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お買い物かご

清閑 PERSONAL DIARY

2020年12月の日記31本

2020.12.31(木) こぎ着けた

「大地震の次はコロナ。あんたも大変だね」とオヤジの妹が僕に笑ってみせたのは、新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が発出された、春のころだった。家族と社員がいる限り、そして何よりお客様がいらっしゃってくださる限り、まぁ、大丈夫だ。それに加えて運、ということもある。その2020年も、とうとう大晦日までこぎ着けた。

元旦または新春2日着となる福袋の、今日は出荷日だ。大晦日着の「日光の美味七選」とは異なって、こちらの荷造りには長男と製造係が当たっている。僕の今日の仕事は、ひたすら道の駅へ商品を補充することだ。

今朝、霧降高原のグルマンズ和牛まで受け取りに行ったすき焼き肉を、午後になって家内はふたつに分けた。金谷ホテルの二段重ねのおせち料理5台は、この上下を分けて10台とした。そこに取引先からいただいた御歳暮あれこれを加えると、計20の賞品ができた。そして夕刻より社員を事務室に集めて福引き大会を開く。2021年の新年会は中止。せめて今日の諸々にて各自、楽しんでください、ということになるだろうか。

18時からは、ことし最後のミーティング。それを済ませて後は、社員が準備した商品をホンダフィットに積む。そして道の駅「日光街道ニコニコ本陣」へ、本日最後の納品をする。これを受けて陳列棚、冷蔵ショーケース、裏手の冷蔵庫は汗牛充棟の充実ぶりとなった。

夜は鴨鍋と蕎麦を肴に冷えた日本酒を飲み、22時に就寝する。


朝飯 冷や奴、干し海老を薬味にした菠薐草のおひたし、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、ハムエッグ、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と蕪の葉の味噌汁
昼飯 「グルマンズ和牛」のメンチカツドッグ、「金谷ホテルベーカリー」のピーナツバターパン、ミルクコーヒー
晩飯 「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」で漬けた松前漬け、鴨鍋、「三たてそば長畑庵」の蕎麦、「松瀬酒造」の「松の司特別純米酒」(冷や)

2020.12.30(水) オーキ方式

普段より「それにしても美味いよなぁ」と感じつつ食べたり飲んだりしている地元の優品を詰め合わせて12月30日に出荷、大晦日にお届けする商品が「日光の美味七選」だ。この限定40セットについては今月1日の9時にページを開き、同時にその旨をメールマガジンで配信した。その、今年は9時44分に売り切れた品の、今日は出荷日である。

朝から続々と届く蕎麦、山葵、栗きんとん、チョコレートなどを次々と荷造り現場へ運ぶ。それらをどのように配置すれば、より合理的な作業が可能かを考えつつ、各々を台に載せる。普段は13時30分より摂る昼食を、今日は12時からに早める。そして白衣を着て13時より現場に降りる。

上澤梅太郎商店の荷造りは、今年初よりその方式を大きく変えた。それは、学生時代のアルバイト時に長男が目にして大いに感心した、同級生オーキトシヒコ君の仕事の進め方を参考にしたものだ。そして「日光の美味七選」の荷造りも、今年はそれに従って進められた。僕には初めて経験をするものだが、確かに速い。正確性も高い。僕は15時30分に現場を離れ、以降は通常の業務に復帰した。

夕刻、パレットに山積みにされた荷物を、ヤマト運輸が2台のトラックで集めに来る。お客様に感謝をすることは勿論のことながら、流通に関わる方々にも、厚く御礼を申し上げたい。年越し蕎麦の含まれる「日光の美味七選」は特に、明日の朝からインターネットで追尾を始める。大雪の予報の出ている地域にも、無事に届くことを祈りつつ。


朝飯 納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、「なめこのたまり炊」のフワトロ玉子、牛蒡と人参のきんぴら、紅白なます、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と蕪の葉の味噌汁
昼飯 焼き鮭、牛蒡と人参のきんぴら、塩鰹のふりかけ、柴漬け、ごぼうのたまり漬のお茶漬け
晩飯 千枚漬け、広島菜漬け、大根の煮付け、菠薐草の胡麻和え、刺身湯波、大根おろしを添えた鰤のカマ焼き、「松瀬酒造」の「松の司特別純米酒」(燗)

2020.12.29(火) 知らない言葉ばかり

年末、それも最後の数日にすべきことは、いくつもある。それらはコンピュータや紙のカレンダー、あるいは頭の中に、それぞれ記録、記憶をされている。家族や社員においても、それはまたおなじだろう。

銀行は、大晦日から1月3日まで休みになる。よって釣り銭は、充分に用意をしておく必要がある。また明日は「日光の美味七選」の出荷日だ。これの中味として、街のあちらこちらから美味いものが届く。支払いは現金でするから、その準備も要る。他にも買うものは多岐にわたる。「餅代」とは良く言ったものだと思う。

きのうは謹賀新年の額を掛ける場所を空けるため、それまでそこにあった箪笥は一旦、店から裏の通路に移された。それを午後は外へ出し、特に裏側の埃を手箒で払う。普段は目に触れないその場所には「明治三拾七年九月 建具師 尾谷幸次郎」の墨文字がある。115年後の昨年末より「汁飯香の店 隠居うわさわ」の厨房普請を担当したのも、また尾谷建具店である。

「金太郎飴の切り口のような」ではなく、傾向の異なる人間が次々と出てくる方が、家も法人も長く続くような気がする。「エビデンスを示せ」と言われれば「すいません、エビデンスって何ですか」と問い返すかも知れない。


朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、牛蒡と人参のきんぴら、納豆、紅白なます、菠薐草の胡麻和え、ごぼうのたまり漬、メシ、里芋と揚げ湯波と蕪の葉の味噌汁
昼飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、焼き鮭、塩鰹のふりかけ、ごぼうのたまり漬のお茶漬け
晩飯 千枚漬け、TIO PEPE、トマトと玉葱のサラダ、「にんにくのたまり漬」と洋辛子を添えたビーフステーキ、MONTESOLE TAURASI D.O.C.G 2O11

2020.12.28(月) 神様仏様関係

4時55分より仏壇の掃除に取りかかる。先ずは仏壇の中のものすべてを取り出し、すこし離れたところにある机に並べる。次に仏壇の内外を乾拭きする。更には机の上の位牌やら何やらも、別の布で乾拭きする。それらをふたたび仏壇に戻して第一次の作業は完了。本日の所要時間は30分。線香立ては別途、日が昇ったら灰をふるいにかけるため、外へ出す準備をする。

5時40分より、今度は製造現場へ降りる。今夏に収穫された新らっきょうの漬かり具合を確認し、ふたたび仕込み桶の蓋を閉じる。

朝礼の後は、お稲荷さんと神棚の掃除に長男が取りかかる。蔵の水神と地神の水洗いは毎年、製造係に任せている。「汁飯香の店 隠居うわさわ」の門松は、きのう隠居係のタカハシリツコさんが自分で作り、朝一番にて門の前に飾ってくれた。いずれも多いにありがたい。

毎年12月の下旬になると、総鎮守瀧尾神社から幣束が届く。朝のうちに埃を払われ、布で拭かれ、あるいは水とタワシで洗われた神様関係の場所には、午後よりその真新しい幣束が飾られていく。

