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清閑 PERSONAL DIARY

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2022.8.11(木) 山の日

お盆の入りは8月13日。開けは同16日。ただし世間的なお盆休みは今日の山の日から始まるに違いない。

この6日間は繁忙が予想される。包装主任ヤマダカオリさんは恐らく、だいぶ前から意識して冷蔵庫を充実させてきたことと思う。店では数週間前に錬った内容のパンを、朝から作る予定にしている。「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、通常は土日月の営業ながら、お盆に限っては今日から15日まで通しで開くことにした。ただし料理は「天竺膳」と、子供さん向けのおむすびのふた品のみ。

「天竺膳」の内容は「地元産の大豆たっぷりのカレーライス、夏野菜の味噌炒り、紅白なます、南瓜の甘煮、日光みそのたまり漬」で、価格は税込1,650円。この、きのう仕込んだカレーを朝のお膳に添えてみた。美味いことは勿論である。

お盆には、朝早くに家をお出になった行楽のお客様が多い。8時35分、本日ふた組目のお客様に、この天竺膳のご説明をしてみる。お二人のうちの女性は「美味しそう」とおっしゃって、即、隠居の食事をお決めになった。僕はお二人を隠居へご案内し、店に戻る。その後、もうひと組のお客様も、同じようにして隠居へご案内する。

こちらはお盆に合わせたものではないけれど、日光の池田農園でひと月ほど前に収穫したらっきょうが、塩と酢だけで漬けた「夏太郎」として、今朝から店に並べられた。これに合わせるのはビールか、はたまた焼酎のソーダ割りか。とにかく毎年「出たら連絡せよ」というお客様を多く持つ人気商品である。今年の穫れ高からすれば、これからひと月ほどは店頭にお出しできるだろう。

そうするうち厨房から店に「らっきょうと豚肉のサンド・エスニック風」が届き始める。販売係のササキユータ君は奥からテーブルを持ち出し、これにそのホットドッグ風のパンを並べた。

閉店後は週に1度のミーティング。明日も明後日も、またその次の日も、張り切って仕事に臨むつもりである。初更、旧暦7月14日の月を、食堂の真正面に見る


朝飯 焼き鮭、炒り豆腐、冷や奴、「天竺膳」のカレー、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと小松菜の味噌汁
昼飯 「らっきょうと豚肉のサンド・エスニック風」、牛乳
晩飯 冷やしトマト、夏太郎らっきょう、温泉玉子、舞茸と玉蜀黍の天ぷら素麺、麦焼酎「こいむぎやわらか」(ソーダ割り)


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2022.8.10(水) 空の様子

食堂のテーブルは正円で、直径は140センチメートル。家内はひとまわり小さなものが欲しかったものの、それが品切れだったため、仕方なく今のものを求めたという。しかし結果としては良かった。食堂の面積はそのテーブルに対して充分であり、複数の来客があっても無理なく囲むことができるからだ。

この丸いテーブルの、僕が定位置に着くと、真正面は東北。鬼門である。「天子南面す」とは大違いだ。それはさておき食堂の窓は南東に向いている。つまり僕の席からは右手になる。朝、日記を書きながらふと気づいて顔を上げると、空は既にして明るい。時刻は、今なら4時30分をすこし過ぎたあたりだ。その空の様子をより詳しく見ようとして屋上へ上がる。

東南東の空の低いところには横に長い雲があって、紅く染まっている。一方、西北西の山々は雲に覆われている。朝に東の空が紅く、西の空が曇っているとは、天気の悪くなる予兆である。その、東の空と西の空とを見くらべながら「盆には晴れて欲しいけどなー」と思う。

夕刻の空には素晴らしい積乱雲が湧き上がった。しかしこの空も、数時間後には暗転するのではないか。テレビのニュースは関東の、早くも混み始めた高速道路について伝えている。

初更、雨の音を聞く。


朝飯 茄子の揚げびたし、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、炒り豆腐、ウインナーソーセージと3色のピーマンのソテー、納豆、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、若布と玉葱の味噌汁
昼飯 朝のおかずを流用した弁当
晩飯 「コスモス」のトマトとモッツァレラチーズのサラダカツレツ、ウォッカソーダ、ドライマーティニ


