化面を読みながら摂ることが多い。今月の「私の履歴書」は山本耀司。今日は北野武の”Dolls”の衣裳を担当したときのことが書かれ、その中に「文楽が筋書きに絡んでくることが分かり」とあった。

“HANA-BI”は、目黒の権之助坂の上の映画館で観た。1990年代の最後のころ、季節は夏だった。独り合点かも知れないが、後半「これは近松だ」と気づいたときから涙が止まらなくなった。そしてあの結末である。

終業後、夕刻からの雨が残る中を、小倉町の追分地蔵尊へ行く。きのうと今日は千灯供養の日で、僕は灯籠を申し込んでいた。昨年と異なって、灯籠の数は極端に少なかった。大抵の人は初日に灯籠を上げてしまうのだろう。そして僕は多分、昨年は初日に来たのだろう。

いただいた御札は雨に濡らさないよう、明日までホンダフィットの中に置くこととする。


朝飯 糸こんにゃくの明太子和え、納豆、らっきょうのたまり漬とツナのサラダ、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、長芋のたまり浅漬け、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬、メシ、トマトとレタスと茗荷の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 刻みキャベツとプチトマトを添えたコロッケと揚げ鶏、「夏太郎」らっきょう、麦焼酎「こいむぎやわらか」(生にTIO PEPEを少々)、「セブンイレブン」のオレンジピールのマリトッツォ、Old Parr(生)

2021.9.24(金) いきなり冬のそれに

「日光みそのたまり漬」の看板が、国道121号線に沿って立っている。事務机の左手に提げたカレンダーの今日のところには、その看板の電源を入れるよう覚え書きがある。難しく考えることはない、電源は、秋の彼岸に入れて春の彼岸に切れば良いのだ。それをつい忘れる故の、覚え書きである。

午後、その看板の直下にある樹脂製の箱を開き、電源を入れる。電源を入れてもただちに照明が点灯するわけではない。16時から閉店の17時30分のあいだに空の明るみが一定以下に落ちれば、そこではじめて灯りの点く仕掛けである。

秋の日はつるべ落としだ。しかし僕の手はそれどころではない、1週間ほど前のある朝、いきなり冬のそれになった。手の平が、まるで紙やすりのように荒れはじめたのだ。

手の皮膚を保護するクリームは、日本ケミファのモイスポリアホワイトが一番と、これまでの経験により知っている。あまりに具合が良いため、2014年11月には10本をまとめて買った。その残りがいよいよ少なくなってきた。

モイスポリアホワイトの唯一の欠点は、塗りすぎると、それが皮膚に馴染むまで、15分ほどは両の手を摺り合わせ続けなくてならないところだ。馴染めばベタつきは一切、無くなる。また買い足さなくてはならない。


朝飯 糸こんにゃくの明太子和え、納豆、冷や奴、舞茸の天ぷら、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと若布と長葱の味噌汁
昼飯 醤々麺
晩飯 「共働学舎新得農場」のレラ・ヘ・ミンタル、TIO PEPE、ベーコンとマッシュルームとベビーリーフのスパゲティChablis Billaud Simon 2015

2021.9.23(木) cold turkey

朝食の後、という珍しい時間に食卓で仕事をする。早朝から始めたものの、完了しなかったからだ。しかしそれに熱中をするあまり、出勤する社員のことを忘れてもいけない。そう考えて、続きは事務室ですることとした。

アイスホッケーは非常に運動量の大きなスポーツだ。よって氷上に出た選手は1分ほどでベンチに戻り、代わりの選手が出ていく。脳を激しく使う仕事も、それに似ている。はやくタイの北の方へ行ってボンヤリしたいものだ、と思う。

「人はいつまで我慢できるものではない。コロナに一区切りがつけば、マグマを溜め込み続けた人間は、一気に欲望を開放するだろう」と言う人は少なくない。一方、今日は「人は我慢を続けるうちに欲望を漸減させる」という意見をウェブ上で目にした。

「マイルス・デイビス自叙伝」は、かなり面白い。分厚い文庫本で上下2巻の文章量だから、極上の料理を大皿で食べている気分になる。その中に「コールドターキー」ということばが出てくる。それは、ただ我慢することにより麻薬の中毒から抜け出す行いをいう。

「はやくタイの北の方へ行ってボンヤリしたいものだ」という欲求は、しかしそれほど強いものでもない。我慢を強いられるうち、中毒が緩和されてしまったのだ。コロナもひとつのコールドターキーと、僕は感じている。


朝飯 生のトマト、蕪と胡瓜のぬか漬け、ごぼうのたまり漬、生玉子、松茸ごはん、シメジと榎茸と茄子の味噌汁
昼飯 ざるラーメン
晩飯 糸こんにゃくの明太子和え、山葵漬けを添えた蒲鉾、生のトマト、めかぶの酢の物、鰹の刺身のたたき風、蕪と胡瓜のぬか漬け、麦焼酎「こいむぎやわらか」(生にTIO PEPEを少々)、メロン

2021.9.22(水) 松茸ごはん

おととい思いがけず松茸をいただいた。その夜、それは早速、スパゲティの具になった。きのうは隠居で炊き込みごはんの具になった。最後の1本は今夜、やはりごはんに炊き込まれた。

長谷川町子の「サザエさん」は、終戦直後まで時代を遡ると、個人的にはとても面白い。街には進駐軍の米兵がいて、サザエとカツオは馬糞を拾っている。

ある回では、晩ごはんについて「松茸ごはんがいい人」とサザエが問う。波平、フネ、マスオが手を上げる。続いて「カレーライスがいい人」と訊く。こちらにはカツオとワカメが手を上げるものの、大人の数には勝てない。そこでカツオは足も上げる。それから50年か60年を経た今でも、多くの子供は松茸ごはんよりカレーライスを欲しがるのではないか。

