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お買い物かご

清閑 PERSONAL DIARY

2023年10月の日記31本

2023.10.31(火) 10月のみそか

表には金の浮き文字で「大」、裏には磨いた木の枝を集めて「小」の文字とした壁掛けが、応接間の棚に飾ってある。僕が10歳までの茶の間にはおばあちゃんの仕事机があり、この壁掛けは、そのちかくに見えていたように思う。今は「大」の金文字ばかりを表にしているものの、おばあちゃんは大の月には「大」の、小の月には「小」のそれぞれ文字を、律儀に表側にしていた。月末の支払を明確に意識するためのものだったのかも知れない。

今日は10月の晦日である。晦日という言葉は、今では大晦日にしか使われないような気がする。しかしおばあちゃんは普段の月においても、その言葉を頻繁に口にした。「きちんと支払えば、きちんと入ってくる」というお金についての格言を、正しくは何と言ったか。とにかくおばあちゃんは、そのことを知っていたし、肝にも銘じていたに違いない。

さて2023年10月の晦日はとても忙しい1日だった。売上げのうち現金に限れば、おとといの日曜日のそれよりも多かった。販売のパートタイマーであるオバタタキコさんとサイトーミホコさんが16時に帰って以降は、僕がひとりで店に立った。やがて精算を求めるお客様が列を成す。そのうちのお一人は大量のご購入というときに至って遂に、事務係のカワタユキさんを呼びに行く。しかし彼女も取り込み中とのことにて、ふたたび店に戻る。

本日最後のお客様は、定時を過ぎてからのご来店だった。そのお客様と書籍売り場の前で立ち話をするうち、たちまち時間が経つ。3台のキャッシュレジスターを締め、売上げ金と伝票を照合し、更に明後日の釣銭を用意したところで時刻は18時50分。ようよう事務室を後にする。


朝飯 じゃがいもとピーマンの味噌和え、榎茸と菠薐草のおひたし、牛蒡と人参のきんぴら、納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、けんちん汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 「やまだ宴楽」の鯛の刺身、ポテトサラダ、鶏の梅肉和え、他あれこれ、芋焼酎「三岳」(お湯割り)、家に帰ってからのシュークリーム、Old Parr(生)

2023.10.30(月) 仕事着と「よそ行き」

仕事用のズボンは、ユニクロのスリムフィットチノの焦げ茶、深緑、チャコールグレーの3色を、週に1本ずつ穿きまわしている。小遣い帳を「ユニクロ」で検索してみれば、僕はこの3本を昨年の10月9日に買っていた。以来、1年以上を経ても、色落ち以外の傷みは見られない。

いわゆる「よそ行き」には、これまで”JAPAN BLUE JEANS”の、色違いの3本を使っていた。しかし今回のスリムフィットチノを手に入れて以降は「よそ行き」にも、これを穿くようになった。格好が良いのだ。仕事着のまま外へ出ても不自然でない、というところも気楽である。このような優れた品を1本2,990円で売られては、他の服屋はさぞかし辛いだろう。

ところできのうは町内の直会から戻ってから、この仕事用のズボン2本にアイロンをかけた。今朝はそのうちの1本を身につけた。そして食堂できのうの日記を書くうち、味噌となめこのたまり炊を隠居に運ぶよう家内に頼まれた。時刻は5時50分だった。

「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、おととい、きのう、今日の3日間とも満席。次の営業日である今週の土曜日も満席、日曜日は午前中が満席。月曜日はいまだ余裕があるものの、数日のうちには埋まってしまうかも知れない。


朝飯 ブロッコリーのソテー、マカロニサラダ、納豆、めかぶの酢の物、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とパパイヤの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 トマトとアボカドとレタスのサラダ、ブロッコリーのソテー、2種のパン、レバーペースト、チーズ、SMIRNOFF VODKA(生)

2023.10.29(日) ナホライ

「今市屋台まつり」は、多くのお祭と同様、コロナ騒ぎにより中断を余儀なくされ、今秋にようよう再開をされることとなった。これに向けての屋台庫周辺の草刈り、屋台の準備、お祭の本番等は、すべて日曜日に行われ、しかし僕の日曜日は平日の3倍ほどは忙しいから、せいぜい顔出しくらいしかできなかった。唯一、からだを動かしたのは、お祭の2日前に雨具を買い集めたくらいのところだ。

今日は14時から屋台の片づけがあった。しかしこれについては顔出しすらできなかった。そういう僕が、直会に出るのはいささか図々しい気もしたものの、多分、参加人数には含まれているだろう。家での夕食は摂らないことを、家内には数日前に伝えておいた。

直会は、屋台の片づけが終わるであろう16時からその準備を始めると、町内役員のグループlineで伝えられていた。しかし17時30分の閉店後もキャッシュレジスターを締めるほか、様々なすべきことがある。自宅へ戻り、仕事着に上着を重ね、帽子をかぶると時刻は19時を過ぎた。

町内の公民館は「宴たけなわ」をとうに過ぎる時刻であるにもかかわらず、良い具合に賑わっていた。そして改めての乾杯を交わす。

今回の直会は、予算の関係上、居酒屋などへは行かず、シバザキトシカズ大膳が街の焼鳥屋やスーパーマーケットで調達した食べものを肴とした。会計係としては今後の直会も「これで充分」という気がしている。


朝飯 ピーマンと缶詰の鮭のマヨネーズ和え、フライシュケーゼとブロッコリーのソテー、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 直会の肴あれや、これや、日本酒(燗)

2023.10.28(土) 佳境

既に目は覚ましていた。ふと気づくと強く雨の降る音がする。数日前の予報によれば、10日間ほどは晴天が続くはずではなかったか。あるいはきのうの午後の雷を境として、空の状態が変わったのかも知れない。時刻は2時32分だった。それから1時間ほどして起床する。

きのうの朝はiPhoneを経由してのインターネットへの接続ができなかった。そのため日記はWordPressではなく秀丸に書いて保存した。その秀丸を開いてみると、おとといの分だけでなく、きのうの分も、そのほとんどが完成していたから「ラッキー」と嬉しい気持ちになる。日記は義務ではなく趣味で書いている。それでも在庫の存在は有り難い。

道の駅「日光街道ニコニコ本陣」に納める、主にらっきょうのたまり漬は、今日から平時の倍を作るよう、きのうのうちに包装係に伝えておいた。紅葉狩りの人出がそろそろ佳境に達しようとしているからだ。その頂点は多分、11月の3日から5日にかけての連休になるだろう。

朝の雨は早くに上がった。昼からは晴れたものの、雷も一度か二度は鳴ったように思う。


朝飯 菠薐草のソテー、ピーマンと缶詰の鮭のマヨネーズ和え、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、夏太郎らっきょう、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と小松菜の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 チーズ、夏太郎らっきょう、表面にNoilly Prat Dryを浮かべたSMIRNOFF VODKA、スパゲティナポリタン、Chablis Billaud Simon 2018