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2022.8.9(火) 奇貨として

2時26分の目覚め、2時30分の起床を奇貨としたい。仏壇を掃除する持ち時間は充分である。もっとも掃除は、外が明るくなってからの方がしやすい。よって先ずは既にして完成しているおとといの日記を公開する。続いてきのうの日記を書く。更には今日の日記のここまでを書く。

5時30分より仏壇の掃除に取りかかる。中のもの、すなわち位牌や線香立てや菓子のための高台、また数時間前に供えたお茶や水などすべてを外へ出す。がらんどうになった内側を、水を固く絞った布巾で拭く。外へ出したものは小さなアクリルのハタキで埃を払う。仏壇の前に置いた半畳の畳はこれを横へ避けて拭き、畳の下になっていた床も、また拭く。線香立ては網とボウルと共に玄関前まで運び、灰をふるいにかける。

6時15分に汗に気づいてシャツを脱ぐ。僕は暑さを好むものの、汗をかくことは好まない。空になった線香立ては水で洗い、広げた新聞紙に伏せる。時刻は6時22分。今朝の味噌汁の具は何にしようかと考える。


朝飯 揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮を薬味にした納豆、茄子の揚げびたし、大根おろしを添えたアブ揚げ豆腐の網焼き、温泉玉子、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、胡瓜のぬか漬け、メシ、若布と大根の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の冷やし中華
晩飯 炒り豆腐、茄子の塩漬け、冷やしトマト、めかぶの酢の物カツ煮、麦焼酎「こいむぎやわらか」(ソーダ割り)、桃のコンポートとアイスクリームの盛り合わせ、Old Parr(生)


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2022.8.8(月) 盆ちかし

「あのー、食事どころの駐車場はー」と、開店早々にご来店のお客様が、背後の駐車場を振り向きながらおっしゃる。「ご予約のお客様でいらっしゃいますか」とうかがうと、予約はなさっていらっしゃらないとのことだった。きのうは朝からオーダーストップの時間まで満席だった。今朝のお客様は幸運でいらっしゃる。「汁飯香の店 隠居うわさわ」の駐車場は別にあるものの、朝のうちは店も空いているため、お車は今のままで大丈夫と、お伝えをする。

「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、築推定150年の伝統家屋に、わずか5客のテーブルを置いた朝食専門店だ。ご来店をご希望のお客様は、からなず事前に上澤梅太郎商店まで電話(0288-21-0002)でご連絡ください。ぐるなびからも、ご予約は可能です

何かの用事で席を外し、事務室に戻ると日光市小百の八木澤ファームからお米「ゆうだい21」が2袋つまり60キロ届いていた。よってこれを台車に乗せ、1袋は冷蔵庫へ格納、もう1袋は隠居の厨房に届ける。「汁飯香の店 隠居うわさわ」は土日月の週に3日の営業だが、お盆のあいだは11日の木曜日から15日の月曜日まで通しで開く。ただしメニュはカレーライス一択。とはいえその内容は「隠居ならでは」のものだから、お客様には楽しみにしていただきたい。

お盆にはまた、たまり漬や肉や野菜を使ったインドシナ風のホットドッグを、1日100本限定でお売りする。「忙しくなってくるなー」である。僕はせいぜい、各部署の助けをしようと思う。


朝飯 焼き鮭、ピーマンの網焼き、納豆、蛍烏賊の沖漬け、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と茗荷の味噌汁
昼飯 素麺
晩飯 鶏笹身肉とトマトとレタスのサラダ、刺身湯波、茄子の揚げびたし、蕪と胡瓜のぬか漬け、薩摩芋のレモン煮、「山本酒造店」の「アイスブルー純米大吟醸」(冷や)、桃のコンポートとアイスクリームの盛り合わせ


