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お買い物かご

清閑 PERSONAL DIARY

2020年9月の日記30本

2020.9.30(水) お恥ずかしい限り

「問題のある家の子供の描いた絵」と説明の付いた絵を見たことがある。父親が寝ている。それは、人や物を立体的に描けない子供の絵の特徴で、実は寝ていないのかも知れないけれど、まぁ、寝ているように見える。そしてその横には、明瞭にそれと分かる一升瓶が転がっていた。

おとといの夕食の後で、孫が僕の似顔絵を描いてくれた。孫は先ず、紙に円く線を入れた。それは彼女によれば、絵をはみ出させないための境界線だという。そこに僕らしい人物を描き、サインペンを置くと、その円の外縁を鋏で切り落とした。

孫は次に、別の紙に縦の線の連続を描いた。そしてそれを長四角に切り抜くと、先ほどの似顔絵の左上にセロファンテープで貼りつけた。「これは何」と、その線を指すと、孫はひとこと「サケ」と答えた。まったくもって、お恥ずかしい限りである。

いま飲んでいる麦焼酎「凪海」は、長男の同級生にいただいたものだ。これがいよいよ残り少なくなってきた。2階の倉庫に買い置きの焼酎は、なにかあっただろうか。無ければちかくのスーパーマーケットに出かけて、新たな1本を仕入れてくることにしよう。


朝飯 隠元豆の胡麻和え、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、薩摩揚げの網焼き、水茄子のぬか漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と三つ葉の味噌汁
昼飯 若布の冷や麦
晩飯 春雨サラダ、胡瓜と蕪と白菜の昆布漬け、焼き餃子、麦焼酎「凪海」(お湯割り)、わらび餅

2020.9.29(火) 今年の茗荷

異例の2週間に及んだ新宿高島屋での出張販売は、今日が最終日になる。その片づけに向かう家内は、8時すぎに下今市駅へと向かった。

この2週間のあいだ、長男の仕事机には、届き続ける様々な書類が積み重ねられ続けた。明日に帰社すれば即、長男はこれらの整理に当たらなければならない。今日あたりに入ったあれこれについては、流石にそこには置かず、嫁の桃君に手渡した。

「9月末日まで」とした秋茗荷の買い入れにより、今日も農家の人が軽トラックを乗りつける。今年はどうも茗荷の当たり年のようだ。夕方にその伝票を締め、記帳をする。今日までに買い入れた量は、昨年の総量にくらべて65パーセント増に達しようとしている。「そんなに買ったら余ってしまうではないか」と言われれば、心配には及ばない。足りない年には市場から不足分を手当てし、充分な年にはそれを止めて調整をするから、どうということはないのだ。

夜はひとりで肴を整えて、静かに過ごす。


朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、オクラのおひたし、「なめこのたまり炊」のなめこおろし、茄子とパプリカの揚げびたし、納豆、ごぼうのたまり漬、メシ、天麩羅と三つ葉の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の酸辛麺
晩飯 冷やしトマト、めかぶの酢の物、ごぼうのたまり漬、もつ煮、麦焼酎「凪海」(お湯割り)

2020.9.28(月) 望外の幸せ

朝4時10分に蔵の中を歩きながら「半袖シャツ1枚も、もはや今朝までだ」と感じる。しかしそこに白衣を重ねれば、そんなことは、もう忘れてしまう。4階の食堂に戻ると、東の空から朝日が昇ろうとしている。取り急ぎカメラを持って、屋上に上がる。朝の空は、夜明け前こそ美しい。今朝は遅きに失してしまった。

「何度も書かなくても、もう分かったよ」と言われるかも知れないけれど、朝の空は、夜の明ける数十分ほども前がもっとも美しい。そして山は、日の出から1、2時間、あるいは3時間ほど経ったときが、もっともその青や緑を鮮やかにする。週末にぐずついた天気が週明けに回復するとは、週末が稼ぎ時のウチにとっては皮肉なものだ。

「汁飯香の店 隠居うわさわ」には、今朝は開店の8時30分から5名様の予約を戴いている。夏に来て下さったお客様が、秋に裏を返して下さったのだ。簡素な汁飯香の中にも、季節は確かに存在する。懐に石を抱くようにして、ひと椀の味噌汁を味わっていただければ、僕としては望外の幸せである。


朝飯 牛丼、生姜の昆布漬け、三つ葉の味噌汁
昼飯 揚げ玉と長葱の熱い汁で食べる冷や麦
晩飯 牡蠣の油漬け、蓮根の梅肉和え、グリーンアスパラガスのおひたし、天麩羅あれやこれや、麦焼酎「凪海」(お湯割り)

2020.9.27(日) 汁飯香

午前、事務室にいて寒さに耐えかね、半袖のポロシャツに半纏を重ねる。そしてその姿で店に立つ。

11時がちかくなるころから、特に外に注意を払う。11時を7分ほど過ぎたところで、駐車場に入ってこようとする、焦げ茶色の軽自動車に目の焦点を合わせる。「多分、あのお車だ」と、確信めいたものを感じる。軽自動車は、犬走りに歩み出た僕の目の前に停まった。

きのうの夕刻「汁飯香の店 隠居うわさわ」について、電話でお問い合わせをいただいた。その女性は27日つまり本日、隠居で一汁五菜膳をお召し上がりになることをご希望になった。そのお膳は仕込みの関係から、前日の15時までにご予約をいただかないと、お出しすることはできない。より簡素な汁飯香のお膳なら承れるとお伝えをしたところ、はじめて行くならおかずの付く方を食べたいと、一旦は電話をお切りになった。

しばらくするとおなじ女性から、また電話をいただいた。よって、簡素なお膳とはいえ味噌汁は地元の湯波と季節の地野菜、そして日光味噌による具だくさんのものであること、ごはんは地元の棚田米をお客様ひと組ずつ土鍋で炊き上げること、たまり漬を基本とする漬物は充分な種類と量を高台でお出しすること、汁飯香は何といっても和食の基本であることをご説明し、遂に本日11時のご予約をいただいた。

そのお二人を店から隠居までご案内し、後は家内とお運びのタカハシリツコさんにすべてを任せる。

「隠居」の閉店の14時を待って隠居へ歩く。するとちょうど仕事を終えた家内が、裏の柴折り戸から出ようとしているところだった。家内によれば、当該のお客様は満足と共にお帰りになったとのことだった。「良かった」と胸をなでおろす。そして「次は是非、早めにご連絡をいただいて、その時こそは一汁五菜膳を」とも思う。


朝飯 薩摩揚げの網焼き、納豆、「なめこのたまり炊」によるなめこおろし、ピーマンとソーセージのソテー、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、缶詰の鯖と長葱の味噌汁
昼飯 「大貫屋」のタンメン
晩飯 「魚登久」の胆焼き鰻重、肝吸い、胡瓜のぬか漬けと沢庵、「片山酒造」の酒粕焼酎「粕華」

2020.9.26(土) 暑さ寒さも

四季のうちの夏には「盛り」という雰囲気がある。「熱狂」とか「バブル」という言葉の似合うところがある。それが裾を引くようにして去って行く。否、季節は彼岸を境として、いきなり、秋になる。まるで歌舞伎のどんでん返しを見ているようだ。

今朝、蔵には4時15分に入った。そのときは半袖のポロシャツ1枚でもどうということはなかった。しかし4階の食堂に戻り、この、今日の日記を書くうち、いささか寒さを覚えてきた。寝室の、クローゼットに格納した箪笥には、既にして長袖のTシャツが用意してある。それを着ることを考えて、しかし気持ちはなかなか切り替わらない。