2023.10.27(金) ふと思いついて

それが時間泥棒であることは重々承知をしていながら、目を覚ますと枕の下からiPhoneを取りだし、TikTokのアイコンに触れてしまう。今朝いちばんの画面は、中華人民共和国の重要閣僚が次々と姿を消しているという、きのう寝る前に観たニュースだった。よって「おすすめ」のアイコンに触れても画面は変わらない。ディスプレーを上にスクロールしても状況は同じ。仕方なく自分のアカウントに遷移すると、これまでの動画が歯抜けのように灰色で示されている。そこではじめて、インターネットへの接続が無いことに気づく。

TikTokが閲覧不能であれば、それだけ早く起きられる。そして食堂に出ていつものように、コンピュータをiPhone経由でインターネットに繋ごうとすると、今朝はそれもなぜかできなかった。事務室へ降りればwifiがある。とはいえ居心地の良い食堂を離れる気はしない。きのうの日記はこの日記がWordPressになる以前にそうしていたように、秀丸を使って書いた。引き続いて今日の日記も秀丸で書き始める。

その今日の日記のここまでを書いたところで時刻は5時35分。朝食の準備を始めるまでにはいまだ1時間弱の余裕がある。ふと思いついて席を立つ。1階へ降り、何ヶ所かの鍵を外して2階倉庫への階段を上がる。そして棚の段ボール箱に保管してある2007年7月の、ANAの機内誌「翼の王国」を1冊だけ取り出す。

それを小脇に階下へ降り、またまた鍵を外して店に入る。灯りを点けたら奥の、お客様が試食をされたりお茶をお飲みになったりする場所へ進む。そしてそこの大テーブルに「翼の王国」の、今は亡き長友啓典さんが書いてくださった「おいしい手土産・らっきょうのたまり漬」のページを開いて置く。


朝飯 ニラ玉、きのうの夜に残った中華風うま煮、納豆、鰯の梅煮、生のトマト、沢庵、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、夏太郎らっきょう、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と三つ葉の味噌汁
昼飯 うどん
晩飯 豚肉と水菜と椎茸の鍋、夏太郎らっきょう、「秋田銘醸」の「かおりらんまん純米大吟醸」(冷や)

2023.10.26(木) 第三世界の仲間入り

「誰それさんがfacebookでこんな発言をしていた」ということを、しばしば家内が教えてくれる。僕と家内のfacebookの「友だち」は、ほぼ重複をしている。しかし僕はその人の発言に気づいていない。それは多分、僕がfacebookをあまり見なくなったことに原因があるのではないか。僕のその傾向をfacebookはとうに見抜いていて、連動するアルゴリズムが僕にあれこれを知らせないに違いない。

facebookの代わりに何を観ているかといえば、それはTikTokだ。TikTokの国別利用者数を調べてみると、今夏の統計においてはアメリカ、インドネシア、ブラジル、メキシコと、アメリカを除いては第三世界の人が圧倒的に多い。つまりは僕もその仲間入り、ということである。

上澤梅太郎商店が運営する朝食の専門店「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、土日月の営業で、開店は8時30分。その時間に合わせてご来店になり、しかし予約をなさっていないため満席でお入りになれない、という方がしばしばいらっしゃる。そういう方のため、僕は毎週金曜日に、予約のお願いをfacebookの法人アカウントに上げている。

一方、隠居にお見えになるお客様の、もっともご覧になっているSNSはインスタグラムだ。ということは、予約のお願いはfacebookよりインスタグラムに上げるべきだ。上澤梅太郎商店もそのアカウントは持っている。しかしそこへの入り方は、長男と一部の社員しか知らない。長男からはできるだけ早く、パスワードを教えてもらうことにしよう。


朝飯 牛蒡と人参のきんぴら、榎茸と菠薐草のおひたし、鰯の梅煮、納豆、沢庵、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、夏太郎らっきょう、ごぼうのたまり漬、メシ、舞茸の天ぷらと菠薐草の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 ジーマミー豆腐、夏太郎らっきょう、豆腐と椎茸の中華風うま煮、牛肉とパパイヤの中華風炒め、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)

2023.10.25(水) それにしても忙しい

夏のあいだは数日で瑞々しさを失っていた仏壇の花が、このところは、それをいつ買ったか思い出せないほど長く保つようになってきた。つまりそれだけ寒くなった、ということだ。

朝のテレビのニュースが、紅葉の様子を奥日光の湯滝から中継している。紅葉の名所として使われることが多いのは竜頭の滝だ。それより標高にして数百メートルほど高い湯滝から、ということは、錦秋の帯はいまだ、そのあたりに留まっているのだろう。

上澤梅太郎商店から竜頭の滝までは、普段ならクルマで35分。そこから湯滝までは10分。紅葉を自分の目で確かめることは、できないでもない。しかしまぁ、複数の人がSNSに載せてくれる画像を見た方が話は早い。いずれにしても文化の日の絡む連休には、普段は35分や45分でこなせる行程に7時間ほどはかかるのではないか。

夕刻に至ってごく弱い雨が降ってくる。それにしても忙しい。僕が書記と酒の取り寄せ係を務める日本酒に特化した飲み会「本酒会」の、本日は月例日に当たる。終業後、3台のキャッシュレジスターを締め、3台のキャッシュレジスターに明日の釣銭を入れる。今日の売上げの現金と伝票の差額を確かめ、3台のキャッシュレジスターのための、明後日の釣銭を作る。それからおもむろにコンピュータに向かい、今夜のための日本酒5本を選ぶ。その一覧表を参加人数に合わせて印刷する。更に冷蔵庫に入ってそれら5本を10数本の在庫から抜き出し、トートバッグに収める。そのトートバッグを肩に掛けて、今夜の会場へと向かう。


朝飯 スクランブルドエッグ、牛蒡と人参のきんぴら、納豆、榎茸と菠薐草のおひたし、沢庵、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、ズッキーニの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 「魚登久」の松花堂弁当、ゆかりごはん、漬物、吸い物、5種の日本酒(冷や)

2023.10.24(火) ローカル列車の旅

2018年秋、両目に白内障の手術を受けた。以降は半年から年に1度の頻度で診察を受けている。今日の予約は随分と早くにした。人気の病院は混んでいるのだ。

電車で移動をするときにはかならず本を持つ。しかし今日の往路はほとんど寝ているのではないか。復路に要する時間も大したものでなければ、活字は新聞のみで足りるだろう。そう考えて自転車のカゴには今日の日本経済新聞のみを入れて日光街道を下る。

下今市07:02発の上り特急の始発に乗り、春日部を経由して七里には8時29分に着いた。オーミヤナナサト眼科の予約は9時。しかし受付を済ませると、すぐに診察室に入るよう係のオネーサンは指示してくれた。機械を使った検査は、今日は3種。視力は数メートルを離れたところで両眼とも1.0、数十センチの近くでのそれは両眼とも0.9。僕としては1.5くらいの成績を期待したいところだが、先生とのやり取りにおいては、この値で充分なのだという。

七里駅のプラットフォームで東武鉄道のアプリケ-ションを開き、春日部からの下り特急を調べてみると、直近のそれも、また次のそれも満席だった。浅草と日光、鬼怒川を結んでいた快速は、2017年4月のダイヤ改正以降、姿を消している。そういう次第にて七里からは、以下の経路にて下今市まで戻る。

