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清閑 PERSONAL DIARY

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2026.2.8(日) 歴史は繰り返す

夜の明ける前に寝室のカーテンを少しずらし、外の様子をうかがう。闇の中でも水銀灯の光の届く空間には、雪がまばらに落ちている。国道の、クルマの往来のあるところを除く地面は、おしなべて白くなっている。

6時をすぎるころ「汁飯香の店 隠居うわさわ」のための食材を入れた袋を提げて、家内と外へ出る。ホンダフィットの屋根には、10センチメートルほどの雪が積もっている。しかし駐車場や歩道の雪は、せいぜい2センチメートルほどと思われる。それでも雪かきは必要だろう

8時の朝礼では、本日分の「らっきょうのたまり漬」を包装する係、およびお客様用のトイレを掃除する係を除いては、店の駐車場の雪かきに取りかかるよう伝える。お客様用のトイレは店舗の北側にあって、凍りやすい。今日のトイレ当番のイトーカズナリ君は、そのトイレに至る通路に融雪剤を撒いてくれた。きのう融雪剤を買い足したことは、やはり正解だった。

普段は土曜日より日曜日の方が、店は断然、忙しい。しかし今日ばかりは雪により、売上金額はきのうのそれより二割五分ほど少なくなった。

夕食を済ませて19時50分に風呂へ向かう。風呂から上がると、テレビではNHKの開票速報が始まっていた。それをひと目見て「いやはや」と、言葉を失う。衆議院議員総選挙において、驚天動地の怪現象を目の当たりにしたのは2017年9月27日次は先月15日のことだ。歴史は繰り返す。そして20時45分に寝室に入る。


朝飯 筑前煮、しもつかり、生玉子、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「こつぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、鶏の天ぷらと若布の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 しもつかり、白菜漬け、いぶりがっこ、鶏モモ肉と豆腐とキノコと長葱の鍋その鍋で作ったラーメン、「本田商店」の「龍力米のささやき奥谷純米大吟醸」(燗)


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2026.2.7(土) 次期繰越

友人の、第二次世界大戦時に従軍してインドネシアまで行った父親は、醤油差しの中味が半分まで減ると、すぐに継ぎ足して満杯にしたという。「だったら半分のサイズの醤油差しで充分だろう」と友人はいぶかしんだ。しかし物不足で苦労をした人には、そのような理屈は通じないのだ。

午前に社内の、雪かきの道具が置いてある場所へ行くと、融雪剤は大きな袋に5分の1ほどしか残っていなかった。「この冬の雪は、今夜から明朝までのそれを最後として、以降は降らないのではないか。とすれば、融雪剤は、次の冬まで必要ない、ということになる。しかし桜に雪、という年も、また無いではないな」と、考えが行ったり来たりする。

明日に納めるべき商品の数を決めるため、15時30分に道の駅「日光街道ニコニコ本陣」へ行く。その帰りにヤマシロ屋の裏口にホンダフィットを乗り入れ、次期繰越のための融雪剤ひと袋を買って戻る。結局は、大事を取ったのだ。

空はどんよりと曇っているものの、雪の落ちてくる気配は閉店の直前まで訪れなかった。しかし袋に5分の1ほどの融雪剤を一輪車に載せ、店の駐車場に出て行く。そしてその白い粒を、薄く、広く撒く。


朝飯 筑前煮、しもつかり、豚挽き肉と春雨の胡麻油炒め、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと長葱と若布の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 白菜漬け、しもつかり天とじ丼、「本田商店」の「龍力米のささやき奥谷純米大吟醸」(燗)


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2026.2.6(金) 早寝早起き

今朝も綺麗な夜明けを臨むことができた。しかし明日からは気温が極端に下がり、週末の二日間は、首都圏にさえ雪の予報が出ている。たとえ降っても、それほどの量にならないことを祈るばかりだ。

ところで自営業の会社には、事前の連絡なしに来る人が多い。いわゆる「アポ無し」というやつである。今日も複数が訪ねてきた。そのいずれの時間にも、僕はたまたま事務室あるいは店にいて、対応をすることができた。

それはそうと今般の選挙については、各方面の熱量を高く感じる。「火事は最初の1分、選挙は最後の1分」という言葉がある。歌舞伎の六方は、花道の幕に消える最後のひと踏み、最後のひと飛びまで力が抜かれることはない。候補者にとっては、胸突き八丁を越えて最後の追い込みに入ったところだろう。NHKの開票速報は、あさって日曜日の19時55分から。しかし僕は極端な早寝早起きだから、それをいつまで視られるかは分からない。