夕刻、長男と販売係のササキユータ君は、柱飾りと新しい熊手、そして謹賀新年の額を店に飾った。鏡餅は、鄙には希な菓子屋「久埜」から、あした届く予定である。


朝飯 柴漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、舞茸の天ぷらと豆腐と納豆と小松菜と白菜キムチの味噌汁
昼飯 「大貫屋」のチャーハン
晩飯 チーズと緑豆、ソーセージのオーブン焼きを添えたトマトとブロッコリーのスパゲティ、Petit Chablis Billaud Simon 2016、林檎

2020.12.27(日) 浅めし食堂

払暁、否、それより数十分ほど早い時間に家内を隠居へ送る。今日は5名様にご予約をいただいている。仕出し弁当のご予約もいただいている。きのうに引き続いて、フリのお客様もいらっしゃるに違いない。2020年も押しせまった忙しない日々の中で、お客様にはせいぜいゆっくりしていただきたい。上澤梅太郎商店が運営する朝ごはん専門店「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、明日が年内最後の営業日となる。

「東北新幹線の北端はどこだろう」と、きのうの日記に書いた。今日になって、そのことについて「待てよ」と考えた。何年か前に、僕はそのあたりに行っている。

この日記の最新ページを開き、左手の検索窓に「新青森」と入れてみる。すると2016年7月23日に東京から東北新幹線で新青森、奥羽本線に乗り換えて青森、そこから先は青い森鉄道により浅虫温泉まで足を延ばしていた。自由学園の同級生たちと、やはり同級生で医師のイシキモトオ君が運営する「浅めし食堂」を訪ねたのだ。

夕刻、偶然にもそのイシキ君から彼の地のリンゴが届いた。上澤梅太郎商店の地方発送は現在、年末の贈答に新型コロナ下での「おうち需要」が重なって、パンク寸前の状態を保ったまま推移をしている。よって「年が明けたら味噌を送ります」とハガキに書いて、63円切手を貼る。


朝飯 焼き鮭、納豆、牛蒡と人参のきんぴら、白菜キムチ、柴漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、玉葱とブロッコリーの味噌汁
昼飯 焼き鮭、牛蒡と人参のきんぴら、塩鰹のふりかけ、ごぼうのたまり漬のお茶漬け
晩飯 千枚漬けの「朝露」がけ、ワンタン鍋、麦焼酎「むぎっちょ」(お湯割り)、イシキモトオ君から届いた林檎

2020.12.26(土) 本を読むためだけに

目を覚ますと部屋の灯りは点けっぱなし、パジャマは着ていなかった。枕元のiPhoneが示す時刻は2時35分。以降は眠気が訪れず、遂に起床する。風呂を出たあと「ちょいと一瞬のつもり」で裸で布団にもぐり込み、そのまま寝てしまったのだ。睡眠の質を高く保つためにも、このような失策は厳に戒めなければならない。「わかっちゃいるけど」は正に、青島幸男の書いた詩のとおりだ。

日中、amazonから古書が届く。忙しく立ち働く時間の中で、ふと心に余裕のできる瞬間だ。さてこの本は、いつ読むことができるだろう。僕は本は、家ではほとんど読まない。どこかへ出かけない限り、本はなかなか読めない。冬にはなぜか、北へ行きたくなる。東北新幹線の北端はどこだろう。

「東北新幹線 下り 終点」と入れた検索エンジンは「新青森」と、その名を教えてくれた。駅前にホテルはあるだろうか。そのちかくに居酒屋はあるだろうか。雪を踏んで歩く道に吹雪が渦巻いていれば、なお有り難い。


朝飯 牛丼、生玉子、ごぼうのたまり漬、小松菜の味噌汁
昼飯 柴漬け、焼き鮭、塩鰹のふりかけ、ごぼうのたまり漬のお茶漬け
晩飯 冷やしトマト、木の実と干し葡萄を練り込んだパン、茹でたブロッコリーを添えた「鳥秀」の揚げ鶏、Petit Chablis Billaud Simon 2016

2020.12.25(金) 新しいセーター

この日記によれば、昨年の10月は昼に18回も外食をした。それを反省したのだろう、11月のそれは4回に減り、12月は市外へ出たときや会食を除いては皆無になった。年が明けて今年1月も皆無、2月も皆無。そのころ、トーストにバターとジャムを塗り、そこに刻んだらっきょうのたまり漬を載せるという奇妙な昼食を思いついて、しばらく続けた。以降はラーメン、饂飩、夏は素麺、そしてまたラーメンと、僕の昼食はどうも、これと決めたら数週間は、おなじものを食べ続ける傾向にある。

今日も、このところ続いているお茶漬けを食べるべく12時30分に4階の食堂に上がる。すると赤いリボンの付いた紙の袋が食卓にあった。家内によれば、それはクリスマスのプレゼントだという。袋の中にはユニクロのセーター3着が入っていた。

今年のいつだったか、コンピュータ上の小遣い帳を数年分も誤って消してしまった。よって現在のセーターが、いつ購入されたかを調べることはできない。しかしとにかくそれは、家内によれば薄くすり減り、毛玉だらけで、非常にみっともないものだという。

新しいフリースのセーターには、そのサイズを表す”L”のシールが付いていた。「オレはエムだぜ、交換しなきゃ」と言うと「それで良いのよ、いま着てるのもツンツルテンじゃない、何から何までツンツルテンなんだから」と家内は7度か8度ほど声を高くした。

いま着ているセーターは、今すぐに脱いで捨てろと家内は言う。しかしそういうわけにもいかない。ボロボロの毛布を腹の下に死守しつつ、これを奪われまいとうなり声を上げる犬のようなところが僕にはある。

新しいセーターは、元旦から着始めようと思う。


朝飯 茹でたブロッコリー、納豆、ベーコンエッグ、焼き葱の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け、菜の花漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと白菜の味噌汁
昼飯 焼き鮭、柴漬け、塩鰹のふりかけ、ごぼうのたまり漬のお茶漬け
晩飯 春雨サラダ、水餃子、「紅星」の「二鍋頭酒」(生)、焼き林檎とホイップクリームを添えた「松之助」のハミングバードケーキ

2020.12.24(木) 星と嵐

目を覚ましてしばし。枕の下からiPhoneを取りだし見ると、時刻は3時53分。テレビが時間泥棒ならSNSもまたしかり。facebookやウェブニュースのアイコンには触れずに即、起床する。食堂の電波時計は3時58分を指していた。

花と水とお茶と線香を仏壇に供え終えた冬の朝は何をするか。先ずは手にクリームを塗る。日本ケミファのモイスポリアホワイトは、手の皮膚を強力に防護する。しかし塗ってからベトつきを感じなくなるまで15分ほどは両の手をこすり合わせる必要がある。その面倒さを厭ってほとんど使わない年もある。その冬は大抵、僕の手指はアカギレだらけ、絆創膏だらけになる。

クリームが手に馴染んだら、日記に取りかかる。おととい22日の日記はきのうのうちに書けている。しかしその最上部に置く画像の用意がないから「公開」ボタンはクリックできない。それはそのままにして、きのうの日記を完成させる。

パンク寸前の地方発送については、きのうの朝礼で簡単に対策を述べた。それを受けて長男は、その細部を詰め始めた。これから大晦日までの8日間は、山登りにたとえれば、いよいよ頂上直下の攻防である。小西政継である。植村直己である。「星と嵐」であり「雪と岩」である。