09:51 七里発(東武アーバンクライン)
10:04 春日部着
10:18 春日部発(東武スカイツリーライン急行)
10:34 南栗橋着
10:46 南栗橋発(東武日光線各駅停車)
11:25 新栃木着
11:31 新栃木発(東武日光線各駅停車)
12:25 下今市着

春日部から下今市までは、特急を使えば1時間8分の行程だが、今日は実に2時間7分も使ってしまった。焚き付けにしか使えないほど皺だらけになった新聞を手に駐輪場へ向かう。

会社に戻ると、事務机の上には新しい書類が何枚も積み重なっていた。それらは一旦、脇に置いて、すぐにしなければならない仕事に取りかかる。


朝飯 牛蒡と人参のきんぴら、納豆、榎茸と菠薐草のおひたし、沢庵、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と菠薐草の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 「大昌園」のあれや、これや、それや、他あれこれ、麦焼酎「田苑シルバー」(オンザロックス)

2023.10.23(月) 紅葉狩り

目を覚ましても、部屋の温度が低いため、すぐに起きる気がしない。「今からそんなことで、冬になったらどうする」と問われれば、その頃は部屋に暖房を施しているから、却って楽だ。

起きて食堂に出て真っ先にすることは、仏壇への、花と水とお茶のお供えだ。次は既にして書けているおとといの日記を公開し、きのうの日記に取りかかる。しかし今日は日記の前に、1,000円札の釣銭を作る必要がある。更にその前に、アカギレの切れそうな指にバンドエイドのキズパワーパッドを巻く必要がある。右手の親指と人差し指と中指にアカギレが切れるのは主に、指先を湿らせ、1,000円札の新券と並券を交互に重ねて釣銭を作る、その行いにあるのではないかと感じている。

更に今朝は、左手の親指と人差し指と中指ににもキズパワーパッドを巻く。すこし前の日記にも書いたことだが、キズパワーパッドは剥がれにくくするため、1本の指に3枚を巻く。複数の指にそれを施そうとすれば、30分ほどは容易に過ぎる。きのうの日記は幸い、すぐに書けた。

現在の日光は、紅葉狩りの行楽のまっただ中にある。朝の天気予報は、これから10日間ほどの好天を伝えている。多いに有り難い。


朝飯 菠薐草の油炒め、揚げ湯波の淡味炊き、納豆、きのうの夜に残したゆで玉子、沢庵、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と韮の味噌汁
昼飯 「カルフールキッチン」のサンドイッチ、牛乳
晩飯 刺身湯波、菠薐草と海苔のおひたし、薩摩芋の蜜煮、鰤の照り焼き、豆腐と松茸の吸い物、松茸ごはん、夏太郎らっきょう、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)、「久埜」の豆大福、Old Parr(生)

2023.10.22(日) “continuous”

今月14日に日本テレビの番組で紹介された「ホロホロふりかけ」は、それから1週間を経て、いまだ売れ続けている。1パック100グラム入りの商品が、100キログラムの単位で売れていく。製造係のイトーカズナリ君は包装係のヤマダカオリさんに促されて、本日、そのための大根を新たに刻んだ。

お客様にお買い上げいただけるのは有り難いものの、ひとつの商品ばかりに注力しているわけにもいかない。冷蔵ショーケースに「ホロホロふりかけ」を置く面積は、店も道の駅も、週明けからは徐々に通常のそれに戻していくことを決める。

店の繁忙は昼前に一時、収まったものの、12時30分からふたたび混み始め、1時間ほどはキャッシュレジスターの前を離れられなくなる。いわゆる”continuous”の状態である。お客様が商品をのせてレジまでお持ちくださる丸盆はレジの脇に積み上がり、それを店の入口に戻すことさえできない。商品の補充に至っては、なおのこと、である。

13時30分からの昼食の時間は後ろに倒した。昼食の後は食卓で、自転車操業のようにして1,000札の釣銭を作る。明日も混むようであれば、お釣りのための1,000円札は、日中に枯渇をするだろう。

終業後はようよう落ち着いて、ウイスキーのお湯割りを飲む。


朝飯 獅子唐の天ぷら、納豆、生玉子、沢庵、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と菠薐草の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 チーズ、夏太郎らっきょう、トマトと水菜とレタスのサラダ、ゆで玉子、カレーライス、らっきょうのたまり漬、Old Parr(お湯割り)

2023.10.21(土) 予約の確認

「汁飯香の店 隠居うわさわ」への、前日の終業以降にインターネット経由でいただいたご予約は、翌早朝に確認をする。今朝は残念ながら、ひとつのご予約も入っていなかった。いずれにしても、今日の隠居はほぼ満席、明日は開店直後からラストオーダーまで満席をいただいている。時刻は5時26分。日記はきのうの分まで書けている。

出勤する社員のために事務室のシャッターを開ける、朝礼をする、道の駅「日光街道ニコニコ本陣」へ出かけて売り場の掃除と納品をする、帰社して開店したばかりの店の植物に水を遣るなどの朝の仕事をひととおり済ませて事務机に着く。

そうして何気なくメーラーを回すと、ぐるなび経由で隠居に予約が入っている。来店日は今日、来店時間は9時45分。現在時刻は9時40分。ギョッとして即、隠居の厨房に電話を入れる。早朝以降にインターネットを介していただいたご予約には目が届きづらい。幸い、席には空きがあって助かった。

午後、東北東の空の雲が、南からの日の光を受けて真っ白に輝いている。それを店の駐車場から撮ろうとするも、信号機が邪魔をして切り取れない。屋上へ上がればちかくに高いものは無くなる。しかしそれをしているひまはない。スマートフォンをポケットに戻し、今朝から何度目かになる、道の駅への商品の補充に向かう。


朝飯 揚げ湯波の泡味炊き、「なめこのたまり炊」のなめこおろし、切り昆布の炒り煮、納豆、沢庵、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトとズッキーニの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 大根の味噌汁、春雨サラダ、焼き餃子、「紅星」の「二頭鍋酒」(生)

2023.10.20(金) ロディアの10番

今月2日に「ジョッター」という表題の日記を書いた。その後、ウェブ上でこれを選別にかかったが、僕の好みに合うものには遂に出会えなかった。しかしその最中に、ロディアのメモ帳を固定するための革製のホルダーを見つけた。そしてしばらく考えてから、そのうちのもっとも小さなものを注文した。同時にメモ帳12冊も注文した。

おととい北千住のミスターミニットで、このホルダーの角に小さな穴を開けてもらった。ボールペンは、おなじルミネにある無印良品で買った。

今朝、このホルダーの穴に、いつごろから事務机の引き出しに入っていたものか、長めのストラップを取り付けた。そしてロディアの10番とボールペンを差し込んでみた。世の中にひとつだけのジェッターの誕生である。

首に掛けてみると、ストラップが細いことも手伝って、いささか重く感じる。その重さを我慢しながら終業まで掛けてみた。本日、このジェッターに記した文字は皆無。気長に付き合って行くことにしよう。


朝飯 切り昆布の炒り煮、ウインナーソーセージとパプリカのソテー、目玉焼き、揚げ湯波の淡味炊き、沢庵、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、小松菜と若布と椎茸の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 野菜スープ、あれこれのピクルス、パン其の一、パン其の二、パン其の三、ウインナーソーセージとフライシュケーゼとズッキーニとマッシュルームのソテー、チーズ、Chablis Billaud Simon 2018