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2022.8.7(日) 午前、午後

昨秋に亡くなった叔父の、今日は初盆が執り行われる。それに先だって、朝、そのお墓を掃除する。仕事の合間を縫っての掃除にて、隅から隅まで、とはいかなかった。僕は物忘れが激しい。よってiPhoneには9時45分にアラームを設定した。そしてその音の鳴ったところで席を立ち、如来寺へ向かう。

如来寺は道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の至近にある。道の駅では花も線香も売っている。それを知っていれば、地元に住む以外の人も、ほぼ手ぶらで墓参りができる。従姉妹とその子供が供えた花は、秋を感じさせる地味な色合いながら、丈の高い立派なものだった。

法事は20分ほどで完了した。僕はお寺にはクルマで行った。そのホンダフィットに3人を乗せて店に戻る。そこから「汁飯香の店 隠居うわさわ」に案内をする。池水に架かった石の橋を見て「そうそう、これ」と従姉妹は喜んだ。子供のころに東京から来ると、我々は隠居の庭で散々、遊んだものだ。

午後はこの秋にお客様へお届けするご案内の、お送り先を特定する。


朝飯 トマトサラダ、焼き鮭、冷や奴、納豆、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とパプリカの味噌汁
昼飯 納豆のつゆの素麺
晩飯 めかぶの酢の物、ジーマミー豆腐、冷やしトマト、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、空心菜炒め蒸し焼売焼き餃子、麦焼酎「こいむぎやわらか」(ソーダ割り)、葛餅


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2022.8.6(土) 2度目の麺つゆ

先月25日の早朝に作った麺つゆは、まるで東京の藪系蕎麦屋のそれのように塩辛かった。それがようよう底を突いた。よって次の1リットルには新たな製法、新たな調合比を用いるべく、きのうメモに残した。

早朝、そのメモを調理台に置く。干し椎茸によるだしは昨夜から準備をしておいた。かえしには砂糖が含まれているものの、今朝は更に、15ccのスプーンに2杯のそれを足した。同量の酒も足した。かえしは前回から50ccを減らした。

「味見をしながらあれこれの調味料を微量ずつ加えていく。そうすれば理想の味が実現する」と家内は言う。しかし「微量ずつ加えていく」では、明確なレシピは残せない。もうひとつ、僕は一発勝負を好む。そうしてできあがった2回目の1リットルは、冷ましてから冷蔵庫に格納した。

昼、そのつゆで素麺を食べてみた。いまだ塩辛い。甘さも足りない。この1リットルは、せいぜい素麺を食べ、できるだけ早く使い切り、次の1リットルを作ることにしよう。

ところでここ数日は涼しい日が続いている。明日は立秋である。素麺に似合いの暑さが戻ってくれることを、僕は祈って止まない。秋は好きでないのだ。


朝飯 納豆、生玉子、めかぶの酢の物、唐辛子の炒りつけ、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波とパプリカの味噌汁
昼飯 茄子と乳茸のつゆによる素麺
晩飯 「京都蒸留所」の「季の美」(ソーダ割り)ベビーリーフを添えたベーコンエッグニンニクと唐辛子のスパゲティ2種のパンChablis Billaud Simon 2015


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2022.8.5(金) 造反有理…ではなくて

目を覚まして枕の下からiPhoneを取りだし、ローマ字の”d”あるいは八分音符に似たTikTokのアイコンをタップする。「梅太郎」のアカウントへアクセスすると、いわゆる「アンチ」のコメントが真っ先に目についた。そのことにより「今回の動画はイケたな」と確信する。

「アンチ」とは「けなし」や「嘲笑」をSNS上に送りつけてくる人を指す。「アンチ」の来訪は、動画の再生数が異常に上がっていることを示している。むかしの桂三枝、今の文枝ではないけれど「いらっしゃーい」である。

「梅太郎」のTikTokは、普段は朝食を食べるだけのものだ。それに加えて先月の17日からは、おかずを準備して味噌汁を作り、それを食べるまでを「10分で準備できる頑張らなくても美味しい朝食」と題して週に1度ずつ上げてきた。今回のそれは、ウェブ上に上げてから数時間で再生数が15万回を越えている。ここ数ヶ月間の「梅太郎」では滅多にない数字である