6時にテレビの電源を入れる。天気は西から回復の傾向にあると、気象予報士は四国中国地方のあたりを丸く指示棒で示した。とはいえ列島に夏日の戻ることは、もうないだろう。

伊丹十三の「お葬式」で、藤原鎌足演ずる「小さい老人」は「お寂しくなりますが」と挨拶をしながら主人公「侘助」の家を辞去した。夏が去ってしまったとは、まったく寂しい限りだ。


朝飯 トマトのサラダ、冷や奴、薩摩揚げの網焼き、大根おろしを薬味にした納豆、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 「ふじや」の雷ラーメン
晩飯 枝豆、TIO PEPE3種の茸のスパゲティ、Petit Chablis Billaud Simon 2016、プリン、Old Parr(生)

2020.9.25(金) 千灯供養

「銀行では、いつも99,000円を下ろします」と言った人がいる。それに対して「その思想に感動しました」と応えた人がいる。銀行のATMからお金を下ろす際には「9、9、000、円」とパネルに触れる、それが思想なのだろうか。単なる「利便性への工夫」ではないのか。そう考える僕も、今朝は銀行で99,000円を下ろした。

今日から週末にかけての列島の天気は荒れ模様だという。孫の、今日に予定をされていた運動会は中止になった。僕は孫については「つつがなく、マガゴトに遭うこともなく、長生きしてくれたらいいなぁ」と望む。しかし運動会を観に行くほどの孫煩悩でもない。

午後、事務室にいて「千灯供養」と書かれた小さな札が、金庫に磁石で留められていることに気づく。手に取るとそこには「九月二十四日・二十五日」と文字がある。時計に目を遣れば時刻は15時30分。急がなくてはならない。

追分地蔵尊の境内には、竹の棒に支えられて、頭上に針金が格子状に張られてた。きのうの夕刻から、ここには多くの提灯が吊されていたものと思われる。窓口に札を差し出すと「こんな天気なので、提灯はすべて片付けました」と、係の人は残念そうに語った。僕は手渡された提灯に灯りを点し、案内されるまま、巨大なお地蔵さんを雨から守る屋根の下に、それを吊した。

日光街道と例幣使街道が交わるところにある追分で、大昔から続いているに違いないこのお祭に、僕はこれまで参加をした記憶が一切、無い。一寸角ほどの木を骨組みにした四角い提灯も、目にするのは今日が初めてのような気がする。一体全体、これまでは家の誰がここに来て、提灯を奉納していたのだろう。

提灯は暮れていく秋の空を背に、暖かい色で点っている。カメラを持参しなかったことは悔やんでも、それを持ってふたたび提灯の下まで戻ることはしなかった。


朝飯 薩摩揚げの網焼き、納豆、「なめこのたまり炊」のフワトロ玉子、胡瓜のぬか漬け、すぐき、じゃこ、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とオクラの味噌汁
昼飯 カレーライス、らっきょうのたまり漬
晩飯 「コスモス」のトマトとモッツァレラチーズのサラダカツレツドライマーティニ、TIO PEPE

2020.9.24(木) クロック

「クロックの高いコンピュータほど良いコンピュータと、考えているでしょ」
「おっしゃる通りです」
「典型的な、アホの意見です。ウワサワさん、あなたは人生で、どれだけの時間を無駄にしていますか」

「人生でどれだけの時間を無駄にしているか」と問われれば、返す言葉は無い。しかしコンピュータのクロックは、やはり高い方が良い。上記の会話は四半世紀ほども前に交わされたものだ。現在のCPUは、その時代にくらべてどれだけ速くなっているだろう。

時間を無駄にする一方で、しかし新聞を隅々まで読めないくらいには忙しい。よって今朝は、ここ1週間ほどの新聞から、読みたくても読めなかった部分を破り取り、4つ折にする。これらは来月6日に東京まで電車に乗る、そのときに読むつもりだ。

活字はなぜか、旅先や乗り物の中で読むと、しっくりくる。飛行機の中で読む活字も最高だ。24時間、飛びっぱなしの飛行機はどこかにないか。あれば乗って、活字を読むこととうたた寝に時を過ごしたい。


朝飯 刻みオクラと納豆と生玉子のグジャグジャ混ぜ、茗荷の酢漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、缶詰の鯖と長葱の味噌汁
昼飯 「大貫屋」の味噌ラーメン
晩飯 白海老の押し鮨、穴子の押し鮨、里芋の煮ころがし、麦焼酎「凪海」(お湯割り)、梅ヶ枝餅、Old Parr(生)

2020.9.23(水) 虫の声

新宿高島屋に出張中の長男とは、400字ほどまでならメッセンジャー、それより長くなるものはPCメールにて、やりとりをしている。今日または明日に、テレビ番組の下調べとして制作会社の方がいらっしゃるとは、メッセンジャーの方で知らされていた。

17時がちかくなれば「今日はもうお見えにならないだろう」と考え、事務室から離れたところに「いま、テレビの方から電話が入りました」と、事務係のカワタユキさんが報せてくる。取り急ぎ戻り、彼女の覚え書きの番号に折り返す。

「さて忙しくなったぞ」と、カワタさんには通用口の鍵を手渡し、すべての社員の後に出て鍵を掛けるよう言う。販売係のササキユータ君には、金銭登録機の締めを含めた閉店作業のすべてを任せる。

20分後にお見えになった6名様には、先ず店を見ていただく。そこから先ほど大急ぎで門を開けた、隠居まで歩いていただく。日は既に山の端に沈み、あたりには闇が迫っている。更には蔵にも入っていただく。そこでは折しも製造部長のマキシマトモカズ君が、茗荷を下漬けしている最中だった。

和製英語を更に略した「ロケハン」は、幸い30分ほどで完了した。よって社内には、いまだ社員のいる時間に戻ることができた。ひと息をつくと、外で鳴く虫の声が、急に大きくなった。


朝飯 なめこのたまり炊、納豆、冷や奴、焼き鮭、胡瓜のぬか漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと若布の味噌汁
昼飯 缶詰の鯖と納豆と玉葱のつゆで食べる冷や麦
晩飯 「和光」のお通しの茄子の浅漬けとズッキーニの天麩羅いか納豆赤魚の粕漬け茄子の生姜焼き、麦焼酎「吉四六」(オンザ日光の天然氷)

2020.9.22(火) ギリギリの線

きのうの夕刻はラジオの中継にて、店を離れていた。よって後から知らされたことだが、らっきょうのたまり漬の、閉店時の在庫は僅々6袋だったという。もうひとり、お客様がいらっしゃっていれば、売り切れを発生させていたかも知れない。

ウチは、繁忙期においても作り置きはせず、お客様には蔵出ししたばかりの味をお手渡しするようにしている。そのような環境で働くうち、人はどうしても「ギリギリの線」を狙いたくなるものだ。

きのうのらっきょうのたまり漬の生産計画を、おとといの夕刻に立てたのは、入社3年目の包装係タカクコータロー君だ。今回のような経験を重ねることにより、タカク君の数量予測は、より精密になっていくだろう。

金曜日から料理の仕込みに入り、土日月は「隠居」の運営、そしてその最終日のきのうはラジオの取材を受けた家内を、朝、下今市駅まで送る。今日からの3日間、彼女は新宿高島屋の店頭に立つ。