2023.10.19(木) 伊豆治療紀行(20回目の2日目)

旅先で使うための枕は持っている。枕の大切さを「伊豆高原痛みの専門整体院」のワタナベ先生に繰り返し聞かされているからだ。しかし僕は荷物を嫌う。先月は高を括ってこれを持参しなかった。そうしたところ、1日目は「いいねー」と僕の状態を褒めた先生が、2日目はひと言も発しなかった。そしていざ5,000ボルトの電子ペンを膝に突き立てられれば、前日の安楽さとはとんでもない違いにて、その痛さに非常な我慢を強いられた。

「あの痛みはもうゴメンだ」と、今回は忘れず枕をIKEAのトートバッグに入れた。今日の先生は僕の膝に電子ペンを押し当てながら「やっぱり枕だね」と笑った。

僕のような素人にさえ、枕はこれほど影響する。まして浅田真央や大谷翔平においておや、ということである。次に伊豆に来るときにも、枕は必ず持とう。

家内とは東京駅で別れた。新橋の大衆床屋の散髪料は2,800円。そこから銀座に出て3丁目で食料品2点を1,796円で、おなじ3丁目で器2点を13,750円で、6丁目で短い葉巻10本を3,200円で買う。おなじ6丁目で昼食代わりのシャーベットを536円で食べる。

家内とは新橋で落ち合った。夕刻の風は、半袖1枚の上半身にはすこし涼しかった。


朝飯 「ガスト伊豆高原店」の目玉焼き&ベーコンソーセージ、トースト、ドリンクバーのコーヒー、同スープ
晩飯 「新橋鶴八」のあれや、これや、それや、他あれこれ、「齋彌酒造」の「雪の茅舎大吟醸」(冷や)

2023.10.18(水) 伊豆治療紀行(20回目の1日目)

現在のレーシングシューズは2006年に購入し、日程が調整できなかった2017年と2018年、コロナ騒ぎのあった2020年を除いて年に一度ずつ、つまり計14回、ツインリンクもてぎで使ってきた。同サーキット西コースの1周は1,490.361メートル。数時間の持ち時間で走れるのは数十周。その走行距離は100kmを超える。とすれば14回の出場で千数百キロは走っている計算になる。

昨年12月、この年に一度の「阪納誠一メモリアル走行会」を走り終え、パドックを歩いているとき右足に違和感を感じた。足元に目を落とすとレーシングシューズの、右の爪先がパックリと口を開いていた。

ツインリンクもてぎの西コースでブレーキを踏む機会は、第1コーナーとシケインの入口の2回のみ。しかし1926年製のレーシングカーは勿論、ブレーキにサーボは持たないから、制動には渾身の力を要する。右の爪先は、その酷使に根を上げたのだろう。

この壊れた靴を今日はようよう、北千住のミスターミニットに修理に出した。レーシングシューズと同じ年に買ったベルトの細い方に二つの穴を開ける、また今月はじめにamazonで買った、ロディアの10番に対応するメモパッドの端に穴を開けることも同時に頼んだ。

北千住からは常磐線を使って東京駅に至り、12時27分発の下りこだまに乗って、伊豆高原には14時37分に着いた。赤沢温泉のホテルに入っても、いまだ風呂は浴びない。

16時、伊豆高原の駅前にレンタカーを駐める。16時07分着の伊豆急行を使った家内は間もなく姿を現した。そうしてひと月ぶりに「伊豆高原痛みの専門整体院」へと向かう。


朝飯 めかぶの酢の物、牛肉と舞茸のすき焼き風、揚げ湯波と小松菜の淡味炊き、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と三つ葉の味噌汁
昼飯 「笹八」の爆弾おむすび
晩飯 「和居」のあれや、これや、それや、他あれこれ、麦焼酎「二階堂」(お湯割り)

2023.10.17(火) 資料としての日記

僕にとってもっとも興味深い旅の日記とは、資料として使えるものだ。「羽田から深夜便に乗り、ウドンタニーには翌日の午前に着いた」という日記は、少なくとも僕にはいただけない。途中経過を欠いているからだ。バンコクでウドンタニーへの乗り継ぎに失敗した人の日記は有り難かった。

国外からバンコクのスワンナプーム空港に着き、そこで国内線に乗り換えるとき、行き先がチェンマイ、チェンライ、プーケット、クラビ、サムイ、ハジャイであれば、専用の小さな入国審査場が使える。機内預けの荷物も最終の目的地まで運ばれる。しかしそれ以外のところへ飛ぶには一般の大きな審査場を通る必要があり、機内預けの荷物も一旦、回転台から拾い上げて、次の便の係員に托さなくてはならない。前述の人はこれらに時間をとられてウドンタニー行きの飛行機を逃したのだ。

準備と移動は旅の面白さのかなりの部分を占める。しかしその資料として使えるウェブログは少ない。それもあって僕は、旅行中の日記は移動に大きな文字数を割く。もちろん好きで書いているわけだが、人の役に立ちたい気持ちもそこには存在している。

一度してみたいのは、ウドンタニーからチェンライへの夜行バスでの移動だ。欲しい日程は15日間。いつ実現するかは分からない。


朝飯 なめこのたまり炊、揚げ湯波と小松菜の淡味炊き、納豆、切り昆布の炒り煮、たまり漬七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、オクラの天ぷらと若布の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 「食堂ニジコ」のお通しのザーサイ、ピリ辛メンマ、胡瓜の辛子和え、あんかけ焼きそば、麦焼酎「二階堂」(お湯割り)

2023.10.16(月) 旧市街に3軒

日本橋から日光に至る日光街道の、最初の宿場は千住、最後の宿場は鉢石。上澤梅太郎商店のある今市は、そのひとつ手前の宿場町である。今市宿のもっとも日光側に位置するのは瀧尾神社、もっとも日本橋側にあるのは追分地蔵尊。互いの距離は850メートル。どれくらいの年代までに限られるかは知らないけれど、鉄道の上り下りとは異なって、住民は日光側へ行くことを「あがる」、日本橋側へ行くことを「さがる」と言う。

この、日光街道に沿った850メートルに現存する飲食店を、瀧尾神社から追分地蔵尊へ向かって下がりつつ検証をしてみれば、右側には皆無、そして左側には道の駅「日光街道ニコニコ本陣」など、夜に閉まるところを除けば上から中華の「食堂ニジコ」、洋食の「コスモス」、そして「並木蕎麦」の3軒のみ。繰り返せば850メートルの国道沿いに、夜まで営業する飲食店はたったの3軒である。その理由は一体全体、どのあたりにあるだろう。

もっともこれら3軒は、そのいずれで食べても美味い。そして今夜はそのうちの「食堂ニジコ」へ赴いて飲酒喫飯を成す。


朝飯 牛蒡と人参のきんぴら、揚げ湯波と小松菜の泡味炊き、納豆、切り昆布の炒り煮、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と若布の味噌汁
昼飯 鮭明太、塩鰹のふりかけ、なめこのたまり炊によるお茶漬け
晩飯 「食堂ニジコ」のお通しの韓国海苔、ピータン、胡瓜の辛子和え、ネギチャーシュー、エビ春雨炒め、麦焼酎「二階堂」(お湯割り)