蕎麦屋で酒を飲むうち蕎麦まで辿り着かない、ということがままある。おでん屋で酒を飲むうちオデンまで辿り着かない、ということもままある。今夜は松茸ごはんまで辿り着かなかった。そういう次第にて、今夜の松茸ごはんには明日の朝、生玉子をかけて食べようと思う。


朝飯 揚げ湯波と小松菜の餡かけ、牛肉と榎茸のすき焼き風、納豆、揚げ茄子、菠薐草のおひたし、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと若布と長葱の味噌汁
昼飯 醤々麺
晩飯 めかぶの酢の物、生のトマト、蕪と胡瓜のぬか漬け、大根と胡瓜と「しその実のたまり漬」の塩もみ、海老豆、豚薄切り肉と厚揚げ豆腐の鍋、金宮焼酎(生にTIO PEPEを少々)、メロン

2021.9.21(火) 10月のお弁当

「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、月替わりで弁当をお作りしている。仕込みの都合上、ご入り用のお客様には、前日の15日までにご予約をいただく。お渡しは、上澤梅太郎商店でも隠居でも承っている。毎週の土、日、月曜日にお作りする弁当の告知は木曜日にSNSに上げるほか、月末の新聞にチラシもお入れする。

正午の1分前に、隠居へ電話を入れる。ちょうど10月の弁当ができあがったという。内容は以下。
……
ごはん(八木澤ファームの「ゆうだい21」を使用)
鮭の味噌と地酒粕漬け(日光味噌/登録商標0403629番を使用)
玉子焼き
ほうれん草の胡麻和え
じゃがいもときのこの味噌和え(日光味噌/登録商標0403629番を使用)
舞茸の天ぷら
日光みそのたまり漬各種
さつまいも茶巾しぼり
フリーズドライ味噌汁”with LOVE”(日光味噌/登録商標0403629番を使用)
……

即、隠居の厨房へ赴き、いまだ温かいそれを自宅4階の食堂へ上げる。隠居の光は緑が勝り、4階のそれは青に傾く。色は後から補正するとしても、仕事は自分の慣れたところでしたい。

ところで本日は旧暦の8月15日。いわゆる十五夜である。「だから」というわけでもないけれど、日が暮れてしばらくしたころに隠居へ行く。北側の柴折り戸から一歩を踏み入れただけで、鈴虫の音が耳を圧倒する。

その虫の音を座敷まで届かせようと、縁側の硝子戸を開ける。蚊遣りを焚かなくても、蚊や羽虫のたぐいは入ってこない。庭に点々と点る灯りが綺麗だ。月については特に覚えていない。


朝飯 秋刀魚の梅生姜煮、納豆、キャベツの玉子とじ、揚げ茄子、菠薐草のおひたし、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、ブロッコリーの味噌汁
昼飯 「汁飯香の店 隠居うわさわ」の10月の弁当、フリーズドライ味噌汁”with LOVE”(長葱は自分で追加)
晩飯 鮪の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け酒肴あれこれ、日本酒あれこれ(冷や)、松茸を微量に含む混ぜごはんオクラとなめこの味噌汁隠居の庭で摂れた梅の実のシャーベット

2021.9.20(月) その言葉は聞こえてこない

「あしたは5時にお墓へ行く」と、きのう家内が宣言をした。「今の5時は、お墓の掃除ができるほど明るくないよ」と僕は答えた。「汁飯香の店 隠居うわさわ」の営業日には、家内は6時前に厨房に入る。結局のところ、墓参りは僕がひとりですることとした。

8時30分、道の駅「日光街道ニコニコ本陣」への本日1回目の納品をしてから如来寺へ行く。お墓には、どなたかが供えてくださった線香が、いまだ消えずにあった。かたじけないことこの上ない。

墓石は水を固く絞ったタオルで拭く。花立てには新しい水を満たして花を供える。線香は左右の線香立てに3本ずつ。献仏不假香多である。すこし離れたところにある叔母のお墓にも花と線香を供える。

いちど会社に戻り、今度は自転車で日光街道を下る。服も花も野菜も売るシマダヤさんには、オヤジの妹の注文による花がしっかり整えられていた。それを自転車の籠に満載して、ふたたびお墓へ戻る。そして新旧9基のお墓の、それぞれ一双の花立てに、それらを供えていく。

ふたたび会社に戻ると時刻は9時30分。以降は主に、社員と長男との連絡係をする。コロナ下の現在、新聞やテレビは自主規制をしているのか「シルバーウィーク」という言葉は聞こえてこない。それでも店はきのうに引き続いて、結構、忙しい。


朝飯 マカロニサラダ、納豆、プチトマトとブロッコリー、紅白なます、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、キャベツと若布の味噌汁
昼飯 「やぶ定」の盛り蕎麦(大盛り)
晩飯 「夏太郎」らっきょうベーコンと松茸のスパゲティ、Old England、“Chez Akabane”のロールケーキ、Old Parr

2021.9.19(日) 冷えた白ワイン

早朝、外の様子を知ろうとして、北東に面した窓の取っ手に手をかける。片開き式のそれは、東からの強い風により、勢いよく限界まで開いた。取っ手を握っていなければ、蝶つがいが壊れたかも知れない。それほど強い、そして暖かい風だった。台風の置きみやげだろう。

久しぶりの快晴にて、きのうに引き続いて隠居へ行き、緑陰のパラソル席の写真を撮る。その隠居からは昼前に電話が入り、満席が伝えられる。後に家内から聞いたところによれば、8名様でテーブル席が埋まった直後に「これから9名、どうですか」というお電話をいただいたものの、承れなかったとのことだった。