朝飯 納豆、「なめこのたまり炊」のフワトロ玉子、冷や奴、菜の花漬け、焼き葱の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け、メシ、玉葱とブロッコリーの味噌汁
昼飯 塩鰹のふりかけ、焼き鮭、菜の花漬け、ごぼうのたまり漬のお茶漬け
晩飯 チーズと緑豆、TIO PEPE、マッシュルームのスープ、“LE COFFRET”の3種のパンと生ハムのペースト、芽キャベツのバター焼きと人参のグラッセを添えた鶏手羽のハーブ焼き、Petit Chablis Billaud Simon 2016

2020.12.23(水) 青い部屋

昼食を摂りおえた14時ごろ、嫁のモモ君が11月29日に産んだ赤ん坊を抱いて、お母さんと一緒に来た。モモ君とは、およそひと月ぶりの邂逅である。初めて目にする赤ん坊は小さな顔を様々に動かして、つつがない様子だ。僕は、大切なもの、壊れやすいものほど軽く柔らかく握って落とす癖がある。それを知っているから、自分の子さえ赤ん坊のころは抱かなかった。人の子ともなれば、なおのことである。

出かけようとしていた15時に、お得意様から電話が入る。東京にお住まいのその客様は、毎年、松の内に実家にお帰りになる、しかし折からのコロナ禍により今回はそれを遠慮する、たまり漬を買いには行けないがその代わり…、という、そのお客様のご要望をうけたまわりつつ5分ほどお話をさせていただく。

宇都宮の整体院には定刻の16時に着いた。家内をホンダフィットからおろし、目と鼻の先の書店へ向かう。そして併設の喫茶店で紅茶を飲みつつ本を読む。16時40分からは僕の番にて、ホンダフィットをふたたび整体院の前に着ける。そして買い物に向かう家内と入れ替わりに、今度は僕が施術を受ける。

南の国へ行くようなことでもない限り、僕は年間で365連続勤務になる。家内もおなじく、だ。2週間に一度の整体通いでそれが維持できるなら、それに費やす時間的犠牲は安いものだ。

会社に戻ったのは18時40分。事務室では今日も残業をしたふたりの事務係と長男が、パンク直前の地方発送について、今後の方策を話し合っていた。現在の納期は1週間。26日からのご注文につきましては、1月2日より順次、出荷をさせていただきます。


朝飯 菜の花漬け、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、ベーコンエッグ、牛蒡と人参のきんぴら、ごぼうのたまり漬、メシ、白菜とトマトの味噌汁
昼飯 明太子、菜の花漬け、塩鰹のふりかけ、ごぼうのたまり漬のお茶漬け
晩飯 トマトとモッツァレラチーズのサラダ、「進々堂」のフランスパン、茹でたブロッコリーを添えたクリームシチュー、チーズ、Petit Chablis Billaud Simon 2016、“Bergfeld”のパイ、Old Parr(生)

2020.12.22(火) 夜と朝のあいだ

「地方発送のご注文が、きのうから減ってきた」と、おとといの日記に書いた。しかし同日の夜に配信した「12月25日までにご注文をいたたければ、年内にお届けをさせていただきます」とするメールマガジンにより、有り難いことに、またまた少なくないご注文をいただきつつある。

「クリスマスまでは荷造りの忙しさが続くということだ」とも、おとといの日記には書いた。しかし、きのう今日の状況からすれば、荷造りには大晦日まで、否、年明けまで追われる可能性が高くなった。マスクの着用などが功を奏してか、風邪による欠勤が、ただの一人も発生していないことは心強い。

20代から30代の前半ころまで、12月の繁忙期には、会社の敷地から1歩も出ないまま1週間の過ぎることがあった。そういうときの楽しみは、館内電話で家内に夕食の内容を確かめることだった。おかずによって飲む酒を選び、それを貯蔵庫から取り出し自宅へ戻るのだ。その楽しみに、いまは早起きが加わった。朝が始まる前の静かな環境は、今や自分にとっては無くてはならないものになっている。だから夜は、いつも、つとめて早く寝る。夜と朝のあいだの時間をなるべく長く確保するために。


朝飯 納豆、菠薐草の胡麻和え、牛蒡と人参のきんぴら、菜の花漬け、焼き葱の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け、玉子焼き、メシ、油揚げと長葱の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 刺身湯波の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」かけ、舞茸の天ぷら、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、大根と豚三枚肉の炊き合わせ、松前漬け、薩摩芋のレモン煮、メシ、ごぼうのたまり漬、「松瀬酒造」の「松の司特別純米酒」(冷や)

2020.12.21(月) 今日こそは搾らない

今朝、空がいちばん綺麗だったのは、6時何分だっただろう。その写真を撮ろうとして、しかし防湿庫にカメラを取りに行くことは止めた。朝の空の写真は数日前の日記にも使ったことを思い出したからだ。隠居へ向かう家内と外へ出ると、空は2分前の美しさを、早くも失っていた。

隠居の柴折り戸まで家内を送って4階へ戻る。そして長葱を油で焼くなどしながら朝食を調える。テレビのアナウンサーが不意に「今日は冬至です」と言う。「えっ、もう」と虚を突かれて僕は一驚を喫した。「クリスマスは、キリストが生まれたからめでたいのではない、毎年、それを境にして世界が明るさを増しはじめるから”merry”なのだ」とは、あるキリスト教徒の言ったことだ。

冬至には南瓜を食べ、柚子湯に入ることになっている。今日の食卓に南瓜は見あたらなかったけれど、却って有り難かった。南瓜は、菓子になったものだけが好きだ。柚子湯はいつも、柚の効能をより強くしようとしてこれを搾り、その刺激に皮膚が敏感に反応して後悔をする。それを今年は覚えていたから、今日の柚は湯に浮かせたままにした。そして湯冷めをする前に、早々に寝る。


朝飯 大根と豚三枚肉の炊き合わせ、煮奴、焼き葱の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、かき揚げと小松菜とトマトの味噌汁
昼飯 明太子、ごぼうのたまり漬、塩鰹のふりかけ、菜の花漬けのお茶漬け
晩飯 スパゲティナポリタン、Petit Chablis Billaud Simon 2016、“Bergfeld”のクッキー、Old Parr(生)

2020.12.20(日) デフォールトでいいじゃねぇか

地方発送のご注文が、きのうから減ってきた。現在の納期は到着まで4、5日。ということはやはり、クリスマスまでは荷造りの忙しさが続くということだ。しかしそのあたりから今度は味噌の包装や朝露の充填に2日間を割かないと、年初の需要に間に合わない。また30日は「日光の美味七選」の出荷、大晦日には福袋の出荷もある。福袋については、内容は異なるものの、実店舗で売るものもあれば、道の駅「日光街道ニコニコ本陣」に並べるものもある。これらの袋詰めは、大晦日に行うことになるだろう。

年末年始のGOTOキャンペーンは中止になった。しかしその期間内の旅行や移動まで国が禁じたわけではない。湯島天神は初詣の混雑を和らげることを目的として「幸先詣」という言葉をあみだし、既にその幟を立てていると、朝のニュースが報じている。それらの社会の様子から、新年の人出は三が日に集中せず、ゆるやかに成人の日まで続くとする予想がある。実際のところはどうなるだろう。