2023.10.15(日) 夜だけ顔出し

普段より早い2時台に起き、毎日、終業後は食堂に持ち帰るコンピュータを開く。インターネットに接続をすると、きのうのテレビの放映中から今しがたまでにいただいた、主に「ホロホロふりかけ」のご注文が瀧のように降りてくる。一体全体、受注係はどのようにしてこの数を処理するのだろう。

テレビには「ホロホロふりかけ」と共に「汁飯香の店 隠居うわさわ」も紹介をされたから、そちらにいただいたご予約への対応に取りかかる。普段、早朝にこの仕事をする際には、それをメモにして家内に手渡す。しかし今朝は、ご予約の数がいつもの数倍に及んでいる。転記ミスなどあってはいけないため、コンピュータを手に事務室へ降りる。そして1件ずつ印刷をし、それを元に逐一、壁の予約表に書き込む。別途、ご予約は確かに承った旨のメールをそれぞれのお客様にお送りする。

朝から雨が降っている。おととい手当てした雨具80着は、足りてくれるだろうか。

終業後、ウェブショップへのご注文を発送伝票に起こし続けるツブクユキさんを事務室に残して外へ出る。自転車で桜木町の通りを下っていくと、笛と太鼓と鉦の音が近づいてきた。屋台祭はその頂点を迎えたらしい。見知った顔にあわただしく挨拶をして、ふたたび会社へと戻る。


朝飯 揚げ湯波と小松菜の淡味炊き、鮭とシメジの味噌焼き、牛蒡と人参のきんぴら、切り昆布の炒り煮、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、レタスの味噌汁
昼飯 カレーライス、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」
晩飯 揚げ湯波と小松菜の淡味炊き、めかぶの酢の物、夏太郎らっきょう、カツ煮、麦焼酎「こいむぎやわらか」(生)、パウンドケーキ

2023.10.14(土) テレビを観る

「今日の仕事はすべて完了した」と、かねてより会うことを約束していた人から連絡があった。四谷にいた僕はすぐ駅の改札口を抜け、中央線のプラットフォームに立つ。そしてスマートフォンの乗り換え案内で経路を調べようとするも、その人の指定してきた場所がどうしても思い出せない。そこに電車がすべり込んでくる。乗るべきか、しかし乗れば逆の方向へ行ってしまう可能性が半分はある。「さぁ、どうする」と焦燥している。

そういう夢を見ながら目を覚ます。一体全体、この夢の持つ意味は何だろう。

明日はオヤジの弟の3回忌にて、従兄弟の家族が墓参りに来る。それに備えて、午前のうちに如来寺へ行く。そしてそのお墓を軽く掃除し、湯飲み、花立て、線香台を洗う。明日は雨の予報により、湯飲みと花立ては伏せて置いた。

終業後、キャッシュレジスターの数字と現金の残高に著しく差があったりすると、仕事場から離れる時間が遅くなる。幸い、今日はそのようなことはなかった。そして6時25分に食堂へ上がり、今月10日の日記に書いたテレビ番組「満点☆青空レストラン」を観る。


朝飯 牛丼、生玉子、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、若布とレタスの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 夏太郎らっきょう、ごぼうのたまり漬、ウォッカマーティニ、2種のパン、オイルサーディン、ポトフ、Chablis Billaud Simon 2018

2023.10.13(金) 雨具を80着

スマートフォンは各種の着信音がうるさい。よって電話を除いては音が出ないように設定をしている。今朝はLINEのアイコンに数字が示されていたため、開くと町内役員のグループラインに「15日の屋台まつりの日の天候が怪しい。よって会計係は雨具80着を揃えて欲しい」との、ウカジシンイチ自治会長による書き込みがあった。

9時を過ぎたところでシバタ荒物店に電話を入れる。折りたたんで袋に収めてあるポケットコートの在庫は34とのことで、そのすべてを配達するよう頼む。そしてそのことを町内のグループラインに上げ、ホームセンターなどについでのある人は立て替え払いでそれを買うよう頼む。

返事をくれたのはツカハラノリコ婦人会長。「コンビニエンスストアは」という彼女の示唆に従って、道の駅「日光街道ニコニコ本陣」に隣接のセブンイレブンへ行く。形は異なるものの、こちらには6着の在庫があった。更にお店の人に「ダイソーはどうか」と教えてもらい、大谷川に架かった大谷橋をホンダフィットで渡る。正面の茶臼山は青々として、紅葉はいまだ窺えない。

100円ショップのダイソーで12着を確保。ツカハラノリコさんからは、ホームセンターの「カンセキ」で12着を確保、また「若草」という僕の知らない店に10着があるとの情報を得て、それも抑えるよう頼む。

そこにホームセンターのカインズには在庫が豊富との情報が、東の地区委員長イケダツトムさんから入る。僕は5分だけ待つよう頼み、これまで手当のできた数を計算する。そしてイケダさんには6着のみ買ってくれれば予定数は満たされる旨を連絡する。

上記を箇条書きにすれば以下。この購買活動には、およそ3時間を要した。

上澤卓哉
シバタ荒物店×34
セブンイレブン×6
ダイソー×12
ツカハラノリコさん
カンセキ×12
若草×10
イケダツトムさん
カインズ×6

ちなみに自治会長から求められた80着の内訳は、町内の役員と有志の分が30着、ベトナム人の助っ人用が50着。町内は国の縮図。助っ人の存在は、多いに心強い。


朝飯 赤と緑のピーマンのソテー、目玉焼き、牛蒡と人参のきんぴら、たまり漬「ホロホロふりかけ」を薬味にした納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と大根の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 切り昆布の炒り煮、揚げ湯波と小松菜の泡味炊き、牛肉と舞茸のすき焼き風、鮭とシメジのホイル焼き、夏太郎らっきょう、「片山酒造」の「清酒日光路」(燗)

2023.10.12(木) 首が折れる

日に一度や二度は、携帯電話を探している。先日の終業後は事務室にも店にもそれは見あたらず、事務室の電話機でその番号を押し、製造現場へ向かった。するとかすかに呼び出し音が聞こえる。冷蔵庫の扉を開けると、音は却って遠のいた。よってその扉を閉め、更に歩いて行くと、携帯電話は何と、フォークリフトの座席の脇で音を発していた。

その日は店と製造現場のあいだの広いところに仮置きした巨大な鉢を、店までフォークリフトで運んだ。その際、尻のポケットに入れた携帯電話が壊れないよう、それを座席の脇に置いて、そのまま忘れてしまったのだ。

きのうはやはり携帯電話が見あたらず、外へ出てホンダフィットのドアを開け、コンソールボックスを探ったものの見つからない。よって事務室へ戻って電話機でその番号を呼び出し、ふたたびホンダフィットに戻ると、コンソールボックスではなく、ダッシュボード右端の、ペットボトルなどを立てる窪みでそれは鳴っていた。

今日も午前から携帯電話が見あたらず、きのうのことを思い出してホンダフィットのダッシュボードを調べても見あたらない。その僕の姿に気づいたか、販売係のカワカミナオさんが「店にありました」と、それを事務室まで持ってきてくれた。