日光市今市の中心部は、宇都宮方面と鬼怒川方面が渋滞。道の駅「日光街道ニコニコ本陣」へは、軽いものに限っては2度、自転車で納品をした。

夜は会計係として、町内に住む68名の高齢者への祝金を中央、東、西の各地区ごとに分けて、公民館へ持参する。祝金は各地区の委員長が、それぞれのお宅へ届ける仕組みである。

帰宅後はようやく落ち着いて、冷えた白ワインを飲む。


朝飯 生のトマト、菠薐草のおひたし、刻みキャベツとミートボールのトマト煮、紅白なます、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、舞茸の天ぷらと長葱の味噌汁
昼飯 カレーライス、らっきょうのたまり漬、「夏太郎」らっきょう
晩飯 マカロニサラダパン茹でたブロッコリーを添えたベーコンエッグ、スパゲティ、Chablis Billaud Simon 2015

2021.9.18(土) 対策はお墨付き

製造係のタカハシアキヒコ君は、木曜日から三連休中。現在は39℃の発熱と、販売主任のハセガワタツヤ君が教えてくれた。新型コロナウイルスの、2度目の予防接種の副反応である。39℃はタカハシ君の人生における最高記録だという。扁桃腺を腫らせた経験などは無かったのだろう。

長男は、思いもよらなかった職域接種をSNSで知った。そしてそれを頼って2度とも東京で受けて、そろそろ数週間になる。その長男は現在、新宿高島屋の11階で開かれている「美味コレクション」に出張をしている。15日(水)から27日(月)までの13日間の長丁場であれば、健康に留意をして、無事に務めて欲しい。

「汁飯香の店 隠居うわさわ」の営業日は、土日月の3日間だ。その告知は毎週、金曜日にSNSに上げている。これまで画像はできるだけ夾雑物を廃したものを使ってきた。しかし今日は考えを改めて、お客様おひとりおひとりを隔てるパーティションを含めて撮ってみた。来週の金曜日からは、このようなことも含めて、積極的にお知らせしていこうと思う。


朝飯 納豆、菠薐草の溶かしバター和え、紅白なます、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、缶詰の鯖とトマトと長葱の味噌汁
昼飯 牛そぼろ煮、梅干、塩鰹のふりかけ、ごぼうのたまり漬のお茶漬け
晩飯 菠薐草のおひたし、冷や奴、蛸と胡瓜の酢の物、鰹の刺身のたたき風、金宮焼酎(生にTIO PEPEを少々)

2021.9.17(金) 「酒とバラの日々」ではなくて

春分と秋分は、一般には昼と夜の長さがおなじになる日と認識をされている。日は真東から昇り、真西に沈む。このあたりについて天体に詳しい人に確かめると、微に入り細を穿って話は止まらない。僕のような無知蒙昧は却ってわけが分からなくなるから、そういう人とそういう話をすることは努めて避けている。

とにかく旧暦でも新暦でも彼岸の時期はおなじだろう。「暑さ寒さも彼岸まで」ということばがいつできたかは知らない。とにかく江戸時代の彼岸も現在の彼岸も時期に差は無いはずだ。

ちょうど一週間前は東京にいて、気温は30℃に達した。その日こそ暑さに恵まれたものの、それは秋雨のたまさかの隙間のようなものだった。日光にいる限り、日によっては木綿のセーターを半袖のシャツに重ねる。SNSを開けば既にして石油ストーブを仕事場に持ち出した人もいる。

秋の彼岸まで残すところ数日。それを過ぎれば季節は冬へ向けて、一気に傾いていくだろう。

アロハシャツは、売るほど持っている。それを今日は、しばらく前にホームセンターで求めた、プラスティックの箱にまとめた。もっとも派手なそれは、2002年11月にシンガポールで着て以来、袖を通していない。襟の内側には”XL”という表示がある。アメリカの”XL”である。「馬鹿じゃねぇの」と驚く。なぜこのような巨大なものを買ってしまったのか。

「製造係のイトーカズナリ君になら、ちょうど良さそうだ」と考える。「しかしこんな真っ赤なものは好みじゃねぇだろう」と、箱のいちばん底に納める。そして「今年の夏は、アロハ、1回も日の目を見なかったなぁ」と、コロナと長雨の日々を振り返る。


朝飯 長芋のたまり浅漬け、納豆、冷や奴、菠薐草のおひたし、紅白なます、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと若布の味噌汁
昼飯 「やぶ定」のカレー南蛮蕎麦
晩飯 浅蜊のスパゲティトマトと菠薐草のおひたしを添えたコールドビーフChablis Billaud Simon 2015とChateau Leoville Las Cases 1984“Chez Akabane”の杏仁豆腐

2021.9.16(木) 練習と克服

おとといときのうの日記を書いても、朝食まではなお時間がある。よって本棚から読みさしの「考える胃袋」を食卓に持ち来て開く。

タイの、特に麺を商う店では大抵、4種の調味料が卓上に置かれている。それらはすなわち唐辛子の粉、唐辛子を漬け込んだ酢、魚醤、そして砂糖だ。これについて石下直道は上記の中で「砂糖を入れるのはわたしにはどうも…」と言う。

それに対して森枝卓士は、日本に長く住みながら、魚の佃煮にだけは馴染めないイタリア人を例に挙げて応える。西欧では魚料理に砂糖は用いない。イタリア人の佃煮嫌いも、その習慣によるものだろうという推理だ。

石下直道は「食生活を探検する」や「リビア砂漠探検記」を書いた人だ。「わたしにはどうも…」とは「自分から進んですることはない」くらいのところだろう。「西欧では魚料理に砂糖は用いない」については、どうか。砂糖は用いなくても、甘いバルサミコ酢をソースに加えるくらいはしそうだ。