日の昇るころ隠居に入った家内は、夕刻、事務室に戻ると、今度は給与の計算を始めた。そして時刻が19時30分を過ぎるころ遂に、夕食はピザと決める。「マルゲリータのLサイズを1枚」と電話しようとする僕に、家内はあれやこれやと注文をつける。そして結局は3種のピザを注文し、それを取りに行くため、夜空の下のホンダフィットに乗り込む。


朝飯 ぬか漬けにした大根の葉の油炒め、納豆、生玉子、緑豆、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、ブロッコリーときのうの夜の肉だんごの味噌汁
昼飯 明太子、梅干し、ごぼうのたまり漬、塩鰹のふりかけのお茶漬け
晩飯 「ミラノミザ今市店」のマルゲリータ、Petit Chablis Billaud Simon 2016

2020.12.19(土) 今年のらっきょうと生姜

未明より製造現場に降りる。仕事をしながら、犬のすすり泣くような声のすることに気づく。その声は、木戸の外から聞こえてくる。誰かが犬に、良からぬことでもしているのだろうか。戸を開け、何が起きているかを確かめようとして、それを思いとどまる。製造現場に妙な者が闖入しても困る。また、その声と思われるものは、ことによると風に揺れる木戸の軋む音かも知れない。そう考えながら4階の食堂へ戻る。

「汁飯香の店 隠居うわさわ」が開かれる土曜日から月曜日にかけては、家内は朝はやくから隠居に入る。いつもは一人で出かけるものの、今日ばかりはその柴折り戸まで送っていった。木戸の外には、特に変わった様子は無かった。

さきおとといと一昨日の降雪を受けて、日光の山々はようやく冬らしい姿になった。

しばらく経つと、人は諸々のことを忘れる。昨秋の、JR日光線を2日間、東武日光線は12日間も不通にした台風を覚えている人は、どれほどいるだろう。今年の春から初夏まで続いた長雨と低気温を覚えている人は、どれほどいるだろう。梅雨は8月まで長引き、その直後からは猛暑が列島を襲った。

そのような不順な天候の中で、らっきょうが平年並みに育ったと聞いたときには安堵した。生姜に至っては却って質の良いものに恵まれた。有り難いことと思う。


朝飯 らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐とトマトと揚げ玉と小松菜とキムチの味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 松前漬け、ごぼうのたまり漬、肉だんご鍋、麦焼酎「むぎっちょ」(お湯割り)、「三原堂」の栗最中、Old Parr(生)

2020.12.18(金) カドマツ

ことし最後に配信すべきメールマガジンを書く。それを外注SEのカネヒラケンジさんにhtml化してもらうべく、Slackに上げる。食器棚の電波時計は電池が切れたらしく止まっている。応接間から別の時計を持ち来て目の前に置く。時刻は4時55分。夜に飲み歩くことは好まない。逆に、朝はやく起きることは好きだ。

11月に予約した門松が、午前の中ごろに届く。いささか早めの設置日は、業者と相談しながら決めた。おなじお金を払うなら、できるだけ長く飾っておきたいではないか。

11時がちかくなるころ、お墓の整備を、これまた11月に頼んでおいた会社から電話が入る。今日、それが行われることは事務机左手のカレンダーに書き込んでおいた。しかし忙しない気分の中で、すっかり忘れていた。即、自転車で如来寺のお墓に急行する。

現場には「よくもまぁ、ここまで入れましたね」と感心するほどの、大きなトラックが駐まっていた。クレーンで荷台までつり上げられる式のシートには、スコップで掬い取ったものだろう、土が山盛りになっていた。そしてそれが凍てついていたところには、新しい土が平らに敷き詰められていた。ウチのお墓はすこし変わった形にて、手入れが欠かせないのだ。

気温はますます低い。僕は3日前よりダウンベストを着て、自身の決まりの中ではようやく、真冬の服装になった。


朝飯 納豆、ぬか漬けにした大根の葉の油炒め、トマトとブロッコリーのサラダ、なめこのたまり炊のフワトロ玉子、らっきょうのたまり漬、メシ、かき揚げと玉葱の味噌汁
昼飯 明太子、ぬか漬けにした大根の葉の油炒め、ごぼうのたまり漬、塩鰹のふりかけのお茶漬け
晩飯 ベビーリーフのサラダ、TIO PEPE、にんにくのたまり漬と茹でたブロッコリーを添えたビーフステーキ、CHATEAU DUCRU BEAUCAILLOU 1982、塩鰹のふりかけのおむすび、梅干しと海苔のおむすび

2020.12.17(木) コナユキ

きのうの朝は、シュークリームの上の粉砂糖ほどの雪が、屋根に積もっていた。今朝は、それよりすこし多い雪が、屋根と地面に積もっていた。いずれにしても、大した量ではない。ホンダフィットの窓ガラスの雪は、箒で払った。上空の気温が非常に低いときに降る、それは粉雪だった。地面の雪は、8時30分の開店時には、あらかた融けた。

その朝のうちに、雪の状態を問う電話をお客様からいただく。受話器に見えている市外局番は、群馬県のものだった。以前、雪の日に例幣使街道を走って怖かったと、そのお客様はおっしゃった。杉並木の日陰には凍結の恐れがあるため、できるだけ高速道路をお使いになった方が安全と、お答えをする。

大晦日まで2週間。新型コロナウイルスの感染者は増えるばかりだ。それを受けて、GoToトラベルキャンペーンの、全国一律の一時停止が決まった。期間は12月28日から、成人の日を含む連休の1月11日まで。さてこれを受けて、年末年始にご用意すべき商品の数量予測は、また難しくなった。

いずれにしても、蔵出ししたての新鮮な品を途切らせることなくお客様にお渡し、お届けしていくことが、上澤梅太郎商店の使命である。その使命を果たすべく、頭とからだを使っていきたい。


朝飯 納豆、牛蒡と人参のきんぴら、菠薐草の胡麻和え、里芋と胡瓜のサラダ、ぬか漬けにした大根の葉の油炒め、玉子焼き、ごぼうのたまり漬、メシ、かき揚げとトマトの味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 「コスモス」のトマトとモッツァレラチーズのサラダ、ドリア、ドライマーティニ、TIO PEPE、家に帰ってからのロールケーキ、Old Parr(生)

2020.12.16(水) 朝食の店ではありますが

「新型コロナウイルスに対する恐怖の強弱は、人それぞれだ。」と、今月8日の日記に書いた。怖がる人は、まるで黒死病に直面した中世ヨーロッパ人のように、これを怖がる。一方、怖がらない人は、まったく無頓着だ。

新型コロナウイルスが地球を霧のように包んでしまったかに感じられる現在も、実は海外旅行が楽しめる。「今 行ける 海外」と検索エンジンに入れてみれば、情報はいくらでもある。そして実際に、それをした人を複数、知っている。居職であれば、帰国後の自主隔離なども、お茶の子さいさいである。

先日、街の飲食店について耳にしたことがある。忙しい店と、そうでない店の差が顕著だという。忙しい店とは常連さんに「怖がらない人」が多い店、そうでない店は常連さんに「怖がる人」が多い店、という図式が、どうやらあるらしい。