「首から提げておくべき」と家内は言うものの、僕が見失うものは携帯電話に限らない。すべてを提げたら、それらの重さにより首は折れてしまうだろう。


朝飯 茹でたブロッコリー、榎茸の玉子とじ、牛蒡と人参のきんぴら、納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と小松菜の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 夏太郎らっきょう、春雨サラダ、ジーマミー豆腐の冷や奴、蒸し焼売、「紅星」の「二鍋頭酒」(生)、「湯沢屋」の栗きんとん、Old Parr(生)

2023.10.11(水) トコナツノクニ

かかとはこの秋より、アカギレが切れそうな感じを覚えたところで、その部分に「キズパワーパッド大きめサイズ」を貼るようにしている。きのうの夕刻は、右手の親指にアカギレの切れる予兆があったため、メンソレータムを塗り、手袋をして寝た。

今朝は、きのうの日記を書き終えたところで遂に、右手の親指にアカギレが切れた。放置をすればますますキズが広がるばかりが、触ったものに血がつく。それでは仕事にならないから、軟膏ハクシンを楊枝の先にとり、これを患部に埋め込み、計3枚の「キズパワーパッド水仕事用」で覆った。1枚では、すぐに剥がれてしまうのだ。

キズパワーパッドの使用説明書には、皮膚へのなじみを良くするため、貼る前には「両手で1分間温めてください」、貼った後は「上から手のひらで約1分間おさえて温めてください」とある。3枚なら、この温める時間だけで6分がかかる。1枚目は指の形に合わせて両端を切る。台紙から剥がして患部に貼って、という時間も入れれば指1本に10分以上がかかる。最盛期には、片手の指のうち3本がアカギレということもある。アカギレは、早ければ9月から、遅ければ5月まで切れる。だから僕は、少なくとも秋から春にかけては常夏の国で過ごしたいのだ。


朝飯 生玉子、牛蒡と人参のきんぴら、菠薐草と榎茸のおひたし、胡瓜の酢の物、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、きのこの炊き込みごはん、豆腐と三つ葉の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 鮨その一、鮨その二、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、「片山酒造」の「清酒日光路」(燗)、“Chez Akabane”の栗のロールケーキ、Old Parr(生)

2023.10.10(火) 「ホロホロふりかけ」ふたたび

毎週土曜日の夕方6時30分から日本テレビで放映される「満点☆青空レストラン」の、10月14日の特集は、宇都宮大学農学部が開発したお米「ゆうだい21」。その番組の中で上澤梅太郎商店のたまり漬「ホロホロふりかけ」が紹介をされる。「汁飯香の店 隠居うわさわ」の土鍋炊きのごはんが「ゆうだい21」であるところから、取材の対象として選ばれたものと思う。

リハーサルと本番は2日に分けて、9月の下旬に行われた。番組では、制作会社からの依頼により「ホロホロふりかけ」を具にしたチャーハンを、家内が作っている。

この放映に合わせてウェブ上でも何かできるのではないか、ということになり、今月6日には、このチャーハンを家でも作り、そこに僕は英語で解説を入れた。ところがその後、更に話が進み、放映が国内に限られるなら、解説も日本語でした方がよろしかろう、という意見が出た。

そういう次第にて、今日は昼にまたまた「ホロホロふりかけのチャーハン」を家内に作ってもらい、解説は別途、音声のみを録音した。

この動画は先ず、TikTokに載せる。そこには他の方面からも、リンクが張られるのではないか。とにかく今週末には、いろいろなことが起きるに違いない。生産体制は「大丈夫」との報告を、いまのところは受けている。


朝飯 牛蒡と人参のきんぴら、菠薐草と榎茸のおひたし、納豆、梨と胡瓜の酢の物、蕪戸胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、獅子唐の天ぷらと若布の味噌汁
昼飯 たまり漬「ホロホロふりかけ」のチャーハン
晩飯 蕪と胡瓜のぬか漬け、夏太郎らっきょう、天ぷら其の一、天ぷら其の二、天ぷら其の三、「片山酒造」の「清酒日光路」(燗)、あんみつ、Old Parr(生)

2023.10.9(月) 気がついていない可能性

山下清の「ヨーロッパぶらりぶらり」は買っても「日本ぶらりぶらり」には手を伸ばさなかった。それは僕が、国内より海外への旅を好むからだ。旅は不便な方が面白い。日本語が通じないということは不便の第一歩で、日本語が通じては、旅をした気にならない。

そういう自分の好みからすれば、アメリカ人や英国人の海外旅行は、ほぼ世界中で自国語が通じてしまう点で、面白さがひとつ減っているのではないか。しかし彼らには、自国語が世界中のほとんどのところで通じることは自明のことだろうから、旅の最大の楽しさが最初から与えられていない、ということには気がついていないのかも知れない。

前述のように「日本ぶらりぶらり」には、最初は興味を覚えなかった。しかし「ヨーロッパぶらりぶらり」があまりに面白かったところから、きのうの早朝にそれを読み終えたところで「日本ぶらりぶらり」も注文をした。それが早くも今日、配達されたため、封筒の封を切り、中味を取り出し、いそいそと4階の本棚に運んだ。

届いたものはもうひとつあって、それはかかとのアカギレに貼るための「キズパワーパッド大きめサイズ(12枚入)」が20箱だ。これだけあれば、来初夏までは保つだろう。手指のための「キズパワーパッド水仕事用(10枚入)は、今春の残りがいまだ17箱ある。こちらは年末まで保つかどうか、だと思う。


朝飯 オクラの天ぷら、たまり漬「ホロホロふりかけ」を薬味にした納豆、きのうのキムチ鍋の残り、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と小松菜の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 鮒鮨の飯、胡瓜とレタスと人参のサラダ、らっきょうのたまり漬「浅太郎」、カレーライス、”Old Parr”(お湯割り)、チョコレート、”Old Parr”(生)

2023.10.8(日) 星と月

「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、きのうも今日も満席。予約のほとんど入っていなかった明日も、きのうのうちに予約が相次いで、ほぼ満席になってしまった。

5時を過ぎるころ、食材や用度品を隠居まで運んで欲しいと家内に頼まれる。半袖ポロシャツに長袖Tシャツを重ねただけの服装では、早朝の冷気に耐えられない。裏側を起毛したチャンピオンのパーカをクローゼットから出し、他の場所からはハイランドの木綿のウォッチキャップを取り出し、それぞれを身につける。

藍色の空の、すこし高いところに金星が見える。天頂ちかくには旧暦8月24日の月が浮かんでいる。隠居の、柴折り戸から勝手口までのあいだは、先日のスドー石材の仕事により、劇的に歩きやすくなった。先に厨房に入った家内から「なめこのたまり炊」の空き瓶8本を引き取って家に戻る。

5時40分より手元に読書灯を引き寄せて、山下清の「ヨーロッパぶらりぶらり」の、きのうしおりを挟んだページを開く。そして本文に続いて式場隆三郎の「あとがき」と赤瀬川源平の解説「過激な質問者の山下清」までを読み終える。