お彼岸中は雨模様と伝えられた天気だが、日光では降ってもそれほどのこともなく、今日も何とか保つようだ。多いに有り難い。

夜は冷蔵庫からあれこれのものを引っ張り出し、それらを肴に焼酎のソーダ割りを飲む。


朝飯 グリーンアスパラガスのおひたし、舞茸と獅子唐の天麩羅、茄子の揚げ浸し、刺身湯波、蓮根の梅肉和え、ごぼうのたまり漬、胡瓜のぬか漬け、メシ、豆腐と若布と万能葱の味噌汁
昼飯 「ふじや」の冷やし味噌ラーメン
晩飯 オクラのおひたしと茗荷の酢漬け、焼き鮭、冷やしトマト、マカロニグラタン、胡瓜のぬか漬け、「谷口酒造」の麦焼酎「凪海」(ソーダ割り)、花林糖、Old Parr(生)

2020.9.21(月) ラジオの取材

本日「汁飯香の店 隠居うわさわ」に11時30分の予約を入れてくださっていたお客様は、渋滞に行く手を阻まれ、13時30分に、ようやくお見えになった。「隠居」のオーダーストップは12時30分だが、もちろんお待ちをして、通常の食事をお出しさせていただいた。まもなく紅葉の季節が来る。日光や鬼怒川で紅葉狩りを計画していらっしゃる方は、僕の、おととし11月9日の日記「対策は簡単」を参考にしていただければ幸いである

ところで「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、本日は16時40分より、地元のラジオ局レディオベリーの取材をお受けすることになっていた。レポーターのスズキリョーコさんは15時30分に到着をされた。事前の打合せにより、家内は料理をお出ししながらそのご説明を、僕は開店の動機や隠居の建物の由来について、お話しすることが決められた。

中継の10分間は、スズキさんの巧みな話術とマイクさばきにより、どうにか無事に完了した。中継の後、スズキさんが「一汁五菜膳」のすべてを召し上がってくださったことも、嬉しかった。

「隠居」は来月へむけて、より忙しくなっていくだろう。本日は、フリのお客様を4組ほど、お断りせざるを得なかった。お子様連れのお客様をお断りしなくてはならないときには、特に心が痛む。

上澤梅太郎商店が運営する朝食専門店「汁飯香の店 隠居うわさわ」は毎週、土、日、月の営業。開店は8時30分、オーダーストップは12時30分、閉店は14時。電話番号は0288-25-5844(日光ごはん良し)。本店の電話番号0288-21-0002であれば、毎日ご予約を承れます。


朝飯 焼き鮭、大根おろしを薬味にした納豆、冷や奴、舞茸の天ぷら、すぐき、夏太郎らっきょう、メシ、小松菜の味噌汁
昼飯 「カルフールキッチン」の「おにぎりセット(小)」
晩飯 “Finbec Naoto”の其の一其の二其の三其の四其の五其の六其の七ワインリストでいちばん安いアリゴテ無花果のコンポートとバニラのアイスクリームコーヒー、クッキー

2020.9.20(日) ゲテモノ

小学4年生のとき、豚の心臓の漬け焼きを弁当のおかずにして、まわりの同級生たちに気味悪がられた。1966年、昭和41年の日本では、いまだ内臓肉はゲテモノの扱いだった。おなじ小学生のとき、学校の裏手の浄水場に、課外授業としてイナゴを獲りに行った。内臓肉はゲテモノでも、イナゴの佃煮はゲテモノでなかった。文化とは、つくづく面白いものだ。

僕は、内臓肉や昆虫食はゲテモノと思わない。僕の考えるゲテモノとは、たとえばカレー南蛮蕎麦だ。蕎麦とカレー粉を混ぜるなどというグロテスクなことを考えたのは、一体全体、どこの誰だろう。しかしあるとき、蕎麦では街で一番の老舗「糸屋」でこれを食べたところ、意外や美味くて一驚を喫した。以降、カレー南蛮蕎麦は僕の好むところとなった。

スパゲティチェーン「ポポラマーマ」は自由学園の同級生アケミツシ君が創業した会社だ。たびたび利用するこの店であるとき「納豆キムチスパゲティ」というものをメニュに見つけた。「なんだこのゲテモノは」と感じたものの、いざ食べてみると、とても美味かった。いまそのスパゲティは同店のメニュに見あたらない。だからいつまでも、懐かしく思い出すのだ。

僕の性格には「よきにはからえ」というところがある。会社で若い人が何かしようとするときには「あ、そー」くらいのところだ。そんな僕の知らないうちに、数日前から肉味噌が店に並び始めた。期間限定の商品だろう。500円に値付けされたそれを夕刻に買った。そして夜はそれを使って家内にスパゲティをこしらえてもらった。

「納豆キムチスパゲティ」がゲテモノなら、肉味噌納豆スパゲティもゲテモノに違いない。そしてそのゲテモノは、明日も食べたくなるほどに美味かった。長男が出張先の新宿高島屋から戻ったら、そのときには皆で食べたいと思う。


朝飯 プチトマトのサラダ、小松菜のおひたし、納豆、焼き鮭、すぐき、夏太郎らっきょう、メシ、舞茸の天ぷらと若布と長葱の味噌汁
昼飯 「なめこのたまり炊」によるなめこおろしのつゆで食べる冷や麦
晩飯 夏太郎らっきょう、TIO PEPE、肉味噌納豆スパゲティPetit Chablis Billaud Simon 2016プリン、Old Parr(生)

2020.9.19(土) 壊れたロボット

「お墓には5時ごろ行こう」ときのう決めた家内は、起きて食堂に来るなり窓の外に目を遣り「まだ暗いね」と口を開いた。お墓には、30分ほどしてから出かけた。既に墓参りに来ている人たちを見て「老人は朝が早いわ」と家内が言う。「こっちも老人だっつーの」と返すと家内は笑った。

午後、一部の商品に売り切れが出ていると、道の駅「日光街道ニコニコ本陣」から連絡が入る。当該の商品を製造係のイトーカズナリ君に作ってもらい、ホンダフィットに積む。

会津西街道は、鬼怒川温泉へ向かうクルマで渋滞をしている。よって日光街道を下り、足利銀行の角から脇道に入る。

個人的には「枯れ葉マーク」と呼んでいる、高齢者を表すシールを貼った赤いクルマがこちらへ向かってくる。窓を開け、すれ違いざま「一方通行ですよ。そちらは逆行」と声をかける。「そうだよねー、ゴメンナサイ」とオバーサンは謝りながら、しかしそのまま進むことを止めない。「年寄りなんだから、少しは大目に見ろ」ということなのだろうか。ルームミラーで確かめると、オバーサンは日光街道に出るところで、今度は歩行者に注意を受けていた。

道の駅で商品の到着をお待ちいただいていたお客様に頭を下げる。業者用の駐車場から出て東郷通りを西へと戻る。すると向こうから、右に方向指示器を点滅させた、これまた枯れ葉マークを付けた赤いクルマが近づいてきた。どちらかの駐車場に入るのだろうか、あるは脇道へ折れようとしているのだろうか。先ほどとは別人ながら、やはりオバーサンは右のウインカーを光らせたまま直進し、やがてゆるいカーブの向こうに消えていった。

ふたりのオバーサンは、まるでリレーの焼き付いた産業用ロボットだ。そんな人たちが、街なかで普通にクルマを走らせているのだ。歩行者、特に子供は、よほど注意をしなくてはならない。「こっちも老人だっつーの」であれば、僕も気をつけなくてはならない。