僕は、苦手な食べものがあれば、とにかく食べる。食べて食べて、また食べる。そうして自分の口を慣らせてしまう。

「勉強とはみずから勉め、みずから強いること」と、高等学校時代の国語教師ヤマグチヒカル先生はおっしゃった。僕が自らを強いて頑張れるのは「喰うこと」をおいて他には無いような気がする。「カブト虫の殻を剥いて、中のものを生で食え」と言われれば、それはちと無理だろうけれど。


朝飯 納豆、茹でたブロッコリーと生のトマト、冷や奴、長芋のたまり浅漬け、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、舞茸の天ぷらと若布の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」のラーメン
晩飯 マッシュドポテト、グリーンアスパラガスと茸のソテー、紅白なますを添えたビーフステーキ生姜とにんにくのたまり漬によるステーキソースChateau Leoville Las Cases 1984

2021.9.15(水) ホーン

アメリカの西海岸にペブルビーチという保養地がある。近くのラグナ・セカではモントレー・ヒストリック・オートレースが開かれていた。レースについての記憶はまったくない。僕はキッチンカーでホットドッグ買い、それを肴に発泡性の白ワインを飲んだ。1980年8月のことだ。

別の日、ゴルフ場に、古いクルマのコンクール・デレガンスを観に行った。ホテルからは、トムという名の日系人から借りた、大きなアメリカ車で移動をした。会場の入口にはボーイスカウトのそれとおなじ形の帽子を被った警備員がいた。

クルマを運転していたのが誰かは覚えていない。とにかく彼が窓を降ろすと「カーンコー」と、その警備員は腰をかがめて訊ねた。運転席の男は「そうです、観光です」と答えた。警備員は頷いて、遮断機は音もなく上がった。

美しく整備された針葉樹の疎林を抜けながら「待てよ」と僕は不思議に感じた。たとえばホノルル国際空港の、パスポートコントロールの役人ならあるいは「カンコー?」と訊くこともあるだろう。しかし今いるのはアメリカ西海岸のゴルフ場である。しばらく考えて「カーンコー」は”concourse”のアメリカ訛りに違いないと確信した。

きのう据え付けられた消火ポンプの、今日は配線と配管の工事が行われている。配線を担当していた防災会社の人は午後、事務室に顔を出すなり「後はホーンだけです」と発した。すぐに靴を履き、現場へ戻るその人の後を追う。

「ホーンですか」
「ホーンです」
「ホーンというのは、なにか警報とか」
「いえ、ホーンです」

「ホーン」と聞いて僕の頭に浮かんだのは”horn”である。そして消火ポンプのちかくまで行くと、工事の人は水道管にグラスウールを巻き付けていた。そこではじめて「ホーン」とは「保温」だったことに気づく。

「ホーン」は夕方までに終わらなかった。「ホーンだけは明日また、来ますんで」と言って防災会社の人は去った。


朝飯 小松菜のおひたし、ピーマンの醤油炒め、セロリと大根としその実のサラダ、秋刀魚の梅生姜煮、プチトマトとブロッコリーを添えた目玉焼き、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ茄子と三つ葉の味噌汁
昼飯 朝のおかずを流用した弁当
晩飯 プチトマトとレタスとブラックオリーブのサラダ、コーンスープ、「やまびこ」の3種のパンブロッコリーのソテーを添えた鶏もも肉の網焼きトマトソース「共働学舎新得農場」のレラ・ヘ・ミンタル林檎の蜜煮Chablis Billaud Simon 2015

2021.9.14(火) 新しい機械

中学生のころのある日、家から南へ歩いて平ヶ崎を越え、森の中に入ってみた。そこには日光宇都宮道路が通るであろう線上に、赤い色を塗られた杭が点々と打ち込まれていた。その、日光宇都宮道路の建設に伴って、春日町の交差点から平ヶ崎へ向けて新しい道路が開削されたのは、高校生のときだった。この工事に伴って、交差点の角にある上澤梅太郎商店の敷地は縦に長く削られた。

明治時代から建て増しを続けられた古い社屋や自宅は、この地上げによりすべて壊され、一新をされた。工事は3期に及んだ。僕は20歳になっていた。つまり現在の社屋は建てられてからおおむね45年を経ていることになる。手入れが必要なことは言うまでもない。

今日は、それほど範囲は広くないものの、店舗と蔵の屋根瓦に修理が入った。また老朽化した消火ポンプが新品に交換をされた。

クルマのエンジンは、1920年代には12,000ccを超えるものがあった。1980年代の携帯電話は、大きくて重くて手に持てず、肩から提げた。機械は進化をすれば、ほとんどすべからく小さくなる。新しい消火ポンプも、隨分と小さくなって大いに驚いた。

コロナ禍の最中にあっても、建物の修理ができ、設備を新しくすることができる。そのことを、とても有り難く感じている。


朝飯 揚げ茄子、隠元豆の胡麻和え、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、胡瓜のぬか漬け、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、舞茸の天ぷらと三つ葉の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 刺身湯波、秋刀魚の梅生姜煮、ブロッコリーの胡麻和え、胡瓜のぬか漬け、豚と小松菜の生姜焼き丼、金宮焼酎(生にTIO PEPEを少々)

2021.9.13(月) しばらくは眠る

先週の金曜日、手の平かいきなり乾燥した。季節は秋へと一気に傾いたらしい。しその実の近隣の農家からの買い入れは、先月30日から始めた。そして今日はその最終日である。

