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清閑 PERSONAL DIARY

2017.9.28 (木) タイ日記(4日目)

目を覚ましても、しばらくは闇の中で静かにしている。カーテンを開け放った窓の向こうには、ラオスの明かりが点々と見えている。枕頭の電気スタンドを点け、サイドボードに置いた腕時計を覗き込む。時刻はいまだ1時12分だった。

日本の衆議院議員総選挙において、驚天動地の怪現象の起きていることを知ったのは、きのうの夜のことだ。部屋の壁に備えつけのPanasonic製テレビを点ければ、日本のニュースが見られるかも知れない。しかしそれをすれば旅情は著しく殺がれる。本を読み、うつらうつらし、ようよう朝を迎える。

日本にいるときは、食事の直後を除いては四六時中、腹を空かせている。ところが旅に出ると、たとえば今回なども、プールで泳いだり1日に10キロ以上も自転車を走らせるなど、普段より運動量はよほど多いにもかかわらず、不思議なことに腹は空かない。人間の体の中でもっとも熱量を費消する臓器は脳だという。腹が空かないとは、脳を使っていないということだろうか。

1泊目の朝の内容が、このホテルが定める朝食の総量である。これだけ食べると午後になっても腹が空かないため、2泊目のきのうは粥と果物だけにしてもらった。ジュースは出されても飲まない。それでも午後まで腹は空かなかった。というわけで今朝は、トーストとコーヒーと果物だけにしてもらう。普段の僕からすれば耐えがたい少なさではあるけれど、これも実験である。

今日の日差しはそれほど強くない。10時41分に自転車でホテルを出る。2キロ以上の道のりを僅々9分でこなし、きのうラオカーオを買い損ねた”TESCO Lotus”に着く。酒売り場で好みのラオカーオ”BANGYIKHAN”2本を買い物カゴに入れ、今日こそは購入を果たす。そして「どこかで使う機会があるはずだ」と日本から持参した、いわゆる「プチプチ」に包んで自転車のカゴに入れ、ホテルに戻る。

朝食を極端に減らした甲斐があったか、首尾良く正午前に腹が空く。またまた自転車に乗り、街道を北西に進んで”Chiankong Green Inn”の角を川の方に右折した先の右角にある、おととい14時30分に来たら既にして昼の営業を終えていた繁盛店で、豚の骨付き肉と血豆腐のたっぷり入ったセンヤイナムギャオを食べる。「センヤイ」の発音はなかなか難しく、「ン」と「イ」を発音する際に、舌の先を上下の歯で挟むようにすると通じやすい。

きのうより2時間おそい13時すぎからプールサイドに行く。きのう一昨日と同じく日除け傘とプール専用タオルをフロントに頼み、傘を立ててくれたオニーチャンに40バーツを手渡す。プールサイドでは1時間30分ほども本を読み、部屋に引き上げる。

シャワーを浴び、午前に買ったラオカーオ”BANGYIKHAN”を2本とも、容積と重さを減じるため、空いたペットボトルに移し替える。そして「プチプチ」で包み、ビニール袋に入れて輪ゴムで固く口を留める。

15時30分より、いつものテラスで小一時間ほども仕事をするそして日の暮れる前に街に出る。昼に開いていた食堂はやはり、ことごとく雨戸やシャッターを閉めている。きのうの総菜屋台は幸いなことに、今日も店を出していた。ここで2種のおかずを買い、ホテルに戻る。

対岸の森が夕陽を受けて、何とも形容しがたい、素晴らしい色に染まっている。その景色を眺めつつ、この上なく寛いで、ラオカーオのソーダ割りを飲む。そして19時台に就寝をする。


朝飯 ”FORTUNE RIVER VIEW HOTEL”のトースト、コーヒー、タイの標準語ではファラン、北部の方言ではマッキャオと呼ばれる果物と西瓜
昼飯 “Chiankong Green Inn”の角から川の方に坂を下って右側の汁麺屋のセンヤイナムギャオ
晩飯 豚挽き肉のちまきレモングラス風味、豚肉と青梗菜のスープ煮、ラオカーオ”BANGYIKHAN”(ソーダ割り)

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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