明日の朝も早い。夕食は簡単に済ませて早々に寝る。


朝飯 「なめこのたまり炊」によるなめこおろし、細切り人参の炒り煮、冷や奴、納豆、すぐき、夏太郎らっきょう、メシ、若布と小松菜の味噌汁
昼飯 3種のおむすび
晩飯 スパゲティナポリタンPetit Chablis Billaud Simon 2016

2020.9.18(金) 大急ぎで

「最近の銀座は高くて」と愚痴をこぼす吉行淳之介に「払わなければよいではないですか」と、川端康成は真顔で答えたという。勘定を踏み倒すとは穏やかでない。僕なら「行かなければよいではないですか」と笑うところだ。

あたらしい内閣が、携帯電話の使用料の値下げを実現させようとしている。高いと感じるなら、使わなければよい。しかし「ケータイ」は吉行淳之介のクラブ通いとおなじく、つまり依存症だから止められないのだ。

便利なモノを手にすると、必要のないときにもそれを使う、という性質が人にはある。その性質を優しくなでさすってくれる政策なら、上下左右の別なく、広く国民に歓迎されるだろう。

ウチのように、インターネットなど存在しないときから地方発送を承っている会社であれば、何の痛痒も感じない、しかしウェブショップというものが世に現れてから通信販売に参入した人たちの中には、お客様からの電話を可能な限り避けたがる例が少なくない。電話には非効率、低生産性の象徴、といった側面もあるからだ。

今日はお客様と長電話をさせていただいた。苦情処理ではない、世間話である。そうしてふと壁の時計に目を遣れば、次の仕事にかかる時間を過ぎていた。よってその世間話は事務係のカワタユキさんに引き継いで、大急ぎで外へ出る。


朝飯 モロヘイヤのたたき、納豆、ベーコンエッグ、細切り人参の炒り煮、夏太郎らっきょう、すぐき、メシ、モロヘイヤの味噌汁
昼飯 缶詰の鯖と納豆と長葱と「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」のつゆで食べる冷や麦
晩飯 ハムとピーマンのサラダ鶏とマカロニのグラタンPetit Chablis Billaud Simon 2016エクレア、Old Parr(生)

2020.9.17(木) 秋茗荷

近隣の農家からのしその実の買い入れは、今月1日から始まって14日に完了した。

しその実はその芳香から揮発性の成分でも持ち合わせているのか、山に積んでおくとみずから熱を発し、黒変して使い物にならなくなる。

しその実の下ごしらえに当たっては、1,000リットルの容量を持つ水槽を3つ、用意する。そして農家から届けられるなり、この水槽の中で流水で揉みつつ3回、洗う。次は遠心分離器で脱水し、塩と混ぜて冷蔵庫に格納する。ここまですれば、しその実は決して劣化しない。

しその実の今年の買入量は、昨年にくらべて15パーセントの増になった。

一方、茗荷の買い入れは盆明けに始められ、今も続いている。出始めて間もない茗荷はいまだ小さくて、ウチの漬物には使えない。必要な茗荷は、秋のものに限られる。

今日もまた、大げさに言えばカブト虫ほどの茗荷が数十キロほども届いた。しその実と同じく、茗荷もできるだけの量を確保したい。


朝飯 牛蒡と人参のきんぴら、舞茸と獅子唐の天麩羅、焼き鮭、刻みオクラを薬味にした納豆、すぐき、夏太郎らっきょう、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 「大貫屋」のオムライス(ケチャップかけないでね特注)
晩飯 無花果と生ハムのサラダ2種のサンドイッチTIO PEPE

2020.9.16(水) 計算、間違ってないですか

8月の日本橋高島屋での出張販売においては、家内は準備日から最終日まで東京に留まった。そしてこういうときに限ってと言うべきか「汁飯香の店 隠居うわさわ」には普段に増して予約の電話が相次いだ。「隠居」の料理はすべて家内がお作りをする。よってそれらのお客様には大変に申し訳ないことながら、お断りせざるを得なかった。

明日からの新宿高島屋での催しは、日本橋より売場が狭いこともあり、家内は準備日の今日から明日、および22日から24日までのあいだのみ現場に詰める。それぞれ木曜日の夜には日光に戻るから「隠居」は休まず運営できる。多いにありがたい。

夜は一人きりにて、街へ飲みに出る。僕の場合、食べるものがなければお酒は飲めない。

東京で飲んでいて、いつの間にか勘定の高くなってしまうのが、老舗の蕎麦屋の酒だ。一方、いかにも安いと感じるのは、焼酎のボトルを預かってくれる町中華の酒だ。今夜の勘定は1,200円だった。「計算、間違ってないですか」と確かめたことは、言うまでもない。


朝飯 オクラのおひたし、納豆、蓮根の梅肉和え、焼き鮭、細切り人参の炒り煮、すぐき、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 缶詰の鯖と納豆と長葱と「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」のつゆで食べる冷や麦
晩飯 「食堂ニジコ」のお通しの枝豆皮蛋もやし炒め天津丼のあたまだけ、麦焼酎「二階堂」(お湯割り)

2020.9.15(火) なかなかに慌ただしい

銭湯や下足を脱いで上がる式の居酒屋で、下駄箱のどこに靴を入れるか。僕の場合は言わずと知れた、「3番サード長島」の背番号「3」が随一だ。3番は上の端の方にあって手を伸ばすのが面倒なサウナ風呂では256番を使うことが多い。デジタル小僧にはおなじみの「ニゴロ」である。今朝の目覚めは2時46分だった。「246」とくればお堀端の三宅坂から西へ延びる国道であり、あるいはエンツォ・フェラーリの、若くして亡くなった長男の案から生まれたという、2400cc6気筒のエンジンを積んだクルマの呼称である。

と、こうしてどうでもよいことを並べ立てて文章を長くする癖が僕にはある。とにかく2時台に目を覚まし、3時台に食堂のテーブルに着くことができれば、朝の時間は大余裕だ。

毎年、2月には日本橋の、そして9月には新宿の髙島屋で、各々1週間の出張販売を行う。ところが今年は諸般の事情、その諸般とは「コロナ」であるけれど、8月にまた日本橋、そして9月の新宿は会期を2週間に延ばしてのものと決まった。そしてその、今月17日からの新宿での販売に備えて、お盆以降は疎らになっていた、製造現場での早朝の仕事を今日より再開する。

日中は「〇日に行くから、これこれの品を自分用に取り置いて欲しい」と、新宿の髙島屋に来て下さるお客様からの電話が相次ぐ。蔵では、きのうまで使った、しその実を洗って塩漬けにするための道具が片付けられた。その空間に午後は、日光と新宿を往復するトヨタハイエースが、用度品を積み込むため後退で入ってきた。なかなかに慌ただしい9月である。


朝飯 おから、蓮根の梅肉和え、オクラのおひたし、茄子とパプリカの揚げびたし、大根と人参のぬか漬け、メシ、2種の天麩羅と長葱の味噌汁
昼飯 「大貫屋」のタンメン
晩飯 夏太郎らっきょう、たまり漬「刻みザクザクしょうが」と同「鬼おろしにんにく」を薬味にした鰹のたたき、牛肉のすき焼き、おから、「渡邊佐平商店」の「日光誉純米吟醸雄町ひやおろし」( 冷や)、メロン