上澤梅太郎商店はしその実を、しその実のたまり漬、七種きざみあわせ「だんらん」、ホロホロふりかけの3つの商品に使っている。だんらんとホロホロふりかけは特に人気商品だから、しその実の在庫を切らせるわけにはいかない。

その、しその実の買い入れに加えて今日は定期便の伝票作成が事務係にはある。定期便とは上澤梅太郎商店の商品に地元の産品を加えて毎月15日に出荷をするものだ。これを始めて今回はちょうど12ヶ月目になる。お客様も徐々に増えて、本当に有り難く思う。

しその実の買い入れ、茗荷の買い入れ、定期便の伝票作成に加えて今日は、事務係のマスブチサヤカさんが新型コロナウイルスワクチンの2回目の接種により昼で早退をする。残るのはカワタユキさんひとりにて、昼食は事務室でそそくさと済ませる。

しその実は、買い入れを始めて2週間目のきのう、1,000リットルの桶に満ちた。今日の数十キロを加えれば、今年も充分な量を確保できた。塩をまぶされたしその実には重石がかけられて、これからしばらくは蔵で眠ることになるだろう。


朝飯 揚げ湯波の甘辛煮、めかぶの酢の物、納豆、セロリと大根としその実のサラダ、「夏太郎」らっきょう、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ茄子の味噌汁
昼飯 「セブンイレブン」のサンドイッチ、牛乳
晩飯 トマトと人参と胡瓜とレタスのサラダカレーライス、金宮焼酎(生にTIO PEPEを少々)

2021.9.12(日) ニコッペ2021(続)

「汁飯香の店 隠居うわさわ」からは、朝一番のお客様が蔵見学を希望されている旨が知らされていた。そのお客様に食後の甘味をお出ししたと、2度目の連絡が入る。よって「ヤマジョー」の印半纏に袖を通して隠居へ向かう。

そのお客様のご案内を完了して戻ると、店には既にして行列ができていた。きのうの日記に書いた、コッペパンを求めるお客様である。ご予約分を除いた本日のご用意は32個。そして10時30分より販売を始める。

2人目か3人目のお客様が「4つ」とおっしゃる。「トマトは抜きで」とおっしゃるお客様もいらっしゃる。そのたび係のササキユータ君は、まるで助けを求めるように、厨房へと視線を送る。厨房のサイトーミホコさんとタカハシカナエさんは「しょうがのたまり漬」を炊き込んだ牛しぐれ煮のコッペパンを作ることに熱中して脇目も振らない。

結局のところ32個は、10時48分に売り切れた。店の中にいた僕からは見えなかったけれど、行列の後ろの方の方までは、コッペパンは行き渡らなかったのではないか。申し訳ない気持ちで一杯である。

これだけ賑わうなら、この催しは来年もまた開かれるだろう。今年の教訓は、忘れないようにしたい。


朝飯 ピーマンの醤油炒め鰹節かけ、銀鮭の粕漬け、揚げ茄子、「夏太郎」らっきょう、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と大根の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 里芋と南瓜の炊き合わせ、らっきょうのたまり漬、生姜の浅漬け、柴漬け、豆腐と大根の味噌汁、鮭のホイル焼き、金宮焼酎(生にTIO PEPEを少々)

2021.9.11(土) ニコッペ2021

「ニコッペ」は「コッペパンで日光を笑顔に!」という主題の元に、昨年から始められた催しだ。日光とコッペパンにどのような関係があるのかは知らない。それでもこの、市内の多くのお店がコッペパンに工夫を凝らし、市民や観光客がそれを求めつつ街を回遊するお祭は、その第1回目から結構な盛り上がりようだった。

昨年、上澤梅太郎商店が企画、製造したコッペパンは、土曜日と日曜日の両日において、予約ですべて売り切れた。つまり当日のお客様には、既にしてお売りするものが無かった。その反省から、今年の予約は予定数の半分に留めた。

お祭の開始は10時30分。そのころ僕は道の駅への納品その他により、会社にはいなかった。そして11時に戻ると、予約を打ち切って残した半数も、すべて売り切れていた。「それではいかにもまずかろう」と、販売係の面々は厨房に戻り、増産を始めた。それも、作るそばから売れてしまった。

1日あたりの製造予定は32個。それに対して今日の販売は57個。明日は32個の予定を50個に引き上げて、パン、野菜、牛肉などの材料は、今日のうちに調えた。何が何やら分からないけれど、たとえ一時でも街が賑やかになるのは良いことだ。お買い上げくださったお客様、また実行委員会の方々には、厚く御礼を申し上げます。


朝飯 ピーマンの醤油炒め、生のトマト、生玉子、セロリと大根としその実のサラダ、揚げ湯波の甘辛煮、ごぼうのたまり漬、「夏太郎」らっきょう、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 「ふじや」の野菜麺
晩飯 豚のソテーとトマトとブロッコリーのサラダパンクラムチャウダーTIO PEPE、Chablis Billaud Simon 2015

2021.9.10(金) 気づいた直後にはもう忘れている。

すこし前までは、たとえ日帰りでも、東京へ行く際にはコンピュータを持参した。仕事のためではない、日記を途切れさせないために、だ。しかし今は、コンピュータは持たない。以前にも増して、手荷物を減らしたくなった。もうひとつ、日記の書き溜めが得意になったことも、関係していると思う。

浅草から乗った銀座線を三越前で降り、本日ひとつ目の用を足す。室町三丁目からは神田の駅が見えている。よって地下鉄は使わず徒歩でそちらへ向かう。

石毛直道と森枝卓士による「考える胃袋」は「料理の変容も面白い」から「麺類学の出発点」に入った。活字を追うことに熱中して、浜松町で降りるはずの山手線を田町まで乗り過ごす。隣のプラットフォームからひと駅もどれば済むところを、エスカレータを上がって更には改札口も出てしまう。モノレールへの乗り換え口が見つからない。しばらくしてようやく、自分のいるところが浜松町ではなく田町であることを、あらためて認識する。乗り過ごしに気づきながら夢遊病者のように改札口を出てしまった原因はひとえに、先ほどまで読んでいた本が頭を去らなかったからだ。