いま会食をしようとすれば「怖がる人」の意見に耳を傾ける必要がある。そして我が春日町1丁目役員の忘年会は、今回は居酒屋ではなく「汁飯香の店 隠居うわさわ」で開かれることになった。それは「密でない」とか「その場にいるのは知った人ばかり」という理由による。

「汁飯香の店 隠居うわさわ」は朝食の専門店だ。しかし今年は3回も夜の仕事を頼まれた。隠居、夜、とくれば、その随一は、闇に浮かぶ桜だろう。隠居の特にしだれ桜は、東京のそれにひと月おくれて咲く。昼だけでなく夜にも、花見の会が開けたら面白いと思う。

「汁飯香の店 隠居うわさわ」のご予約は、上澤梅太郎商店の代表電話(0288-21-0002)まで、ウェブではこちらより承れます。どうぞよろしく、お願い申し上げます。


朝飯 ぬか漬けにした大根の葉の油炒め、納豆、大根と豚三枚肉の炊き合わせ、緑豆を添えた温泉玉子、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと玉葱と若布の味噌汁
昼飯 なめこのたまり炊、ぬか漬けにした大根の葉の油炒め、ごぼうのたまり漬、松前漬けのお茶漬け
晩飯 「汁飯香の店 隠居うわさわ」の蕪のすり流し、鮪の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け、ふろふき大根、酒肴あれこれ、かやくごはん、けんちん汁、「山本合名」の山廃純米「天杉」(燗)

2020.12.15(火) 塩鰹

朝日は、朝食の準備をしている最中に昇る。そういうと、隨分と早くからメシを用意しているように思われる。しかし冬至まで1週間を切った現在、その時刻は6時30分前後だから、特に早いわけでもない。

店に3台あるキャッシュレジスターは通常、真ん中に置かれたそれがもっとも使われる。しかし今の時期、特に平日は、地方発送の受付台に近い端のそれに、もっぱらお金の溜まる傾向がある。商品をお買い上げ、お持ち帰りになるお客様よりも、贈り物をお申し込みになるお客様による売上げの方が多いことを、それは示している。

昼はお茶漬けを食べることにする。お茶漬けにはこのところ、伊豆の伝統食品という塩鰹を元にしたふりかけを添える。このふりかけは先月27日に訪ねた幕張メッセで立ち話をした技術者が、その後「気軽に話しかけてくださって…」といきなり会社にあらわれ、手土産としてくれたものだ。

おとといの日記に画像を上げた干し牛肉をはじめ、日本には僕の知らない食べ物が、まだまだたくさんある。塩鰹は、ぜひその本体を食べたいと思うけれど、異常に塩辛いらしいから、丸ごと買っては取り扱いに困りそうだ。切り身にして社員に分ける手、だろうか。


朝飯 納豆、油揚げと蕪の葉の炒り煮、茹でたブロッコリー、菠薐草の胡麻和え、鯖の網焼き、メシ、2種の天ぷらと万能葱の味噌汁
昼飯 油揚げと蕪の葉の炒り煮、塩鰹のふりかけ、ごぼうのたまり漬、明太子のお茶漬け
晩飯 メカブの酢の物、2種の茸と白菜と豚肉の鍋、麦焼酎「むぎっちょ」(お湯割り)

2020.12.14(月) ハンコ仕事

僕は活字中毒ではあるけれど、家ではほとんど本は読まない。読むのは公共交通機関の中、喫茶店、飲み屋などに限られる。ここしばらくは吉行淳之介の「人工水晶体」を読んでいる。裏表紙の見返しには「1989.9.28-9.30」と、万年筆の跡がある。この残りのページがいよいよ少なくなってきた。活字が無くてはいられないから、おなじ作者による「ヴェニス光と影」を本棚から取り出し、この2冊をPatagoniaのショルダーバッグに納める。

事務室へ降り、今度はそのバッグに会社の横判や実印を納める。ふと気づいて自動車運転免許証も、そこに加える。社員が退出をする前に戻るつもりだから、鍵は持たない。そして下今市10:05発の上り特急で東京へ向かう。

「拡大地域へ外出自粛を 新型コロナ 31日まで、知事要請」の文字が、今月10日の下野新聞第1面に大きくあった。そうは言われても、まさかハンコを宅急便で相手に送って「テキトーに捺しておいてください」と電話で頼む、というわけにもいかない。

「人工水晶体」は、吉行淳之介が1984年に白内障の手術を受けたときの、いわば記録である。あるいはこの病に悩む人への指南書にもなっている。それから34年後の2018年に、僕はおなじ手術を受けた。おなじ手術とはいえ34年も経てば、その方法も目に入れる「人工水晶体」も、まったくの別物である。

「人工水晶体」は、関東平野を南下する車両が栃木県を出る前に読み終えた。よって今度は「ヴェニス光と影」を取り出し開く。こちらの裏の見返しには「1991.10.21」の文字がある。2度目については書かれていないが、この日記によれば2003年10月。本の中味は読んだそばから忘れる。よって3度目とはいえ、つまらなさは感じない。

そうして帰りは浅草16:00発の下り特急に乗り、18時前に会社に戻る。


朝飯 メシ、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、豆腐と天ぷらと油揚げとブロッコリーとキムチの味噌汁
昼飯 「室町砂場」の天とじ蕎麦
晩飯 コールスロー、「にんにくのたまり漬」を添えたビーフステーキ、CHATEAU DUCRU BEAUCAILLOU 1982、チョコレート、Old Parr(生)

2020.12.13(日) のみメシ

これまで観た中でもっとも好きな映画は浦山桐郎の「キューポラのある街」と、この日記では公言をしている。その割に、鋳物職人の辰五郎が豆腐だけの湯豆腐を前に「鱈が入ると美味いんだがな」と呟く場面には記憶がない。実はきのう、スパゲティを口へ運びつつ「牡蠣が入っても美味そうだ」と考えた。もちろん辰五郎のことを思い出しながら、だ。

今朝、店の新しいコンピュータに脳味噌、つまり自作のマクロ群を入れている最中に宅急便が来た。届けられたいくつかの荷物の中には偶然、生牡蠣が含まれていた。「やった」である。

僕は「のみメシ」が結構、好きだ。「のみメシ」とは「テグタン鍋のみ」とか「羊肉と緑豆のピラフのみ」とか「かやくごはんに生玉子をかけ塩昆布を散らしたもののみ」というような「ひと椀のみ」のメシである。羊肉のピラフを盛んに食べている地域の人たちには申し訳ないけれど、そこにお酒が加われば言うことはない。

そういう次第にて夜は牡蠣フライのみを肴に白ワインを飲んだ。言うことのない晩飯である。


朝飯 油揚と蕪の葉の炒り煮、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、塩鰹のふりかけ、明太子、しその葉の梅酢漬けのお茶漬け
昼飯 「金谷ホテルベーカリー」のコロッケパン、ミルク焙じ茶
晩飯 牡蠣フライ、Petit Chablis Billaud Simon 2016、「雅洞」の「みかも山」、Old Parr(生)

2020.12.12(土) 八丁坂

道の駅「日光街道ニコニコ本陣」に、多いときは日に5回も検品や納品のため出入りした日々は完全に去った。広葉樹の葉はほぼすべて落ちて、枝ばかりが空に黒い線を描いている。いま日光や鬼怒川に遊びに来るのは「自分は世間とは異なって、師走は閑なんだよ」という人、あるいは紅葉騒ぎが収まるのを待っていた旅好き、つまり少数派である。