2020.9.14(月) 美学なのか性分なのか

むかし、それは40年ほども前のことになるが、世話になっているお宅が本郷にあった。あるときそちらにおじゃまをしていて、天神下のシンスケに行こうということになった。「だったら予約をするわ」と席を立とうとされた奥様を「予約なんてするなよ」と、ご亭主は眉間に皺を寄せるようにしてお止めになった。「居酒屋や蕎麦屋や鮨屋にはフラリと入るもの」という美学のようなものが、その、恐らくは大正生まれと思われる先生にはあったのかも知れない。

10年ほど前に、町内の役員有志でソウルに旅した。夕食はホルモンが美味いと評判の店と決めていた。安いツアーとはいえ、空港からホテルまでは現地の添乗員が付き添ってくれた。

「予約をしてもらおう」と、ホテルのロビーで僕は口を開いた。「ヘーキじゃない、予約なんかしなくても」と、ユザワ歯科医院のユザワ先生はこともなげに答えた。「どーして。ここに添乗員がいるんだぜ」と、僕はいささかムキになった。

店の1階は、現地の若い人で満席だった。朝鮮語の飛び交う店内は、うなるように賑やかだった。2階へ案内をされると、空いているのは添乗員が予約をしてくれた1卓のみだった。「牛肉は日本が一番」と信じていた僕は、極太の大腸をひとくち噛むなり、その新鮮な歯ごたえに仰天した。そして洗面器より大きな器のマッコリを、湯波屋のタシロさんとふたりで飲み干した。

そういえば「陣地を主張しないという点において、予約をしない人は、すなわち奥ゆかしい人だ」という意見を耳にしたことがある。「予約をしない」という行いには、他にも種々の理由が関係していることと思われる。僕も、ホテルの予約を電話でするのは苦手だ。しかしこと食事において、座れる保証の無い店に出かけるときには必ず予約を入れる。予約とは、安心の確保に他ならない。

上澤梅太郎商店が運営する朝食専門店「汁飯香の店 隠居うわさわ」は毎週、土、日、月の営業。開店は8時30分、オーダーストップは12時30分、閉店は14時。電話番号は0288-25-5844(日光ごはん良し)。本店の電話番号0288-21-0002であれば、毎日ご予約を承れます。


朝飯 舞茸と獅子唐の天麩羅、細切り人参の炒り煮、ベーコンエッグ、茄子とパプリカの揚げびたし、夏太郎らっきょう、メシ、オクラの味噌汁
昼飯 「ふじや」の広東麺
晩飯 「コスモス」のトマトとモッツァレラチーズのサラダドリアドライマーティニ、TIO PEPE

2020.9.13(日) 来るなら言ってよ

地元の青年会議所が「にこっぺパンproject・コッペパンで日光を笑顔に」というものを企画した。様々なお店がそれぞれに工夫を凝らしたコッペパンを売る。3ヶ所を回ってパンを買い、各々の包装紙に貼られた「ニコッペシール」を主催者に持ち込むと、抽選で記念品がもらえるという催しだ。「そばのまち日光」とか「餃子のまち宇都宮」というものを目指してのものかも知れない。

それへの参加を促す知らせはウチにも届いた。長男はそれを受けて、すべてを社員に任せた。当方のしたことといえば、試作品の味を見て感想を述べたのみだ。

催しの開始は本日11時。タカハシカナエさんとサイトーミホコさんは、9時より調理室に籠もった。

それにしても、肉味噌とらっきょうのたまり漬を具にしたパンなど売れるものだろうかと、僕は危惧した。ところがふたを開けてみれば、というか、ふたを開ける前に、予定数のほとんどは予約で埋まった。

10時55分にお見えになったお客様に「何個あるの」と訊かれて「2個です」とお答えをする。「えっ」とお客様は絶句をされて、その2個はその場で売れた。そういう次第にて、上澤梅太郎商店のコッペパンは「にこっぺパンproject」の始まる前に売り切れてしまった。

一方「昼どきは個室にのみ空きあり」と朝礼で周知した「汁飯香の店 隠居うわさわ」にフリのお客様2名をご案内しようとして、11時に家内に電話を入れる。するとこれが、直前にお入りになった別のお客様により満席。隠居に向かわれつつあったお客様を駆け足で追いかけ、その旨をお伝えして頭を下げる。

そこに今度は「予約なんかして気を遣わせるといけないと思って」と、次男の同級生のお父さんとお母さんがいきなり見える。しかし隠居の満席はいかんともしがたい。庭のベンチへお連れして、冷たいお茶のみ差し上げる。それと前後して、ふた組のお客様を蔵見学にご案内する。文字通りの右往左往である。

蔵見学のふた組目のお客様は、子供のころから40年もウチに通い続けてくださっているとのことだった。そしてあろうことか「最後の晩餐は、大根のたまり漬の麦茶漬けと決めている」とおっしゃった。「ハハー」と頭を下げる他はない。

そのお客様と店に戻ってきたところで、僕に声をかけた人がいる。すこし前にこの日記に書いた、そして2006年には「サイトー君のメルセデス」という文章にしたサイトーさんだった

「いま隠居で食べてきた、いやー、美味しかった、京都の美山より感動したよ」と、サイトーさんは嬉しいことを言ってくれた。「で、料理、誰が作ってるの」と訊かれて「僕の女房」と、僕は右手の握り拳から親指のみを立てて自分の顔を差した。「エッ、あれ、凄いよ」と、サイトーさんはランドローバーディスカバリーの運転席で目を丸くした。それよりも「来るならオレに言ってよ」である。


朝飯 牛肉のすき焼き風、細切り人参の炒り煮、おから、納豆、夏太郎らっきょう、メシ、若布と大根の味噌汁
昼飯 牛丼、生姜漬け
晩飯 豆腐とキャベツの味噌汁南瓜の煮付け、すぐき、スパゲティサラダ豚肉と蓮根のいため葡萄TIO PEPE

2020.9.12(土) 確保

四半世紀ちかく前のこと、ある家で昼にうどんを振る舞われた。そのうどんは炒めた茄子とピーマンを投入した熱い味噌汁をつけ汁とするもので、初見の僕は大いに驚いた。あるいは不気味さを感じたと言った方が適当かも知れない。恐る恐る口にしたそれは、しかし案に相違してとても美味かった。

何年か前には農家の娘、その、僕も知る綺麗な人が「うどんは味噌だ」とfacebookに上げていた。「やはりこのあたりのうどんは味噌だったのか」と、再度、僕は認識をした。認識をしても、それは僕だけの経験だから、いくら言って聞かせても、家内がそれを作ることはなかった。

恐らくは北関東、東関東、それに東北南部で食べられているだろう、その味噌のつけ汁によるうどんを、あるとき長男が痺れを切らせたようにして作った。「なにこれ、美味しい」というのが、それを口に入れた瞬間の、家内の感想だった。「だから作れってしつこく言ったじゃねぇか」である。

この「なすPうどん」を各ご家庭でお作りいただける、茄子、ピーマン、生うどん、日光味噌のあれこれ、それに市場には出回らない、樹上で完熟した梨を同梱した商品が明日、ウェブショップでご予約をくださったお客様に宛てて出荷をされる。

ピーマンについては、前々から目を付けていた人がいる。そのタナカシンさんに今朝は道の駅「日光街道ニコニコ本陣」で声をかけ、必要な量を、あらかじめ確保する。茄子、生うどん、梨についてももちろん、準備は万端である。