朝食の準備にとりかかるころテレビの電源を入れると、これからの気候について、どこかの大学の先生が解説をしていた。それによれば、夏は長くなり、春と秋は短くなり、冬はこれまでと同じく寒いという。夏が長くなることは歓迎したい。更に、冬が短くなってくれれば、僕としては有り難い。


朝飯 ニラの玉子とじ、たまり漬「ホロホロふりかけ」を薬味にした納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波とピーマンの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 鮒鮨の飯、2種のナムルと紅白なます、キムチ鍋、麦焼酎「こいむぎやわらか」(生)、梨

2023.10.7(土) 静かな時間

いまだ空の暗いうちから朝食までの時間は何ものにも代えがたい。その静かな時間には日記を書き、本を読む。

今月3日の朝から山下清の「ヨーロッパぶらりぶらり」を読み始めた。3ページ目に進んだところで、これは以前にも読んだことがあったことに気づいた。それでも内容はほとんど忘れているから、どうということはない。

ページを繰るうち「オレもおなじだな」と感じるところがいくつも出てくる。ちくま文庫の最新版では34ページの終わりのあたりから。
……
ぼくは飛行機ちんを先生にはらってもらったので、いくらだかしらないがきっと高いのだろう。(中略)シベリヤ鉄道でいったら、それも三等でいったら、きっと飛行機よりもやすくて、景色もゆっくりながめられたと思う。しかし一しょに旅行しているおいしゃさんはみんないそがしい人で、日本では病気の人が待っているので大いそぎで見物して、また日本に帰って病人をみなければならないので、ぼくは待っている人はいないのに、やっぱり大急ぎにつきあうのです。(中略)大いそぎの人につきあって、大いそぎで見物するのは、これはちょっと運が悪いというものだろうか。
……
次は65ページ。
……
ぼくは動物園がすきなので、もっとここにいたかったのに、まだいくところがたくさんあるからはやくいこうといわれて、自分のみていたいものは人がおもしろくなく、人のおもしろいところはぼくにはちっともおしろくないので、人はすきずきで、自分のすきなものだけみてあるくには、ひとりで放浪するのがいちばんいい。
……
続いて102ページ。
……
ぼくはダイヤモンドもひとのかいた絵も外国語の本もほしくないので、旅行したいときに、いきたいところまでの汽車ちんがあって、中華そばがたべたいときに中華そばをたべる金があればたくさんです。
……

こうして並べていくと、今月1日に書いた日記「合理と不合理の関係」は、まるで山下清の文章をなぞったようだ。

「ぼくは観光には興味がないので、旅行したいときに、いきたいところまでの飛行機ちんがあって、ホテルの泊まりちんがあって、昼のあいだはプールサイドに寝ころがって本が読めて、夜に屋台で酒の飲める金があればたくさんです」とすれば、これはまるで僕のタイ日記ではないか。

中学生のころまで、僕の部屋の引き出しには、山下清の生真面目な署名の入った絵はがきがあった。家族の誰かが彼の展覧会で、もらってきたものだろう。「ヨーロッパぶらりぶらり」の、残りのページの少なくなっていくことが惜しい。


朝飯 鮭の焼きほぐし、生玉子、納豆、「なめこのたまり炊」のなめこおろし、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と大根の葉の茎の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 柿とグレープフルーツとレタスのサラダ、キッシュ、鶏のスパゲティ、Chablis Billaud Simon 2018

2023.10.6(金) いささか大仰とはいえ

僕の朝食の、無言による数十秒の動画は2日に1度の頻度で、また解説を入れた数分の動画は毎週土曜日に、TikTokに上げている。

今週のはじめに2021年10月1日の短いそれを「思い出」として上げたところ、どのようなアルゴリズムによるものか、アラブ諸国やフランス、スペインあたりで多く閲覧をされた。なぜそれらの地域が特定できたかといえば、その動画につけられたコメントが、それらの国の言葉だったことによる。

その日の朝食は、かやくごはんに生玉子をかけるという、僕の好物だった。それに対するコメントは「鶏卵にはサルモネラ菌が存在するから生で食べるべきではない」というフランス語によるものから「クソ野郎」というアラビア語によるもの、あるいは嘔吐している顔文字を数十個も連ねたものもあった。

そのお陰といえば何やら炎上商法のようだが、フォロワーは1日で3,800人も増えた。これは、昨年8月29日に長い動画を上げたときの、1日で5,000人の記録に次ぐものだ。

TikTokの長い動画を撮るときの朝食は、僕が作る。しかし今朝は、たまり漬「ホロホロふりかけ」を具にしたチャーハンを、家内に作ってもらった。解説は、上記3,800人をはじめとする海外のフォロワーにも理解できるよう、英語にした。その英語は文字に起こしたから、テロップで流すか、あるいは動画に貼りつければ、発音の悪さを助ける手立てになるだろう。

「君、それで何がしたいの」と問われて「日本の朝食を世界に発信するため」と答えれば、いささか大仰になるだろうか。たまり漬「ホロホロふりかけ」を具にしたチャーハンは、もちろん美味かった。


朝飯 たまり漬「ホロホロふりかけ」を具にしたチャーハン、若布とオクラの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 「大昌園」のあれや、これや、それや、他あれこれ、麦焼酎「田苑シルバー」(オンザロックス)

2023.10.5(木) ころもがへ

先週までは、クルマの運転席に収まると即、計器板に左手を伸ばして冷房のボタンを押していた。しかし今週からは、それをすることはなくなった。食堂の、温風が吹き出す式の足温器は10月のはじめから使い始めた。半袖のポロシャツ1枚でこと足りていた上半身には、午前も半ばにいたるころ遂に、長袖のTシャツを重ねた。

僕は、仕事着においては以下のとおり、年に8回のころもがえをする。上からなぞっていけば、今朝までは、僕は盛夏の装いでいたことになる。

春:長袖ヒートテックシャツ+長袖フリースセーター
晩春:長袖ヒートテックシャツ+長袖Tシャツ
初夏:半袖ポロシャツ+長袖Tシャツ
盛夏:半袖ポロシャツ
初秋:半袖ポロシャツ+長袖Tシャツ
秋:長袖ヒートテックシャツ+長袖Tシャツ
初冬:長袖ヒートテックシャツ+長袖フリースセーター
真冬:長袖ヒートテックシャツ+長袖フリースセーター+ダウンベスト

さて今日からは、ようやく初秋のそれになった。この組み合わせで、今年はいつまで耐えられるだろう。着ぶくれは気分が悪い、服は、できるだけ着たくないのだ。


朝飯 納豆、トマトとレタスを添えたハムエッグ、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と万能葱の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 鮭の焼きほぐし、ジーマミー豆腐、エリンギの素焼きと茹でたブロッコリーを添えたピーマンの肉詰め、薩摩芋と南瓜の甘煮、夏太郎らっきょう、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、麦焼酎「こいむぎやわらか」(生)

2023.10.4(水) 楽しみな日々

今日は月に1度の店休日である。店は休みでも、社員はほとんど全員が出勤をしている。そして先ずは、9時30分に全部署が店に集まり、あらためて、9月14日からの改装の意義、また店内の各場所が持つ意味などを、販売係から聴く。他部署の人たちも、それぞれの意見を述べる。その1時間と少々を終えて以降は、改装から3週間を経ての反省会を、販売係と持つ。