天王洲の写真スタジオでは、数時間前に蔵出ししたばかりの、らっきょうのたまり漬の写真撮影に立ち会う。

本日の東京の最高気温は30℃と聞いていたから、夏の再来を楽しみにしていた。しかしその程度では、自分は暑さを感じないことを今日は知った。そして大井町、新橋、銀座、日本橋と辿り、浅草17:00発の下り特急にて東京を離れる。


朝飯 きのうのカレー南蛮鍋の残り、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトの味噌汁
昼飯 「サンマルクカフェ」の+Rサンドパストラミポーク、アイスロイヤルミルクティー
晩飯 ピーマンの醤油炒め鰹節かけ、セロリと大根としその実のサラダ、冷や奴「伊勢廣」の焼き鳥あれこれ、金宮焼酎(生にTIO PEPEを少々)、パンプディング、無花果の蜜煮、Old Parr(生)

2021.9.9(木) カレー南蛮ダブル

夜はいまだ明けていないから、外は真っ暗だ。それでも起きて食堂に来ると、東と南に面した窓の、それぞれのカーテンを巻き上げずにはいられない。きのうの日記を書くうち時を忘れる。そしてふと顔を上げると「これはもう、朝と言ってもよいのかな」というところまで夜が明けてくる。

きのうの日中には日の差す時間もあった。しかし今朝はまた雨だ。とはいえ直線距離にして南南西に6キロメートルほど離れた鶏鳴山は、薄明の中にしっかり見えている。「いま蔵で盛んに洗ったり塩に漬けたりしているしその実や茗荷は、あのあたりから来るんだなぁ」と、その山の右手に目を凝らす。

それにしても、いつまで雨の降り続くのもいかがなものか。iPhoneで日光の週間天気予報を見てみれば、明日の金曜日こそ晴れのち雨ではあるものの、土曜日は雨、日曜日から来週の水曜日までは曇り、そして木曜日から土曜日まではまた雨と出ている。

「秋晴れ」は、稲畑汀子の「季寄せ」によれば秋10月の季語だ。爽やかは秋は、いつになったら味わうことができるだろう。


朝飯 揚げ茄子、揚げ湯波の甘辛煮を薬味にした納豆、菠薐草のおひたし、スペイン風目玉焼き、白瀑の明太子和え、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、餃子の味噌汁
昼飯 「やぶ定」のカレー南蛮蕎麦
晩飯 冷やしトマト、「夏太郎」らっきょう、めかぶの酢の物、鯨ベーコン、カレー南蛮鍋、金宮焼酎(生にTIO PEPEを少々)

2021.9.8(水) 無沙汰

2018年10月、さいたま市のオーミヤナナサト眼科で白内障の手術を受けた。以降、眼科からは半年に1度の診察を勧められ、その言いつけには真面目に従ってきた。しかし「コロナ以降」はそれが難しくなった。行こうと思えば行けるものの、どうにも腰が上がらないのだ。

2013年2月から通っている品川区のソーマ歯科室では、他院で「入れ歯にするしかない」と言われた歯を、セラミックのクラウンをかぶせることにより「まだまだ使える歯」にしてもらった。また昨年は痛む別の奥歯を、今度はジルコニアのクラウンで処置してもらった。歯の定期検診も、やはり半年に1度はすべきという。しかしこちらの方も眼科とおなじく、しばらく無沙汰をしてしまっている。

「行こうと思えば行ける」が実行できるのはいつになるか。眼科には目の診察を受けるために行く。歯科には歯の診察を受けるために行く。それでも飲食店が通常の形で営業していなければ、その街へはどうにも足が向きづらい。どこかで静かに飲みたい気分である。


朝飯 白滝の明太子和え、揚げ湯波の甘辛煮を薬味にした納豆、揚げ茄子、グリーンアスパラガスの網焼き鰹節かけ、柴漬け、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、舞茸の天ぷらの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 グリーンアスパラガスとツナのサラダ、白瀑の明太子和え、小松菜の牡蠣油炒め、焼き餃子餃子スープ、金宮焼酎(生にTIO PEPEを少々)

2021.9.7(火) タランティーノ好み

土曜日に予定をされていた「汁飯香の店 隠居うわさわ」の取材は今日に早められた。外国人2名を含む一行は14時に着いた。家内と長男は既にして隠居に詰めている。よって現場までは僕がご案内をした。

晴れているとき以外は、庭の随所に灯りを点す。これが緑に映えて、雰囲気はまことに良い。客間には届かないほどの香が、玄関に焚かれている。床の間には初夏から変わらず「緑の絵」と家族のあいだでは呼び習わしている、油彩による抽象画が掛けられている。外国人を対象とした動画なら、掛け軸に替えておくべきだっただろうか。

外国人にウケる座敷とは、ロバート・クローズやクエンティン・タランティーノの映画に登場するそれだ。そのうち日本人の感覚も、そちらの方に寄っていくような気もする。しかし隠居は2013年に102歳で亡くなったおばあちゃんが生まれ育った家である。純粋な数寄屋造りであれば、今さらタランティーノ好みにはできない。