朝飯 牛蒡と人参のきんぴら、大根おろしを薬味にした納豆、焼き鮭、細切り人参の炒りつけ、しょうがの昆布漬け、らっきょうのたまり漬、メシ、キャベツの味噌汁
昼飯 「大貫屋」の塩チャンポン麺
晩飯 筑前煮、若布とオクラの酢の物「しいたけのたまり炊」を具にした厚焼き玉子なめこの味噌汁、トマトとキャベツのサラダ、豚肉の味噌漬け焼き(試作品其の一)同(其の二)同(其の三)、ABSOLUT VODKA(ソーダ割り)

2020.9.11(金) 熱風

前夜21時から夢も見ずに眠り続け、1時50分に目を覚ます。起床をしたのは2時台。以降、朝まで何をするかといえば、大したことはしない。

食堂にある3枚の窓のうち、2枚を開け放って風を通す。BOSEの小さなプレイヤーにきのう届いたばかりの、朝倉さやの「日本漬け」を差し込み、8拍子に譜面を書き換えた「新庄節」を聴く。ふと気になって席を立ち、1階まで降りて外へ出る。西裏用水の水と虫の音がかまびすしくて、窓からの音はまったく届かなかった。

きのうの日記に書いた記者は、11時すこし前にいらっしゃった。この取材は、長男が書いたものを、その記者がたまたまたお読みになったことがきっかけだという。よって対応はすべて、長男に任せる。

午後、所用にて街を歩く。巨大な入道雲が、南東の空に沸き上がっている。「暑いですねー」と、人に声をかけられる。僕も子供ではないから「いつまでもねー」などと調子を合わせるものの、実のところは涼しさを感じている。

それにしても素晴らしい空と雲だ。その青と純白に誘われるようにして、屋上に上がる。熱風が吹いている。しかしそれにはいささかの湿気も含まれてはいない。いくら暑くても、皮膚はとうに秋を認めているのだ。


朝飯 鮭の粕漬け、菠薐草のおひたし、牛蒡と人参のきんぴら、おから、胡瓜のぬか漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、茄子の油炒めと茗荷の味噌汁
昼飯 「ふじや」の冷やし味噌ラーメン
晩飯 夏太郎らっきょう、おから、煮奴、豚三枚肉と水菜のしゃぶしゃぶ、麦焼酎「二階堂」(お湯割り)、南瓜の葛まんじゅう

2020.9.10(木) 今の絵

今月の1日以来、しその実の買い入れが続いている。その記録は帳面、まぁ、現代の帳面とはコンピュータだが、そこに付けている。きのう納められた量はかなりの確率で、今年の最高になるだろう。そして最終日の14日を待つことなく、今年の買い入れ量は、昨年のそれを超えるような気がしている。

子供のころから今に至るまで、ウチの商品の中で僕がもっとも好んで口にするのが「なめこのたまり炊」だ。「しその実のたまり漬」は、ことによるとその次くらいに好きかも知れない。作り手の好みは、いわゆる「売れ筋」とは一致しない。この傾向はウチだけのものだろうか、あるいは他のお店、他の業種にも観られることだろうか。

きのうから「汁飯香の店 隠居うわさわ」への予約が増えてきた。地元の方もいらっしゃれば、遠方から裏を返してくださる方もいらっしゃる。更に明日は、この「隠居うわさわ」に取材が入る。それに先立ち床の間の絵を掛けかえたいと、長男が言う。秋の気配が濃くなってきた、というのがその理由らしい。替えるのは寒くなってからでも遅くないと、僕は答える。それほど今の絵は、隠居の床の間に合っているように思う。


朝飯 鮭の粕漬け、獅子唐の炒りつけ、牛蒡と人参のきんぴら、トマトとキウィのサラダ、厚焼き玉子、塩もみ胡瓜の「しその実のたまり漬」和え、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と菠薐草の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の冷やし中華(大盛り)
晩飯 あれこれのサラダ鶏とマカロニのグラタンPetit Chablis Billaud Simon 2016肉だんごのトマト煮冷蔵庫にあった赤ワインチーズケーキ、Old Parr(生)

2020.9.9(水) そのような嗜好

昼に冷や麦を食べ終え、新聞を読んでいるところにウェブ担当コンサルタントのカネヒラケンジさんから電話が入る。それはこの日記の、今朝サーバに上げた9月7日の分を読んで心配してのことだった。

そのカネヒラさんの助言を受けて、午後、Gmailのアドレスを使ってamazonに新しいアカウントを作る。既存のアカウントは、いわばロックされた状態なので、誰かに悪さをされる可能性は少ないだろう、というのがカネヒラさんの意見だった。それに先立ち僕は、そのアカウントのパスワードを、より複雑なものに変えておいた。とにかくログインができないため、アカウントを消し去ることもできないのだ。

ところで僕が書記を務める、日本酒に特化した飲み会「本酒会」の月例会は、四半世紀のあいだ休むことなく開かれてきた。それを中断させたのがコロナ騒ぎである。緊急事態宣言を受けて、4月の例会は中止をされた。5月の例会は「店内を密にしたくない」との理由から、その月に使うことにしていた飲食店に、予約を断られた。

「受けてくれる店を他に探しますか」と僕はイチモトケンイチ本酒会長に諮った。「いや、やっぱりやめとくべ」と会長は判断をした。以降、本酒会は8月まで、5回も例会を流した。きのうの日記に照らせば、イチモト会長は「コロナを割と怖がる派」である。

毎年9月の例会は、街の飲食店ではなくウチで開くことになっていた。これまでは多く、4階の応接間で家内の料理を肴にしてきた。しかしイチモト会長は、今回は三密を避けて隠居の庭で開こうと言ってきた。僕はそれに応じたものの、今日になって天気予報を見てみれば、夜は雨と出ている。

結局のところ、会は隠居の庭から座敷に場所を移して開くこととした。そして全員が席に着き、庭で食べるはずだった弁当が全員に行き渡ったところで「今年の本酒会、ずっと隠居じゃまずいかな」と会長は口を開いた。僕は笑った。

地元の蕎麦屋を思い浮かべてみれば、蕎麦ヲタクが勤め人を辞めて開いた店や、農家の主婦が採れたての野菜で天麩羅を揚げるような店にお客の集まる傾向がある。「ずっと隠居じゃまずいかな」も、あるいはそのような嗜好によるものかも知れない。


朝飯 ポテトサラダ、納豆、茄子の揚げ浸し、獅子唐の炒りつけ、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトとキャベツと若布の味噌汁
昼飯 獅子唐の炒りつけで食べる冷や麦
晩飯 「汁飯香の店 隠居うわさわ」の特製弁当鰹のたたき、メシ、揚げ湯波と小松菜の味噌汁葛まんじゅう、6種の日本酒(冷や)

2020.9.8(火) 硬いものは避けてください

下今市から07:45発の上り特急に乗る。大井町には10時02分に着いた。右下奥から2番目の大臼歯の神経は、大森のウィステリアデンタルクリニックに2度かかって完璧に取り去った。今日からはその大臼歯に冠をかぶせるための治療が、かかりつけの歯科医院で始まる。

大井町の駅ビルで本などを物色して時間を調整する。11時02分にソーマ歯科室に入る。3日かかる治療の1日目である今日は、レジンによる仮歯を入れるまでして12時57分に外へ出る。

京浜東北線の快速は、なぜ新橋を飛ばして浜松町から東京まで直行してしまうのだろう。それでいて神田のような小さな駅には停まるのだ。

所用により小川町を経由して室町三丁目に至る。「こんな時期に、わざわざ申し訳ありません」と、取引先が頭を下げる。「コロナって、怖がる人と、そうでもない人の差が極端ですよね。僕は、そうでもない派です」と、特に相手を気遣うつもりでもなく応じる。「私も同じです」と、先方はマスクの上にあるふたつの目で僕を直視した。