反省は、主に数字を元にして行われた。更に、その数字はどのような理由により現れたか、それもまた皆で推し量った。僕もこの20日のあいだに感じたことを、諸々述べた。午後はその反省に基づいて、店内に5台ある冷蔵ショーケースの、商品の配置を一新した。更には夕方までに、1度は片づけた什器の搬入も行った。そちらには僕の責任において、新しい商品を陳列する必要がある。

毎年、紅葉狩りの繁忙は体育の日のからむ連休から始まる。「汁飯香の店 隠居うわさわ」の席は既にして、土曜日と日曜日は満席になっている。楽しみな1ヶ月半が、これから始まろうとしている。


朝飯 ベーコンと刻みキャベツと生のトマトを添えたスクランブルドエッグ、納豆、牛蒡と人参のきんぴら、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と三つ葉の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 レタスとマカロニサラダを添えたコーンビーフ、クロワッサン、フランスパン、Chablis Billaud Simon 2018、yellow tail CABERNET SAUVIGNON 2021

2023.10.3(火) 仕入れ

仕入れとは、いずれは商品になるものを、それがある場所まで出向いて、あるいはそれを直に見てすること、という認識が僕にはある。

先月13日に店舗を改装し、翌14日より、これまでの味噌、醤油、漬物に、新たに生活雑貨や書籍を加えた店を開いた。書籍はきのう、2度目の注文を取次店にメールで行った。今日は雑貨の、はじめての仕入れのため下今市より上りの特急に乗る。

馬喰町の駅に降りるのは、生まれて初めてのことではなかったか。赴くべき問屋の住所は電話帳に入れてある。そこから遷移するGoogleマップを頼りに街を歩く。歩きつつビルの上の看板を見て、この街が、実は初めてでなかったことに気づく。随分とむかしのことになるけれど、神保町から靖国通りを東へ歩くうち、このあたりまで来てしまったことがあったのだ。

興が乗ると、僕はそのような長距離の歩行をすることがある。もっとも「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が好きな子供と北千住から亀有まで歩いた、という近所の先輩ほどは歩かない。

仕入れた品物は問屋の定めた金額を超えたため、送料無料で送ってもらえることになった。その店にはいかにも僕の琴線に触れるものもあったけれど、それが改装後の上澤梅太郎商店の主題に沿ったものかどうかは曖昧だったため、これについては会社に戻ってから長男と相談をすることとした。

馬喰町の駅までの最短距離を訊くと、来たときとは異なる道を、お店の人は教えてくれた。よってそちらを目指して、一度は来たことのある、しかし記憶は明瞭でない街を歩いていく。


朝飯 2種のおむすび、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、小松菜の味噌汁
昼飯 “FAUCHON LE CAFE”の週替わりランチセット
晩飯 「ふくべ」のトマトと茹で玉子、板わさ、くさや、他あれこれ、菊正宗の樽酒(燗)

2023.10.2(月) ジョッター

日記は大抵、過去のことを書く。たとえばきのうのことを思い出すための方法について、2003年のことだったと記憶をするが、勉強仲間のナカヤカツヒコさんと話したことがある。場所は御徒町の焼鳥屋だった。

ナカヤさんは画像だと言った。当時の携帯電話にカメラの機能があったかどうかは覚えていない。あるいはナカヤさんは、デジタルカメラを常に持ち歩いていたのかも知れない。それに対して僕は数行の覚え書きと答えた。

そのときはそう答えたものの、現在、日記のために覚え書きを残すことは、ひと月に一度あるかないかになった。400字ほどの文章なら、何も無いところからでもひねり出せる技術が身についたからに他ならない。

とはいえ覚え書きのための便利な道具は欲しい。人に頼まれたことや、すべきことを頻繁に忘れる癖が僕にはあるからだ。

その道具の名前はなかなか覚えられなかった。欲しくなるたび当てずっぽうに検索エンジンに入れ、しかし当該のものはなかなか出てこなくて焦燥することを繰り返した。しかし今は「ジョッター」と明確に言うことができる。メモ用紙を固定するための小さな板で、首から提げる式のものもある。

今朝、amazonでそれを探すと、伊東屋から出品をされていた。ウェブショップで買うより現物を見て買う方が間違いは少ない。実店舗を訪ねれば、予備の紙も豊富にあるだろうし、適当なペンも店の人に教えてもらえるだろう。

そういう次第にて、何十年ものあいだ欲しかったジョッターがいよいよ手に入る。それを便利に使いこなすことが、僕にはできるだろうか。


朝飯 牛蒡と人参のきんぴら、菠薐草のおひたし、たまり漬「ホロホロふりかけ」を薬味にした納豆、オクラの鰹節かけ、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、しその実の天ぷらと若布の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 トマトとレタスとベビーリーフのサラダ、薩摩芋の甘煮とピクルスとたまり漬によるソースを添えたビーフステーキ、yellow tail CABERNET SAUVIGNON 2021、あんみつ

2023.10.1(日) 合理と不合理の関係

一見、合理的と思われる旅がある。できるだけ短い日程で、できるだけ遠いところへ行き、できるだけ多くの名所を巡ろうとするものだ。町内役員によるバス旅行や業界の親睦旅行は、まさにそれに当たる。旅行は嫌いではないから、僕はそれらのすべてに進んで参加をする。そして楽しさを味わいつつも、ときおり、時間を無駄にしている感を覚えている。

旅において、僕の気持ちがもっとも満たされるのは、無為の時間をおくっているときだ。旅の途上にあって、僕にもっとも充実感を与えてくれるのは、無為の時間を過ごしているときだ。他からは不合理と見られるかも知れない旅が、僕には最上であったりする。

上澤梅太郎商店で販売をしている42冊の本の中から、今日は何気なく「日本発酵紀行」を手に取った。新品の本には売上げスリップと呼ばれる紙が挟み込まれている。書店で本を開こうとすれば、多くの場合、その短冊状の紙のあるページが先ずは開く。その100ページには以下の数行があった。

……
この旅を始めた当初、僕はなるべく効率的に四七都道府県を回るために移動時間の短い移動方法を選択していた。ところが、ある経験をきっかけに考えを改めるようになる。栃木の日光今市から福島の会津若松への旅路だ。
……

「そんなこともあったかな」と今となっては記憶も曖昧ではあるけれど、夕刻からの長距離の移動は避けて、今夜は地元の居酒屋でくつろぎ、地元の旅館に泊まることを著者に勧めたのが僕であることは間違いない。そしてそれに従った小倉ヒラクは翌朝、冬の輝かしい景色の中に浸透していき、新しい知見を得ることになる。ことほど左様に、不合理が合理の入口になることは珍しくないのだ。

「そんな旅がオレもしてぇな」と思う。しかし今は無理だ。来春、インドシナの最暑期に実現すれば嬉しい。


朝飯 牛蒡と人参のきんぴら、生玉子、たまり漬「ホロホロふりかけ」を薬味にした冷や奴、納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、オクラと若布の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 5種の刺身、塩雲丹、松浦漬け、鮒鮨の飯、梨と胡瓜の酢の物、茹でた菠薐草を添えた東坡肉、「片山酒造」の「清酒日光路」(燗)

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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

蔵見学