上澤梅太郎商店も、外から見る限りは静かだ。しかし地方発送の受注、発送伝票の作成、商品の製造と荷造りにかかわる部署のこなすべき仕事は、年間で最高の多さになっている。

「地方発送はクリスマスまで忙しい」と、社員には言い続けてきた。しかし先般の場長会議で配った、その状況を現す昨年同月のグラフは、それを証明していなかった。グラフは12月28日まで忙しいことを示していた。しかもそれは受注額であって、出荷数ではない。つまり商品の製造と出荷の高原状態は大晦日まで続く、ということだ。

今日と明日は、長男も荷造りに加わることになった。それをしないと、味噌が間に合わないのだ。これを受けて製造係のタカハシアキヒコ君は終日「日光味噌梅太郎白味噌」を容器に詰め続けた。

南アルプスの丹渓荘から八丁坂ノ上までの標高差は250メートル。そこから仙丈ヶ岳までは馬鹿尾根が続く。あの、高校3年生のときの登山はきつかった。それを現在のウチに当てはめてみれば、八丁坂の出口が針葉樹の葉と葉のあいだにようやく見えてきたあたりかも知れない。つまり頂上はいまだはるか先、ということである。


朝飯 茹でたブロッコリーと生のトマト、生玉子、油揚げと蕪の葉の炒り煮、納豆、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、トマトとピーマンの味噌汁
昼飯 油揚げと蕪の葉の炒り煮、明太子、ごぼうのたまり漬、塩鰹のふりかけのお茶漬け
晩飯 トマトとモッツァレラチーズのサラダ、スパゲティナポリタン、Petit Chablis Billaud Simon 2016、プリン、Old Parr(生)

2020.12.11(金) フクブクロ

寝室に隣接の洗面所から、口をゆすぐ音が聞こえてくる。「今日は隠居の仕込みがあるから早いのか」と考え「それにしても、いささか早すぎないか」と、その考えを改める。そしてようやく、そのうがいが起きたときのものではなく、寝る前のものであることに気づく。時刻は2時38分。目は冴えて眠気はいささかも感じない。よって起床することとする。

僕は、夜はできるだけ早く寝ようとする。それは、朝にできるだけ早く起きたいからだ。早く起きて何をするかといえば、大したことはしない。ただし製造現場に降りることは、しばしばする。今朝の持ち時間は充分で、気持ちは大いに良かった。

おばあちゃんに先立たれ、残されたおじいちゃんに肴を用意するのは嫁の仕事になった、というお宅のことを、ときどき思い出す。肴はちかくの魚屋に刺身を調えてもらうことが多いと、その嫁は語った。僕は肴は特に要らない。それを飛び越えていきなり料理を出されても平気な性分である。しかし今夜ばかりはちょっとしたもので飲み始めたい気分だった。

冷蔵庫には長男が「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」で調製した松前漬けがあった。それを取り出し小鉢に盛り、夕食の卓に着く。この松前漬けは更に磨きをかけて、新春お届けの福袋に詰め合わせる予定にしている。福袋は今からでもお申し込みになれます。どうぞよろしく、お願い申し上げます。


朝飯 納豆、めかぶ、「なめこのたまり炊」のフワトロ玉子、生のトマトと茹でたブロッコリー、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と小松菜の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 松前漬け、キムチ鍋、麦焼酎「むぎっちょ」(お湯割り)、林檎、Old Parr(生)

2020.12.10(木) 目が綺麗

「どうしてこんなものを買ったの」
「売っている人の目が、すごく綺麗だったんだよ」
という会話を子供のころ、オフクロと交わした記憶がある。目の綺麗さが証明してくれるのは、魚の新鮮さくらいのものだ。

「ビーフステーキが食べたい」という気持ちの中には、僕の場合「赤ワインが飲みたい」という欲求が半分ほどは含まれているような気がする。そして先日8日は町内の精肉店「鳥秀商店」で店主のナガオカさんと相談をしながらステーキ肉500グラムを買った。

区切りよく500グラムと注文をしたものの、家内とふたりでこの量はこなせない。端の方は包丁で落とし、後日のキムチ鍋に回すこととした。

その「後日」が実は今日だった。ところが閉店後に家内の携帯電話が鳴り、突然、釣りたてのメバルをお裾分けいだだくことになった。というわけで、キムチ鍋は明日に順延になった。

鍋に横たえられたメバルの目はどこまでも澄んでいた。そしてその全身は美味かった。日本酒は冷やで一合五勺ほどもこなした。明日の夜も楽しみだ。


朝飯 紅白なます、めかぶ、生玉子、納豆、茹でたブロッコリー、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬、メシ、けんちん汁
昼飯 「やぶ定」の白身魚の天とじ蕎麦
晩飯 筑前煮、じゃがいもと胡瓜のサラダ、メバルの煮付け、「喜久水酒造」の「能代比羅夫大吟醸」(冷や)、“Chez Akabane”のティラミス、Old Parr(生)

2020.12.9(水) 忙中有閑

それまで鈍く感じていた背中の痛みが我慢しきれないところまで強くなったのは、おととし2018年の暮れだった。以降は年末年始を挟んで2週間ほど、行きつけの複数の鍼灸院、外科の病院、総合病院を渡り歩いたが、症状は改善しなかった。外科の病院で打たれる注射の効果は半日しか保たず、処方された鎮痛剤はよく効いたけれど、それはそれで不気味さがつのった。

藁にもすがる思いで情報を得ようとしていたところ、ある人から宇都宮の整体院を紹介された。そしてこここそは、僕の人生史上、最高に効く「治し屋」だった。2019年の1月に初めて訪ねたときには週に2度の通院を勧められた。9,000ボルトの電子ペンは、それが患部に押し当てられると、額に脂汗が滲むほどの痛みを生じさせた。しかし鎮痛剤の常用から脱出するためと思えば、どうということもなかった。

回復するにつれて通院の間隔は週に1度、2週に1度、月に1度と開いていき、遂には2ヶ月に1度のところまできた。整体院の場所を移すため2ヶ月の休みに入ると知らされたのは、その、今年7月のことだった。このときまでに、通った日数は47日に達していた。

新しい場所での開院を今か今かと待ちながら、10月に入ったところで遂に痺れを切らせて先生の携帯電話を鳴らしてみた。整体院は何と「伊豆高原痛みの専門整体院」として、伊豆急行の城ヶ崎海岸駅ちかくに引っ越していた。乗り換え案内によれば、片道に4時間。それでは流石に通えない。

とはいえからだの小まめな手入れは必要だ。そういう次第にて、今は前述の「電子ペンの先生」に紹介されていた、宇都宮の別の整体院に通っている。そして今日はその3回目。待ち時間を利用してちかくの本屋に入り、その中にある喫茶店で本を読んだ。久々の、忙中有閑だった。


朝飯 大根の葉のぬか漬け、菠薐草のおひたし、トマトのスクランブルドエッグ、牛蒡と人参のきんぴら、紅白なます、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、けんちん汁
昼飯 ラーメン
晩飯 「食堂ニジコ」の酒肴あれこれ、6種の日本酒(冷や)

2020.12.8(火) コレについては鬼も嗤わない

新型コロナウイルスに対する恐怖の強弱は、人それぞれだ。ひどく怖がる人、人並みに注意をする人、ほとんど気にしない人、まったく気にしない人が、あらゆる階層に満遍なく存在している。