ところで茗荷の入荷はきのう以来、順調に続いている。蔵からは、しその実を水洗いする音が、賑やかに聞こえている。


朝飯 蓮根と人参のきんぴら、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、揚げ茄子、秋刀魚の梅煮、舞茸の天ぷら、メシ、隠元豆の味噌汁
昼飯 昆布の佃煮、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、ごぼうのたまり漬、柴漬け、塩鰹のふりかけのお茶漬け
晩飯 刺身湯波、隠元豆の胡麻和え、鮪の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け、白滝の明太子和え、胡瓜のぬか漬け、蓮根と人参のきんぴら、鮭の焼き漬け、金宮焼酎(生にTIO PEPEを少々)、パンプディング、Old Parr(生)

2021.9.6(月) 秋のミョウガは大きい

たまり漬の原材料である茗荷がなかなか集まらない。それについては「昨年の記録によれば、茗荷の仕入れは9月6日からいきなり増えている」と、おとといの日記に書いた。

8時30分、軽トラックが事務室の前に後退で駐まる。荷台には果たして黄色いコンテナに満杯の茗荷があった。「やはり6日だったか」と、ひとり納得をする。その後も別の農家の人が現れて、今日の買い入れ量は40キロを超えた。

「今年の茗荷は早い」と言った人がいる。ひとり二人の言うことを信じては、やはりいけなかったのだ。「情報は両耳で聴け」だ。今日の調子が月末まで続けば、茗荷はかなりの量を持つことができる。

製造業にとって、原材料の枯渇は悲しい。茗荷のたまり漬が売り切れたのは、何年前のことだっただろう。

午後は立て続けにあちらこちらに電話を入れる。そして10日と13日に面談の予定を入れる。来月1日の予定も入れる。むかし9月は端境期のような月で、仕事はそれほど多くなかった。そのころからすると、今は大違いだ。

検査数が示されないから率は分からないものの、新型コロナウイルスの新規感染者は前の週にくらべて3割から5割の速度で減ってきている。希望の秋となれば嬉しい。


朝飯 納豆、長葱のオリーブオイル焼き、じゃがいもとマッシュルームのグラタン、柴漬け、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と若布の味噌汁
昼飯 「ユタの店」の担々麺
晩飯 TIO PEPE、レタスと紫キャベツのサラダカスレChateau Leoville Las Cases 1986バナナのプリンクッキー、Old Parr(生)

2021.9.5(日) キリマンジャロの雪

2019年6月29日に新調したLet’s noteは、起動するたび、世界の、あちらこちらの景色がデスクトップに現れる。そのとき画面右上には「気に入りましたか?」の文字。僕は、明るく乾いた風景が好きだ。逆に、山中の沼や苔むした倒木などには不気味さを感じる。

「気に入りましたか?」の下には「気に入りました」と「好みではありません」の選択肢がある。いずれにしても大抵は、そのたび律儀に答える。それにも関わらず「好みではありません」とした画像がふたたび三たび出てくる。学習機能が不出来なのだろうか。

ここ数日は、アンコールワットのタ・プロームが繰り返し現れている。

アンコールワットはインドシナにありながら、ピラミッド級の遺跡だ。見物を好まない僕も、ここにだけは2度も行ってしまった。すこしでも興味があるならば、元気なうちに一度は訪ねるべきだ。「元気なうちに」と書いたのは、気温35℃、湿度80パーセントの中で日に15キロを歩き、それを何日も続けなくてはならないからだ。アンコールワットは広大な遺跡群である。

タ・プロームは、その中でも見どころのひとつだ。しかし熱帯の巨樹が石の遺跡を鷲づかみにし、破壊しつつある景色は何とも不気味である。だからこれが出てくるたび「好みではありません」をクリックする。しかし今朝もまた現れたから「そろそろキリマンジャロの雪にでもしてくれ」と思う。


朝飯 生玉子、納豆、ウインナーソーセージとレタス、柴漬け、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、缶詰の鯖と三つ葉の味噌汁
昼飯 「大貫屋」の塩チャンポン
晩飯 レタスとグレープフルーツのサラダピザ其の一ピザ其の二モロッコ隠元のソテーを添えたモロのフリットChablis Billaud Simon 2015メロンのグラニテ

2021.9.4(土) 600×2×1.08=1,296

5時、iPhoneに設定した警告音で目を覚ます。目覚ましに促されて眠りから覚めることは、年に数えるほどしか無い。このところ、極端な早寝早起きにより昼夜が逆転していた。その寝不足を、からだが一気に取り戻そうとしたのかも知れない。

雨が続いている。「今年は早い」との噂を耳にして、茗荷の買い入れは昨年より1週間はやく8月10日から始めた。しかし納入量はいまだ50キロに満たない。「茗荷はどうですか」と今日は、しその実を納めに来てくれた農家の人に訊いてみた。「この天気だから」と、長い付き合いになるその人は空を見上げた。そして「もうすこしすれば」と息を吐いた。昨年の記録によれば、茗荷の仕入れは9月6日からいきなり増えている。昨年同様、来週になれば「嬉しい悲鳴」となるだろうか。

17時30分を過ぎたところで3台のキャッシュレジスターを締める。きのうは現金が1,296円少なかった。それに対して今日は現金が1,296円多かった。定時を過ぎて後片付けをしている最中でも「まだ大丈夫ですか」とお客様が入っていらっしゃれば、商売をさせていただく。1,296円の差額は、きのうの最後のお客様によるものだろう、多分。


朝飯 茹でたブロッコリー、銀鮭の粕漬け、揚げ湯波の甘辛煮、柴漬け、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と長葱の味噌汁
昼飯 「ふじや」のタンメンバター
晩飯 めかぶの酢の物、「夏太郎」らっきょう、山葵漬けを添えた蒲鉾、冷や奴の中華風揚げ茄子の擂り胡麻和えトマトと玉子のスープ秋刀魚と舞茸の炊き込みごはん、小茄子のぬか漬け、らっきょうのたまり漬、「天寿酒造」の「鳥海山きもと純米大吟醸」(冷や)