ところで、実店舗やウェブショップで商品が売れに売れている思われる人の動画が、このところTikTokに目立ちはじめた。商売同様、かなりの再生数やフォロワーを集めていると思いきや、意外や苦戦をしている。中には凝りに凝って作り込んでいる動画もあるものの、立ち止まる人の少なさや反応の薄さの原因は何だろう。それを詳しい人に訊ねると、以下の答えが戻った。

1.発信者が急増してからの参入では、再生数やフォロワーの積み上げは難しい。
2.従来型のお役立ち情報や商品紹介は、今やバズりにくい。

一方「梅太郎」については、以下のように分析してくれた。

1.先行有利。
2.右脳に訴える簡潔さ。
3.公開頻度の時間的規則性。
4.継続による動画の蓄積。

僕は何が何やら分からないが、現在の状況が好調なのであれば、このまま続けて行こう。もうひとつ、それを維持しながら様々な様式を試していくことも肝要である。

今回の「10分で準備できる頑張らなくても美味しい朝食」の再生数は、夕刻には30万回に迫ろうとしている。2週間前は35,900だったフォロワーが、今日は37,800に達した。多いに有り難い。


朝飯 茄子の揚げびたし、トマトとキウイのサラダ、菠薐草と海苔のナムル風、納豆、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、揚げ湯波と万能葱の味噌汁
昼飯 「ふじや」の雷ラーメン
晩飯 「京都蒸留所」の「季の美」(ソーダ割り)トマトとレタスとモッツァレラチーズのサラダ2種のパンズッキーニとパプリカのソテーを添えたポークソテーバターレモンソースChablis Billaud Simon 2015


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2022.8.4(木) 雨の目安

同級生が教師に叱られた話だから、個人の名は出さずにおく。気象の係をしていたその友人があるとき、前日の雨量を理科の教師に訊ねられた。「200ミリです」と答えたところ、教師は激高にちかい怒りを顕わにした。「そんなに降ったら街が流されちまう」と、教師は口角に泡を溜めた。傍観していた僕は、ひとつ利口になった。「1日に200ミリの雨は、街を流すほどの量」という知識を得たのだ。

夕刻のニュースによれば、新潟県岩船郡関川村のアメダスは、1時間で149ミリ、12時間で500ミリちかくの雨量を記録したという。山形県でも石川県でも、気象庁の職員が驚くほどの雨が降っている。「街が流されちまう」どころの騒ぎではない。50年に1度、100年に1度、観測史上最多、という量の雨が、ここ数年は常態化してしまった。

らっきょうの出来は、栃木県産は平年並み。宮崎県産は歴史的不作。昨月の日記にも書いたことだが、茗荷は収穫期に大雨が降れば、一瞬で不作になり価格は高騰する。生姜は雨を好むと言われているものの、過ぎたるは及ばざるが如しだ。

夜、冷蔵庫の片隅にあった、使いかけの生姜をすり下ろす。長雨や豪雨に見舞われなかった畑の生姜である。それを他の夏野菜と共に、素麺の薬味とする。


朝飯 菠薐草のソテーを添えたベーコンエッグ、茄子の揚げびたし、納豆、甘唐辛子の炒りつけ、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と大根とズッキーニの味噌汁
昼飯 鶏そぼろのつゆの冷や素麺
晩飯 「京都蒸留所」の「季の美」(ソーダ割り)、柴漬け、茄子と獅子唐の素揚げ、薬味たっぷりの冷や素麺、麦焼酎「こいむぎやわらか」(ソーダ割り)


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2022.8.3(水) 美味さを邪魔するもの

今朝、艶やかな茄子を予期せず大量にいただいた。僕は野菜を好む。野菜の中では特に、夏のものが好きだ。味や香りはもちろんのこと、そこに夏の気のようなものが充満している印象も、また「特に好き」に関係しているかも知れない。

トマト、胡瓜、茄子、ピーマン、茗荷などは、僕が子供のころは夏にしか食べられなかった。オクラは、1960年代の中ごろにはいまだ珍しく、どこにでもある、というものではなかった。