僕の周囲を見わたしても「公共交通機関は3月から一切、使っていない」という生物学者がいる。「3月から一度も外食はしていない」という商店主がいる。「東京には絶対に行くな」と社員に厳命している社長もいる。一方その東京の真ん真ん中で、仲間と気楽に会食を楽しむご隠居さんもいる。

今日は月に一度の場長会議の日だ。13時より各部署の責任者が4階の応接間に集まり、種々の話をする。その最後に、2021年の新年会はどうするかの相談をする。

「個室を借り切っての宴会なら問題はなかろう」という意見が先ずは出る。「それでも高齢の家族のことを思うと…」と心配する声が続く。「オレ自身が高齢者だ」と笑う、勤続40年ちかい者もいる。「肉でも配って各自が家で新年会をしたら」という案は僕が却下した。「それじゃ『会』じゃねぇじゃんか」である。

そして結局のところ、年明けの新年会は、しないことと決めた。そういえば「ワクチンの接種が日本中に広まるまでは我慢だ」という見解もあった。英国ではエリザベス女王もワクチンを打つという。日本のワクチン接種は、いつ、どのような形で始まるだろう。


朝飯 大根の葉のぬか漬け、納豆、菠薐草のおひたし、牛蒡と人参のきんぴら、刺身湯波、ごぼうのたまり漬、胡瓜のぬか漬け、メシ、けんちん汁
昼飯 ラーメン
晩飯 トマトと玉葱のサラダ、にんにくのたまり漬を添えたビーフステーキ、ANTINORI PEPPOLI CHIANTI CLASSICO 2018、シュークリーム、Old Parr(生)

2020.12.7(月) ふたつの難所

きのうノーマルタイヤをスタッドレスタイヤに替えたトヨタハイエースを、タシロジュンイチさんが届けてくれた。配達の道中、日光と鬼怒川に、それぞれひとつずつ難所がある。それにつきタシロさんと話す最中に「四駆じゃないし」とひとこと挟むと「これ、四駆ですよ」とタシロさんは怪訝な顔をした。

「ハイエース、タシロさんが四駆だって言うんだよ」と今朝、販売主任のハセガワタツヤ君に確かめる。「四駆です。買うときに社長が『四駆じゃなきゃダメだ』って…」と、これまた腑に落ちない口調でハセガワ君は答えた。「二駆と四駆の切り替えレバーがないじゃん」と食い下がると「今は大抵、フルタイムなんです」とのことだった。

かように僕は、物事を忘れやすい。もうひとつ、僕が興味を持つクルマは、自分が産まれるはるか以前、あるいは小学生からせいぜい中学生のときに造られたものばかり。今のクルマにはほとんど見向きもしないから、知識も追いついてこないのだ。

それはさておき雪でも降れば、「ふたつの難所」はスタッドレスタイヤを履いた四輪駆動車でも登れるかどうかの、屈曲した急勾配である。北国へ遊びに行くときには、そこに雪が降っていて欲しい。しかし自分の日常においては、雪は降って欲しくない。まことに勝手なものである。


朝飯 らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と2種の天ぷらとキムチの味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 「コスモス」のトマトとモッツァレラチーズのサラダ、牡蠣フライ、ドライマーティニ、TIO PEPE、家に帰ってからのエクレア、Old Parr(生)

2020.12.6(日) ナホライ

このところ、朝は暗いうちに蔵へ入る日々が続いている。師走の作業場といえばさぞかし寒かろうと思われるかも知れない。しかし今のところ、ユニクロのヒートテックとフリースの、長袖2枚で特に不足はない。本当の冬は、いつ来るのだろう。日光の山々に初雪は降ったものの、すぐに融けて、今はどこにも白いものは見えない。

おとといの夜からずっと、恵比須講のお供えとおなじもの、あるいは供えたそのものを食べてきた。今朝は具だけになったけんちん汁に、きのうの夜から引いていた鯛のだしを加えて味噌汁にした。これで「ナホライ」は完了である。

店の忙しさは、きのうとおなじくらい。「カレーひしおハンバーガー」は完売。「汁飯香の店 隠居うわさわ」には本日、複数のご予約をいただいていた。後から聞いたところによれば、それに加えてフリのお客様も、間断なくいらっしゃってくださったという。「隠居」は年末は26日(土)からの3日間で閉じ、新年は9日(土)の週末から営業を予定している。

なお今日は配達用のトヨタハイエースに、EBエンジニアリングのタシロジュンイチさんがスタッドレスタイヤを履かせてくれた。「年内に一度は降るんですよね-」とは、フクダナオブミ製造顧問が、いまだ蔵で最年少だった四半世紀ほども前に言ったことだ。さて、今年はどうなるだろう。


朝飯 茹でたブロッコリー、2種の天ぷら、煮奴、松前漬け、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、けんちん汁
昼飯 松前漬け、2種の天ぷら、ごぼうのたまり漬、塩鰹のふりかけ、じゃこのお茶漬け
晩飯 2種のパン、鶏と2種の茸のクリーム煮、Petit Chablis Billaud Simon 2016

2020.12.5(土) 「隠居」は今日から冬メニュ

12月の最初の週末はお盆に並んで、上澤梅太郎商店の、特に店舗においてはもっとも忙しくなる日だ。その繁忙は主に、年末の贈答の申込みによる。そこに今年は、さきおとといの日記に書いた「IMAICHIご馳走バーガー」が重なる。その「カレーひしおハンバーガー」の今日の分のご予約は、今朝までに予定数を超えた。「総員、心して各配置に着け」である。

昨年は、2003年に亡くなった同級生ハセガワヒデオ君の墓参りが、十七回忌に当たるその年を最後として、以降は公式としては持たれないと報された。僕は迷った末に出席を決めた。今年は、家内には「汁飯香の店 隠居うわさわ」があり、3名いる事務係のうちマスブチサヤカさんは育児休暇で休んでいる。ハセガワ君の墓参りについては、昨年だけでも行けて良かったと、つくづく思う。

「汁飯香の店 隠居うわさわ」には、直に訪れるお客様もいらっしゃる。一方、味噌と醤油とたまり漬を売る本店にいらっしゃり、案内を請われるお客様も、またいらっしゃる。11時すこし過ぎに、そのような3名様を隠居までお連れする。次の5名様には、長男が付き添った。

午後が夕刻に近づくに連れ「今朝がたファクシミリで注文を送ったが、届いているだろうか」というお客様からの電話が相次ぐ。ファクシミリによるご注文は、朝から専用の箱に重なるばかりだ。それにご返事をしようにも、電話注文へのご対応と、店から運ばれる発送伝票の処理に忙殺されて、諸方に手が回らないのだ。

ご贈答に関係する繁忙は毎年、クリスマスまで続く。しかしそこで楽になるわけではない。以降は福袋の詰め合わせと「日光の美味七選」の出荷、そして何より初売りの準備が山になる。ひと息をつけるのは、大晦日の夜になるだろう。


朝飯 菠薐草のおひたし、紅白なます、銀鱈の煮付け、らっきょうのたまり漬、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、けんちん汁
昼飯 ラーメン
晩飯 菠薐草の胡麻和え、2種の天ぷら、松前漬け、鯛の網焼き、らっきょうのたまり漬、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、塩鰹のふりかけと梅干しを添えた白粥、麦焼酎「むぎっちょ」(お湯割り)