夜の食事は簡単に済ませて、20時より前に寝室に入る。


朝飯 菠薐草のソテーを添えたハムエッグ、しもつかり、切り昆布の炒り煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と若布の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 カレーライス、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、Old Parr(お湯割り)バナナ入りヨーグルト


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2026.2.5(木) 期日前投票

木曜日は配達係のイザワコーイチさんが休みだから、道の駅「日光街道ニコニコ本陣」への納品は、僕がひとりでする必要がある。その商品の数が、今朝は多い。今日の販売係の、もっともはやく出勤する時間は開店とおなじ8時30分。それまでに道の駅から帰ってこられなければ、中々に忙しいことになる。長男は日本橋高島屋の催し「冬の味覚市」に出張中で不在。

そういう次第にて、今日に限っては、先ずは道の駅へは出かけず、開店の準備をする。そして販売係のカトーユキさんが店に入ったところで蔵の冷蔵庫へ行き、道の駅へ納める品を台車に載せて、駐車場のホンダフィットまで運ぶ。

今朝はまた、日光市役所の真ん前にあるアラカワタケハル司法書士事務所へ行くことになっている。「だったら選挙の期日前投票もしてしまおう」と、第51回衆議院議員総選挙の投票所入場券を上着の胸ポケットに入れる。

司法書士のアラカワ先生は、大学の体育会に入ってきた新入生のように、声が大きくて礼儀正しい。だから接していて気持ちが良い。市役所の事前投票の場所は、すぐに分かった。

午前に合理的に動けたため、午後はほとんど事務室にいて、あれやこれやする。


朝飯 切り昆布の炒り煮、白菜漬け、菠薐草のソテーを添えた目玉焼き、しもつかり、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と菠薐草の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 玉子焼き、しもつかり、菠薐草の胡麻和え、鮭の「日光味噌梅太郎白味噌」漬け焼きほぐし、白菜漬け、筑前煮、豚挽き肉と春雨の胡麻油炒め、「本田商店」の「龍力米のささやき奥谷純米大吟醸」(燗)


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2026.2.4(水) しもつかり

「しもつかり」は、海を持たない栃木県の、食の貧しさ象徴するような郷土食だ。大根とニンジンを鬼おろしでおろし、そこに塩鮭の頭と煎った大豆を加えて煮て、最後に酒粕を加える。見た目は何やら分からないごった煮状で、とてもではないけれど、食欲をそそるようなものではない。

僕は27歳まで食わず嫌いを通してきたが、ある日、並木蕎麦の今は亡きオヤジさんに「こういうものを食わねぇから、しばしば熱を出すんだ」と、無理強いをされた。仕方なく口に運ぶと、これが存外に美味かった。以降は、朝はごはんのおかずとして、夜は燗酒の肴として、いそいそとみずから器に盛っている。

今年はこの「しもつかり」を、家内は1月31日の夜に作った。それは大鍋にいまだ残っているものの、早くもその二番手を、孫のリコが小学校から帰るのを待って、午後より作り始めた。使う大根は、日光市足尾が原産の唐風呂大根である。

「しもつかり」は家の最も寒いところに置いて保存する。むかしは凍ることもあったらしく、しかしそのまま小鉢に盛って食卓に載せたという。「しもつかり」は不思議なことに、温かいと美味くない。というか、気味が悪い。冷たいそれを口に含み、間髪を入れず温かいご飯を頬張ると、得も言われない幸福が訪れるのだ。

さて今年はいつまで「しもつかり」を楽しむことができるだろう。今夜の酒はワインでも、明日は燗酒にしようかと考える。


朝飯 ブロッコリーとマッシュルームのソテーを添えたスクランブルドエッグ、納豆、しもつかり、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、大根と人参と牛蒡と椎茸と小松菜の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 トマトとベビーリーフのサラダパンポトフChablis Billaud Simon 2018チョコレート、Old Parr(生)


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2026.2.3(火) 豆まき

週に何度かすることだが、今日も夜の明けるころに屋上へ上がる。南東の空はいつもながら美しい。そしてきびすを返すと驚いたことに、それがそこにあるとは予想もしなかった朝の月が、西の空に大きく浮かんでいた。

蕪村による「月は東に、日は西に」の上の句は「菜の花や」だから、これからすこし後の風景、ということになる。菜の花といえば、1982年にポカラからバスでカトマンズを目指した、その最後の峠を越えると眼下は菜の花の黄色で埋め尽くされていた。その景色は忘れることができない。3月2日の深夜便でウドンタニーへ飛ぶ。菜の花を詠んだ「筑後途上五絶」の軸は、2月が終わる前に、隠居に掛けることとしよう。