2021.9.3(金) 日程の変更

午前、「汁飯香の店 隠居うわさわ」に取材が入る。今日のそれは当方の言葉を相手が文章にするものではない。主に料理の画像を得るためのものだった。雨により光の具合は良くない。薄暗い室内に手早く機材を整えたカメラマンは、しかし自然光のみで見事な写真を撮って去った。驚くほかはない。

隠居には来週の火曜日にも、やはり取材の予定が入っている。こちらは動画撮影とのことだが、僕はその日は立ち会わず、茗荷としその実の買い入れに専念をするだろう。

自由民主党の総裁選挙は今月末。再選に強い意欲を示していた菅義偉首相が立候補を取りやめた、との報道が昼より喧しくなる。国内政治に限れば、これは2017年9月の、民進党の突然の消滅以来の大ニュースではないか。これを受けて日経平均株価は500円超の急進。賑やかな秋になることは間違いない。

ところで8月は上澤梅太郎商店の決算月だった。会計事務所が必要とする書類の中には東京まで取りに行かなければならないものもある。そのための日は14日と定めていたものの、10日に別の用事ができた。よって事務机の左に提げたカレンダーの、9月10日に丸を付け、14日のそれを消す。


朝飯 蓮根と人参のきんぴら、納豆、ラタトゥイユを添えたハムエッグ、柴漬け、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと若布と長葱の味噌汁
昼飯 カレーライス、らっきょうのたまり漬
晩飯 パンチェッタとラタトゥイユを添えたサラダ、TIO PEPE、3種のパンじゃがいもとマッシュルームのグラタン2種のソーセージChablis Billaud Simon 2015

2021.9.2(木) 前へ

各自が自分の会社を持ち、2日間で5期分の経営を盤上に展開するのがマネジメントゲームだ。これをはじめて経験したのは1991年9月。この研修に触れれば大抵の経営者は自社に導入をしたいと考える。それがほぼ完全な形で達成できたのは2001年春。10年もかかってしまった。その「日光MG」は以降、2020年の初春まで、年に2回の開催を守ってきた。

ところが以降、2020年9月と2021年1月は中止、そして2021年9月の開催も難しいと判断をした。理由はひとえに「コロナ」にある。マネジメントゲームは筆記具と計算機を手にして行うラグビーのようなもので、参加者たちは濃厚に接触をする。「日光MG」は特に合宿形式のため、疫病が蔓延しているあいだは行えない。しかし会社や地域から「学びの灯」を降ろすわけにもいかない。

そういう次第にて今回は「私たちはコロナ禍をどう乗り越えつつあるか」という主題にて、勉強会を催した。講師はマネジメントゲームの先輩チバヒトシさん。地元から参加のうち有志3名が発表者として手を挙げてくれた。また遠くは関西、九州からもZOOMによる参加者を得ることができた。

悪戦苦闘、妙案の絞り出し、電光石火の対応。この事例発表に応えるチバさん。そして朝から夕刻までのあいだに我々は多くの学びを身の内に取り込んだ。とにかく我々は前へ進んでいかなくてはならない。チバさん、発表してくださった方々、参加者の皆様には、厚く御礼を申し上げます。


朝飯 秋刀魚の塩焼き、蓮根と人参のきんぴら、柴漬け、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと揚げ湯波と長葱の味噌汁
昼飯 「麺屋ききょう」の塩つけ麺
晩飯 柴漬け、「夏太郎」らっきょう、ごぼうのたまり漬、お多福豆、豆腐と豚肉と白菜の鍋、胡麻焼酎「紅乙女」(生)

2021.9.1(水) 絶え間なく多くの

タイはで税制の関係から、よほどのことがない限り、またよほどの下手を打たない限り、金持ちは何代にも亘って金持ちでいられる。チェンライ郊外のホテルにいて、空港まで送ってやると、そんな金持ちに言われた。

金持ちは前後にプロペラを持つ大きなヘリコプターに乗り込んだ。一方、僕にあてがわれたのは、むかし全日本空輸の飛行機の垂直尾翼に描かれていた、レオナルド・ダ・ヴィンチが考えたヘリコプターの、現代版のような代物だった。

それは直径1センチほどのアルミニウム管で組まれた一人乗りだった。座るところはアルミニウムの輪、頭上にやはりアルミニウムのすこし小さな輪があって、それを右手で握る。シートベルトは無く、手を放したら即、落ちる。タイ北部の田園を眼下に望みながら、生きた心地がしなかった。

日本の、その田舎街の色は鮮やかだった。建物や看板は、夏の午後の日を浴びて目に眩しかった。古い街道らしい目抜き通りを、町内のカトーさんの運転するクルマで走っていた。板張りの外壁を持つ、まるで酒蔵のような豪壮な居酒屋が目に付いた。「まーず、せっかちなんだ」と、カトーさんは僕のおじいちゃんとの旅を懐かしんで、話してくれた。

ヘリコプターと居酒屋のあいだにも絶え間なく多くの夢をみたものの、それらについては覚えていない。


朝飯 鶏とマカロニのグラタン、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、揚げ湯波の甘辛煮、胡瓜のぬか漬け、柴漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、天ぷらと長葱の味噌汁
昼飯 「大貫屋」の五目そば
晩飯 山葵漬けを添えた蒲鉾、めかぶの酢の物、モロヘイヤのたたき、生のトマト、「夏太郎」らっきょう、胡瓜のぬか漬け、お多福豆、蓮根と人参のきんぴら大根おろしを添えた秋刀魚の塩焼き、サッポロ焼酎(生にTIO PEPEを少々)

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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

蔵見学