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清閑 PERSONAL DIARY

2026.7.16 (木) 極悪非道のクソ野郎

家内は今朝も4時に起きてテレビの電源を入れるだろう。静かな時間を確保するには、それより先を行く必要がある。洗面を済ませて食堂に来て明かりを点ける。時刻は3時になりかかろうとするところだった。

FIFAワールドカップのアルゼンチン対イングランド戦がハーフタイムに入ったところで席を立ち、開高健の「生物としての静物」を、本棚の高いところから脚立を用いて取る。そしてその中の「書斎のダンヒル、戦場のジッポ」を、応接間のソファに仰向けになって読む。ベトナム戦争の最中にサイゴンの露天で売られていたという、聖句をパロディにして彫り込んだジッポのライターについて調べたかったからだ。

その聖句のそもそもは詩篇23篇の「たとひわれ死のかげの谷をあゆむとも禍害をおそれじ、なんぢ我とともに在せばなり、なんぢの笞なんぢの杖われを慰む」だが、ジッポに彫られた文字は、開口によれば以下と紹介をされている。

……
Yea Though I Walk Through The Valley Of The Shadow Of Death, I Will Fear No Evil For I Am The Evilest Son Of A Bitch In The Valley.
……

サイゴンに旅したとき、もっとも訪ねるべきは、戦争博物館と戦跡のクチトンネルと、人に訊かれれば言い続けている。あのような戦場に放り込まれれば、こんな戯言を彫り込んだライターも、身に付けたくなろうというものだ。

ところで僕の手元には、ダンヒルのシルフィードと、ジッポのスターリングシルバー製が、ひとつずつある。ダンヒルはオヤジが遺した新品、ジッポは1980年代のはじめに従姉妹が新婚旅行先のハワイから土産として買ってきてくれたものだ。タバコは年に4本までと決めている僕にはいずれも無用の長物ではあるけれど、ときどき取り出してその重さを確かめる玩弄物としては、中々に悪くない。

さてサッカーは、アルゼンチンがイングランドに2対1で勝った。「生物としての静物」は、しばらくしたら、また別のページを開きたくなるだろう。


朝飯 生のトマト、きのうの夜の煮物の残り、納豆、胡瓜のぬか漬け、なめこのたまり炊、たまり漬「七種刻み合わせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、ズッキーニの味噌汁
昼飯 すり胡麻のつゆの素麺
晩飯 チーズ、穴子の佃煮天ぷら其の一天ぷら其の二稲庭うどん、「山本合名」の山廃純米「天杉」(冷や)、メロン


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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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