それはさておき今日は節分にて、ふたつの神社からの豆は既にして神棚に載せてある。先ずはこれを、小学校から帰った孫のリコが撒いてくれる。夕刻には保育園から帰った孫のシンとカコが撒いてくれる。僕はその声を事務室や店にいて聞くだけにて、大いに楽だ。大いに有り難い。


朝飯 たたきごぼう、目玉焼き、納豆、しもつかり、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と人参と牛蒡と小松菜の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 トマトとアボカドとベビーリーフのサラダウフマヨネーズブロッコリーとマッシュルームのソテーパン其の一パン其の二鶏のトマト煮鶏のチーズ焼きリンゴのジャムChablis Billaud Simon 2018


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2026.2.2(月) レジン

テレビの放映から三日を経ても、きのうの終業後から深夜にかけていただくいた「汁飯香の店 隠居うわさわ」へのご予約は、いまだ少なくない。今早朝も事務室へ降りて、それらをコンピュータからA4の紙に印刷する。今週の土曜日と日曜日は、ほぼ満席になってしまった。

9時01分に、宇都宮地方法務局日光支局の駐車場に着く。そこで今日明日あたりに使う登記簿の謄本を出力してもらってから銀行へ寄り、9時37分に帰社する。

今年の正月にお雑煮の餅を食べながら、餅以外の食感を覚えた。「何だろう」と不審に感じても、それを吐き出すということは、僕はほとんどしない。そのときも自分の通例に従って飲み込んだ。口の中のものがなくなって初めて気づいた。異物は歯の一部だった。

かかりつけのソーマ歯科室の直近の予約可能枠は、ひと月ほど後の2月2日だった。奥歯の欠けたままひと月ちかくを過ごすことには気が引けたものの、人気の歯科医院であれば、仕方がない。

ソーマ先生によれば、欠けたのは、2013年に盛ったレジンの一部だった。とすれば、それは13年ものあいだ保ってくれたことになる。ソーマ先生の技術は精密なため、その歯にふたたびレジンを盛ってもらうと、いつものことながら、一体全体、どの歯を治したのか分からなくなるほど、噛み合わせは正月以前の感覚に戻った。

ソーマ歯科室のある大井町からは京浜東北線に乗り、上野で日比谷線に乗り換えて北千住に至る。取引先と約した時間より30分ちかく早かったものの、電話で確認をしてから先方を訪ねる。北千住には大学が多く、若い人が目立つ。駅前では、今月8日が投開票日になる第51回衆議院議員総選挙の候補者が、しかし老人ばかりの支持者を前に演説をしていた。


朝飯 しもつかり、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、なめこのたまり炊、白菜漬け、メシ、揚げ湯波と若布の味噌汁
晩飯 「加賀屋北千住店」のあれやこれやそれや、他あれこれ、日本酒(燗)、チューハイ


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2026.2.1(日) 初午

「汁飯香の店 隠居うわさわ」をご紹介いただいたテレビの放映から二日を経ても、きのうの閉店後から深夜にかけていただいたご予約は、依然として多い。今朝コンピュータに取り込んだその数も手書きのメモで家内に手渡せるものではなく、事務室へ降りて逐一、A4の紙に出力をする。

そのうちもっとも先のご予約は、4月はじめのものだった。隠居の梅と桜は、東京のそれらにひと月ほど遅れて花を開く。山桜や染井吉野は4月の上旬、枝垂れ桜は4月の20日ごろが今年も見ごろになると思う。いずれにしても、春の花にはできるだけ早く咲いてもらいたい。

今日は「汁飯香の店 隠居うわさわ」でのお食事と共に、蔵見学のご予約も同時になさったお客様がいらっしゃる。その打ち合わせのため開店前の隠居へ行き、家内と段取りを立てる。そこから座敷に回って室礼を確認する。床の間の掛け物は、柏木弘の”UNTITLED 08-III”。その下には、僕の好きな鉄の花瓶に菜花と桜。そこに朝の光が差して、床脇には陰影ができていた

会社に戻ったところで「そうだ」と四階へ上がり、家内の用意してくれたお膳を手に一階へ降りる。そして外へ出て坪庭の稲荷社に、そのしもつかりと赤飯と日本酒をお供えする。


朝飯 生玉子、白菜漬け、ほぐし塩鮭、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、ピーマンとキャベツと揚げ湯波の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、三種のキノコのスパゲティ、Old Parr(お湯割り)、プリン、Old Parr(生)


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上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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