午後のおそい時間には銀座にいた。「仮歯ですので、チューインガムのようなくっつきやすいもの、それからバゲットのような硬いものは避けてください」とソーマ先生は僕に注意を促した。それを思い出しつつ4丁目から7丁目まで歩き、おでんを肴に小酌を為す。


朝飯 獅子唐の炒りつけ、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、「なめこのたまり炊」のフワトロ玉子、納豆、胡瓜のぬか漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐となめことレタスの味噌汁
昼飯 「アラカンパーニュ」の無花果のタルト、コーヒー
晩飯 「やす幸」のあれやこれやそれや、他あれこれ。「黒松白鹿」の「山田錦」(冷や)

2020.9.7(月) ベゾスでもかまわない

あるとき團伊玖磨は、息子の部屋から流れ聞こえてきた荒井由実のアルバム「ひこうき雲」に好感を覚え、これを褒めた。日本の流行歌を嫌った團伊玖磨の書いたことだから、その随筆「パイプのけむり」の数百文字は僕の目を引いた。その「ひこうき雲」の中の一曲を、山形の民謡歌手が歌う動画にyoutubeで偶然、行き当たった。そして一聴して「これは、ただ者ではない」と感じた。

その朝倉さやの2枚組のアルバムを、今朝は6時までに2度、繰り返し聴いた。その結果、他のものも聴いてみたくなった。「こうなったら大人買いをしてしまえ」だ。

ところが数日前より具合の悪かったamazonは、今朝になって更に頑固になっていた。ログインをしようとして、先ずは所定の場所にメールアドレスを入れる。次にパスワードを要求されるからそれを入れると

「サインインを完了するには、次の宛先に送信された通知を「承認」します:Eメールアドレスt******@tamarizuke.co.jp」

と画面に出る。だからメーラーを開くと、当該のメールには

「サインイン試行が検出されました アカウントサービスに異常なサインインが試みられたことを検出しました。」

とあって「承認」どろこではない。いくら試しても結果はおなじ。つまりは無限ループである。

この現象を検索エンジンに入れてみると、どうも、おなじ目に遭っている人は少なくないようだ。現在、amazonは電話による対応は受けつけていない。所定の方法で助けてもらおうにも、それには先ずログインが必要になる。当方は、そのログインができずに困っているのだ。

「こうなったら現在のアカウントを捨てて、新しいアカウントを作るまでだ」と操作に入ると、アカウントを捨てるには、先ずはログインが必要と出た。だったら新しいアカウントを作ろうと、指定されるままメールアドレスを入力すると「そのメールアドレスは既に使われています」とエラーが出る。それなら死蔵しているメールアドレスを使おうか。しかし使いづらいそれを日常用とはしたくない。

ジェフ・ベゾスでも誰でも構わない、このウェブロブを読む中に、amazonに勤める人はいないか。いれば解決の方法を教えて欲しい。このままでは僕は永遠に、amazonで買い物ができないのだ。


朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、獅子唐の炒りつけ、生玉子、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波とキャベツの味噌汁
昼飯 揚げ玉と獅子唐の炒りつけで食べる冷や麦
晩飯 牡蠣の燻製イタリア風の酒肴盛り合わせ舞茸のピッツァPetit Chablis Billaud Simon 2016

2020.9.6(日) 200ミリと40米

中学生のとき、百葉箱の管理を任されていた同級生がいた。あるとき前日の降水量を訊かれて「200ミリです」と答えたその同級生は「そんなに降ったら街が流されちまう」と、理科のカネダマコト先生から大目玉を食らった。以降、僕の脳には「200ミリの雨は街を流す」と、深く刻まれた。

いま天気予報を見ていると、200ミリの雨などは、列島のそこここで普通に降る。今朝の新聞には500ミリとか800ミリという数字さえある。200ミリで街が流されるなら、800ミリの雨とは一体全体、どれほどのものだろう。

「風速40米」は、昭和33年製作の、石原裕次郎主演の映画だ。これについて日活のウェブページは「大暴風雨の中でのアクション・シーンは圧巻」と書いている。風速40メートルが大暴風なら、台風10号の瞬間風速60m/sとは、どれほどのものだろう。

NHKの大河ドラマは、今年は「麒麟がくる」という戦国時代の劇だという。そして今夜のそれは、台風10号に関するニュースに徹するため休止をされると、午後のウェブニュースが伝えている。

ひとつの家も流されることなく、ひとりの人も死ぬことなく、一反の畑もつぶれることなく、何とかこの台風よ去ってくれないか。とてもではないけれど、人ごととは思われない。


朝飯 焼き鮭、納豆、「なめこのたまり炊」をのせた冷や奴、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、柴漬け、胡瓜のぬか漬け、メシ、若布と韮の味噌汁
昼飯 「ふじや」の冷やし味噌ラーメン
晩飯 豆腐と大根の味噌汁、人参とキャベツの塩もみ、胡瓜のぬか漬け、すぐき、筑前煮、厚焼き玉子鯖の塩焼き、「渡邊佐平商店」の「日光誉純米吟醸夢ささら」(冷や)、

2020.9.5(土) 朝食調製法

上澤梅太郎商店が運営する朝ごはん専門店「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、週のうち土日月に開かれる。この3日間においては、家内はひとりそそくさと朝食を済ませ、早い時間に予約を戴いていれば5時すぎに、そうでなくても6時前には隠居に入る

僕は、社員の出社する時間から逆算をして、自分の朝食の準備にかかる。味噌汁のだしは、きのうのうちに準備ができていることもあれば、その朝に一から始めることもある。そのあたりについては、8月30日の日記に書いた

汁飯香の器を除けば、用意する器は4客。冷蔵庫には何かしらが入っている。その何かしらで器を満たせば、それで朝食の完成である。汁が熱く、飯が温かければ、それ以外のすべてが冷えていても、どうということはない。

10時に外注SEのシバタサトシさんが来る。シバタさんには、おととい新しくしたiPhoneの、諸々の設定をしてもらう。前世紀から自前のウェブページを持つ僕を、さぞかしデジタルに詳しいものと、誤解をする人がいる。僕はハイパーテキストの読み書きが少しばかりできるくらいで、コンピュータについてのほとんどすべては本職任せである。

夜、嫁のモモ君の揚げた茄子の天麩羅を食べながら「夏は茄子とピーマンばかりを食べて過ごしたいな」と、思わず言葉が漏れる。「今のうちに食べておかなければ」である。


朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、茄子とピーマンの味噌煮、生玉子、納豆、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、なめこの味噌汁
昼飯 茄子とピーマンの熱い汁で食べる冷や麦
晩飯 カジキマグロの煮付け、牛蒡と人参のきんぴら、胡瓜とキャベツのヌーベル漬物、茄子と舞茸の天ぷら、「渡邊佐平商店」の「日光誉純米吟醸夢ささら」(冷や)、ドーナツ、Old Parr(生)

2020.9.4(金) 静かに聞く

「早起きは三文の得」ということばは海外にもあるのだろうか。僕は、この格言は片手落ちと思う。得をしようとすれば夜なべと早起きの両立が必要ではないか。いわゆる「寝る間を惜しむ」というやつだ。僕は早起きでも、寝るのも早い。とんだナマケ者である。

