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清閑 PERSONAL DIARY

2016.9.3 (土) 禁忌

20160903e大人がもっともらしい顔つき、口ぶりで忌むこと、禁ずることを鼻で嗤い、それをわざと破ってみる癖が子供のころの僕にはあった。そのうちの、もっとも罪のなさそうなものを思い出してみれば、それはたとえば「鰻と梅干しを同時に食べてはいけない」というようなことだ。

あるとき鰻丼を食べ、そのあと台所の甕から梅干し一粒をつまみ出して食べたけれど、体には特段の不調は現れなかった。

先ほど「子供のころの僕にはあった」と書いた墨の跡も乾かないうちに何ではあるけれど、よくよく考えてみれば、その癖は還暦を過ぎた今も収まってはいない。

だしを引くために煮干しを使うときには、その頭とはらわたは取り除けと、一般には言われている。しかし毎朝の味噌汁のだしに煮干しを用いる僕は、その教えを守っていない。そして今朝は煮干しの袋の底に溜まった、頭だけでダシを引いてみた。できあがった味噌汁を飲んでみれば、普段と変わらず美味い。

「煮干しは頭とはらわたを取り除いて使え」とは、鰯の種類や製品の等級にもよるのではないか、というのが僕の推測である。

そういえば「西瓜の種を食べると盲腸になる」などと言う大人がむかしはいたけれど、その昔から今に至るまで、僕は西瓜は一貫して、種は噛み砕いて果肉と共に嚥み下し、どうということもない。

試していないのは「ドリアンと酒を同時に摂ると死ぬ」という、いつかチェンライからチェンマイまでホンダ車の助手席に乗せていってくれたオネーサンに教えられたことだ。日本の禁忌は破って平気な僕ではあるけれど、この「ドリアンと酒」については何やら薄気味が悪く、いまだ避けて通っている。


朝飯 糸瓜と鶏笹身肉の酢の物、獅子唐の炒め煮、茄子とピーマンの炒りつけ、鰯の梅煮、生のトマト、たまり漬「ホロホロふりかけ」、メシ、揚げ湯波と茗荷と万能葱の味噌汁
昼飯 冷やしラーメン
晩飯 トマトとキャベツとポテトサラダを添えたメンチカツ、芋焼酎「甕仙人」(お湯割り)

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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