とにかく大量の茄子である。そして冷蔵庫には獅子唐もたっぷりある。よって今夜のおかずは茄子と獅子唐の素揚げあたりではないかと予想をしていた。ところが家内からは、今夜のおかずはステーキと伝えられた。意外に感じたけれど、とにかく午前のうちに知れて良かった。

僕の持つ赤ワインは古色蒼然としたものばかりだ。寝かせた瓶の下側には澱が溜まっている。その澱を、瓶を立てて底に沈めないと、飲むことができない。今日の持ち時間は充分である。

終業後、ワイン蔵の外に立てておいたその瓶を静かに持って食堂に入る。そしてその栓を抜いてから、シャワーを浴びるべく風呂場へ行く。

夏の夕食は、半裸体で食べると、余計に美味い。嘘と思うなら、とりあえず腕時計や指輪だけでも外してみてはどうか。僕の言うことの半分は理解できるに違いない。


朝飯 唐辛子の炒りつけ、ウインナーソーセージと小松菜のソテー、茄子の揚げびたし、トマトとキウイのサラダ、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと若布と揚げ湯波の味噌汁
昼飯 茄子と乳茸と納豆のつゆによる素麺
晩飯 トマトとレタスとチーズのサラダTIO PEPEズッキーニと茄子のソテーを添えたビーフステーキCHATEAU BARATEAU 1993


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2022.8.2(火) 星降る夜に

きうのの写真スタジオは「浅草の寺院群の中に、よくもまぁ、こんなクールな場所があったものだ」と僕を驚かせた。小さなビルにもかかわらず、入口はオートロックだった。2階で停まったエレベータの扉が開くと、そこはもう、コンクリートを打ち放したスタジオだった。

その矩形の空間には、仕事の邪魔にならないほどの音量で音楽が流れていた。内容は日本の歌モノだった。「有線ですか」とのデザイナーの問いに「私が集めたものです」とカメラマンは答えた。僕の、音楽に対する知識は極端に乏しい。日本のバンドでいえば、ビーズもザードもグレイもグローブも何が何やら分からない。

ミックスナッツとドライフルーツのたまり漬に、カメラマンは7、8客の器から、僕が持参した宋胡録のカケラと朝鮮の小皿を選んだ。商品の撮影は、順調に進みつつあった。

部屋のどこにあるのか分からないスピーカーから、いきなり、がなり立てるような声が放たれはじめた。ヤケのヤンパチのような、ぶっきらぼうな歌いよう。リズムはスカ。

「これ、誰ですか」
「コーモトヒロトです」
「バックはスカパラですか」
「そうです」

小さなガラスのピアスを耳たぶに通し、ツバの真っ平らなキャップをかぶったデザイナーは、このあたりの歌には詳しくているらしかった。

滅茶苦茶なのにカッコイイとは、ずるいではないか。シド・ヴィシャスのマイ・ウェイとおなじ種類の、それはかっこよさだった。

一夜が明けて今朝、否、いまだ夜は明けていない、とにかく「甲本ヒロト スカパラ」と検索エンジンに入れてみた。youtubeに現れたのは「星降る夜は」という曲だった。「滅茶苦茶なのにカッコイイとは、ずるいではないか」と、また思った。

「それにしても」と一旦、立ち止まる。「星の降る夜なんて、経験したこと、ねぇな。雨の降る夜のことは、いくつも覚えているけど」と、ふたたび頭を動かし始める。PCから流れ出る音は、朝にふさわしくなく、とても、大きい。


朝飯 スクランブルドエッグ、菠薐草と海苔のナムル風、茄子の揚げびたし、納豆、胡瓜のぬか漬け、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、若布とパプリカの味噌汁
昼飯 茄子と乳茸のつゆによる素麺
晩飯 「京都蒸留所」の「季の美」(ソーダ割り)トマトとレタスのサラダ2種のパンポテトとマッシュルームとソーセージのソテー2種のチーズババロアのブルーベリーソースChablis Billaud Simon 2015


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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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