いわゆる夜型なのだろう、ひとりの「友達」がある夏の朝に「今は5時台から明るいんですね」とfacebookに上げた。僕はすかさず「3時台から明るいですよ」と返した。「夏は夜」と清少納言は書いた。「夏は朝でしょう」と、こんなところに引用してはマックス・ローチには申し訳ないけれど、僕は強く”insist”したい。

立秋以降、だから1ヶ月ちかくも前から、その夏の朝が徐々に失われていくことが寂しくてならない。今朝は3時すこし前に起床した。3時50分、この日記を書きながら、窓の外に目を遣る。東の空に明るみは皆無だ。上半身をすこし傾けて、空の高いところに視線を移す。僕を見おろすようにして、金星が黄色い光を発している。「だったら今日は晴れか」と、すこし安心をする。

社員が各々の現場を片づけ、掃除をし、仕事から上がろうとする夕刻に冷蔵庫に入る。そこには本日、農家から届けられるなり流水で洗い、水を切って塩と混ぜ合わせたしその実が、大きな桶に収まっている。その、生のときにくらべれば隨分と落ちついた香りを静かに聞く。しその実の買い入れは、14日まで続く。


朝飯 生のトマト、豆腐の玉子とじ、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、ごぼうのたまり漬、メシ、キャベツと若布の味噌汁
昼飯 「ふじや」の冷やし味噌ラーメン
晩飯 浅蜊の味噌汁、春雨サラダ、塩漬けらっきょう「夏太郎」、獅子唐の炒りつけ、水餃子、麦焼酎「二階堂」(ソーダ割り)

2020.9.3(木) 泣く泣く買うiPhone

iPhoneの容量の不足が引き起こす諸々の不具合については、外注SEのシバタサトシさんに、先月の31日に応急処置をしてもらった。しかしそれはあくまでも応急のものであり、翌日からはまた、アプリケーションが開かないとかバックアップ不能などの障害が再発した。よって容量充分のiPhoneを新たに買うべく、きのう街のドコモショップに予約を入れた。

すると数時間後に同ショップのサイトーさんから電話が入った。希望する機種を訊かれて64GBの黒いSEを指定すると、在庫は128GBに限られるという。クルマの排気量と同じく、僕は「必要以上のサイズ」を好まない。64GBのものが入荷するまで待つこととして、予約は一旦、帳消しにした。

ところがしばらくするとまたサイトーさんから電話があって、64GBの黒いSEが明日の午前に入荷することが分かった、だから予約は復活させると告げられた。僕はその幸運に喜んだ。

予約した時間は今日の15時30分だった。担当のオーシマさんは、知識の広さと根気の良さを以て、反応の極端に鈍くなった6s Plusと格闘した。そして見事、先月18日にバックアップされた内容を、そのまま新機に移すことに成功した。要した時間は2時間20分。

こうして僕は、真新しいSEを手に入れた。しかし4年のあいだ使った旧機も、いまだ新品同様である。よってこちらはシムをフリー化して、海外専用にしようと思う。


朝飯 焼き鮭、納豆、大根おろしを添えた茄子のソテー、刻みオクラの鰹節かけ、生のトマト、ごぼうのたまり漬、メシ、大根の味噌汁
昼飯 「大貫屋」のオムライス(ケチャップはかけないでね特注
晩飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、冷や奴、ポテトサラダ、うずら豆、豆腐となめこの味噌汁ケチャップスパゲティとグリーンアスパラガスの網焼きを添えた豚ロース肉の「日光味噌赤だし」漬け焼き、TIO PEPE、樹上完熟により市場には出まわらない「秋沢農園」の梨

2020.9.2(水) しその実

きのう帰宅して通用口から中に入ると、あたりには紫蘇の香りが漂っていた。その香りに触れて「もう来たんだ」と驚いた。

一般の人は、しその実といえば、刺身につまとして添えらてるものくらいしか目にする機会はないかも知れない。その小さな実を穂から指で梳き落としたものを、ウチはたまり漬の原材料として、地元の農家から買わせていただいている。

あの小さな実を10キロ20キロと溜める、地味で根気の要る仕事を日本人はいつまで続けられるだろう。そういう危惧もあって、このところはできるだけ長く買い付けるようにしている。そして今年はその期間を9月1日から14日までの2週間と定めた。しかしまさか初日から、蔵の中をその香りで満たすほどの量が届くとは思わなかった。それゆえの「驚いた」である。

午前、しその実を持ち来る人たちに、今年の出来について訊いてみる。中に「先月の25日あたりだったらちょうど良かったね」という人がいた。5月の低気温に長梅雨が追い打ちをかけ、その後は日照りが続いたことにより、今夏の農業はなかなか難しかったという。そしてその日照りを待ちかねたようにして、しその実は一気に穂を延ばしたという。来年は、きのう今日に来た方々から作柄を教えてもらいつつ、買い入れの時期を決める必要があるだろうか。

一方、実験のため家庭菜園に紫蘇を育てている製造顧問のフクダナオブミさんによれば、自身の畑のそれは、いまだ収穫の適時には至っていないという。おなじ市内とはいえ、作物の状況は様々だ。

台風9号に続いて大型の10号の接近を、テレビの天気予報が伝えている。これ以上の打撃を日本の農業に与えないでくれと腹の中で唱えながら、そのテレビの画面を凝視する。


朝飯 小松菜のおひたし、納豆、「なめこのたまり炊」のフワトロ玉子、胡瓜とオクラの酢の物、人参のきんぴら、ごぼうのたまり漬、メシ、キャベツの味噌汁
昼飯 「大貫屋」の冷やし中華
晩飯 厚揚げ豆腐の網焼きオクラかけ、薩摩芋の蜜煮、モロヘイヤのおひたし、人参のきんぴら、鰆の西京焼き、しょうがの昆布漬け、塩らっきょうを薬味にした納豆、「渡邊佐平商店」の「日光誉純米吟醸夢ささら」(冷や)、梨と葡萄

2020.9.1(火) 東京観光

大森駅のプラットフォームから、興味をそそる景色が垣間見えた。よって西口を出てそちらの方向、つまり右へ歩いてみた。池上通りから線路際に階段を降りたところに、いかにも昭和を彷彿させる飲み屋街があった。調べたところ、地元の人はここを「地獄谷」と呼んでいるらしい。

先週の土曜日に続いて、ウィステリアデンタルクリニックで奥歯の神経を抜く、今日は2日目である。この治療は1日で終わらせることもできるが2日をかければ完璧と聞き、僕は迷わず後者を選んだ。予約は11時30分。下今市09:05発の上り特急では、この時間に10分ほど遅刻をする。よってその1本前の07:45発に乗り、大森には10時すぎに着いた。

「地獄谷」の散策、駅ビル内の本屋での本の物色、喫茶店での本読みを経て、11時25分に歯科医院の扉を押す。そして大井町のソーマ先生が「天才」と絶賛する治療を完了させて、12時13分に外へ出る。

午後の遅い時間に浜松町の北口に至る。そこから西へ歩くと、東京タワーと六本木ヒルズが同時に見渡せた。都心にあっても、このあたりの空はいまだ広い。そしてすぐ左手にあるもつ焼き屋に入り、しばしカウンター活動にいそしむ。


朝飯 舞茸と獅子唐の天麩羅、胡瓜とオクラの酢の物、「なめこのたまり炊」によるなめこおろし、人参のきんぴら、グリーンアスパラガスの焼きびたし、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と小松菜の味噌汁
晩飯 「秋田屋」のあれやこれやそれや、他あれこれ、「高清水」(冷や)

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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

蔵見学