2020.12.4(金) 恵比須講

床の間に軸を掛けるための、先端に二又の金具の付いた棒を何と呼ぶか、それを僕は知らない。とにかくそれを借りるべく、夕刻、暗い中を歩いて柴折り戸から隠居に入る。手探りならぬ足探りで庭石を踏んで歩くのは、うっかりして懐中電灯を持たなかったからだ。灯りの漏れる勝手口の扉を開けると、家内はいまだ、明日のための仕込み中だった。「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、明日は朝こそ空いているものの、昼は満卓なのだ。

閉店後に4階へ上がり、和室の床の間に恵比寿と大黒の軸を掛ける。事務室の神棚から持ち来た恵比須大黒の木像も飾る。隠居から戻った家内は、今度は台所で煮魚、紅白なます、菠薐草のおひたし、けんちん汁を整えはじめた。そして昼のあいだに届いていた供え餅や尾頭付きの鯛と共に、それらを床の間に運ぶ。そしていよいよ一対の蝋燭に灯明を上げ、家内安全と商売繁盛を祈念する。

稲畑汀子の「ホトトギス季寄せ」によれば「夷講」は秋10月の季語で、今日は旧暦の10月20日にあたる。ともあれこの、家に連綿と伝わるお祭を済ませれば、あとは年末に向けて一直線、である。今夕の祈りが天に通じてくれれば有り難い。


朝飯 蕨と筍の煮物、じゃこ、焼き鮭、塩鰹のふりかけ、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」のお茶漬け
昼飯 ラーメン
晩飯 菠薐草のおひたし、紅白なます、茄子の揚げびたし、銀鱈の煮付け、けんちん汁、麦焼酎「むぎっちょ」(お湯割り)、「紫野和久傳」の「西湖」、Old Parr(生)

2020.12.3(木) 冬ごもり

家メシも好きだが外メシも外飲みも好きだ。家メシの良さはメシの美味さと酒の美味さに加えて酒の安さがある。安さを言ってはオシマイだろうか。外メシの良さは気楽さにある。外飲みなら持参した本をカウンターで読める。

今夜は家の中に誰もいない。外メシ、外飲みの絶好の機会である。しかしてまた、僕は冬になると一向に、特に夜は出歩く気がしない。冷蔵庫の中の残りものなどをおかずにして家に籠もることとする。そしてテレビのスイッチを入れ、数日前に録画した「町中華で飲ろうぜ」を呼び出す。

その前半は、玉袋筋太郎による京都から大田区久が原までの案内。そして後半は若い女の人ふたりに案内役が替わった。そういえば「居酒屋放浪記」にも「女」版があった。そしてこれは僕だけのことかも知れないけれど、その「女」版は一向に面白くない。「居酒屋放浪記」は吉田類に限る。

今夜の「町中華で飲ろうぜ」は最後に差しかかったあたりでようやく、女子ふたりに玉袋筋太郎が合流した。よってリモートコントローラーの「戻る」ボタンにかけた親指は外してエンドロールに至る。


朝飯 納豆、牛蒡と人参のきんぴら、榎茸と菠薐草のおひたし、茹でたブロッコリーを添えたハムエッグ、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、豆腐と三つ葉の味噌汁
昼飯 「やぶ定」のカレー南蛮蕎麦
晩飯 ポテトサラダ、松前漬け、蕨と筍の煮物、缶詰の鰯のオーブン焼き、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、麦焼酎「むぎっちょ」(お湯割り)

2020.12.2(水) バーガーまつり

受話器を取ると、それはハンバーガーを予約したいというお電話だった。謹んで承って受話器を置く。次の電話もまた、ハンバーガーのご予約だった。

この日記を遡ってみれば、地元の青年会議所が「にこっぺパンproject・コッペパンで日光を笑顔に」という催しをしたのは、いまだ夏の名残のただよう9月なかばのことだった。今回の主催は「今市マチナカグルメ会」で、催しの名は「IMAICHIご馳走バーガー」、会期は今週の土曜日と日曜日の2日間だという。

こういうものに関しては、僕はすべて長男や嫁、社員に任せている。ハンバーガーには、参加するお店がそれぞれの工夫を凝らすものと思われる。そして上澤梅太郎商店のそれは、ウチのfacebookに上がった内容によれば「各種のスパイスと米麹・大豆麹・小麦麹・大麦麹をブレンドして熟成させた味噌【カレーひしお】を使ったバーガーを提供します」となっていた。

ご予約のメモ2枚は粗相のないよう、即、店に持っていって販売係に手渡した。壁には他のお客様からのご予約も、既にして並んでいた。

行楽の季節の過ぎ去った静かな街に、今回の催しが、すこしでも賑やかさを与えてくれれば幸いである。


朝飯 榎茸と菠薐草のおひたし、納豆、かき揚げ、刺身湯波、牛蒡と人参のきんぴら、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、けんちん汁
昼飯 たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、塩鰹のふりかけ、焼き鮭のお茶漬け
晩飯 茹でたブロッコリーと生のトマト、カレーライス、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、オールドイングランド(オンザロックス)、“LE COFFRET”の苺のパイ、Old Parr(生)

2020.12.1(火) 日光の美味七選

毎年12月1日は、僕が普段より「それにしても美味いよなぁ」と感じつつ食べたり飲んだりしている地元の優品を詰め合わせて12月30日に出荷、大晦日にお届けする「日光の美味七選」の発売日だ。限定40セット。販売開始のお知らせは、メールマガジンによる。

メールマガジンの配信開始は9時。その直前より、僕、長男、本日の受注係ツブクユキさんは、それぞれの配置に着く。

9時を1分ほど過ぎたところから、続々と注文が入ってくる。それを注視していた長男が「あれっ」と声を上げる。

「日光の美味七選」には年越し蕎麦として「三たてそば長畑庵」の蕎麦が含まれている。よってお届けは、栃木県日光市の上澤梅太郎商店からヤマトが翌日に配達できる範囲に限っている。しかしその範囲外からのご注文が、ひとつ入ってきたのだ。

取り急ぎ僕はそのお客様に電話をお入れし、事情をご説明して、購入を諦めていただく。ウェブショップの在庫設定は40。ひとつキャンセルが出たということは、その数字を41にする必要がある。しかし注文が入り続ける最中の変更は、とても危ない。操作中の空白の時間を衝いて、キャンセル分も含めれば41を超える注文の入ってしまう可能性があるからだ。

一方今度は、誤って別の商品を注文してしまったので、それを「日光の美味七選」に振り替えて欲しい旨の電話をいただく。しかし見る間に在庫数の減っていく限定商品に、それはできない。「日光の美味七選」は、改めてご自分で注文してくださるよう、お願いをする。

そうして年末年始の食卓を彩る限定40セットは、9時44分に売り切れた。12月30日には、心して荷造りをさせていただきます。


朝飯 里芋の田楽、菠薐草のおひたし、納豆、牛蒡と人参のきんぴら、温泉玉子、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、けんちん汁
昼飯 蕎麦
晩飯 松前漬け、TIO PEPE、トマトとルッコラのサラダ、スパゲティミートソース、Petit Chablis Billaud Simon 2016

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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

蔵見学