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清閑 PERSONAL DIARY

2018.4.8 (日) 山から降りる

昼食は大抵、当日の日本経済新聞朝刊の第32面を読みつつ摂る。今日の文化欄の、村田喜代子による「春の四次元空間より」で特に目を留め、二度三度と文字をなぞったのは、ドイツ文学者の池内紀について「池内さんは退職をすると悠々自適のために生活を縮小し、仕事を選んだ。」というところだった。

世の中ではほとんどの場合において、縮小ではなく拡大こそ賞賛をされる。しかし僕には拡大を良しとする意識も、また拡大に対する欲求も、ほぼ無い。

1982年にタイ、スリランカ、モルジブと飛び石のように移動をしてマドラスからインドに入った。そして鉄道でヴァラナシまで北上し、その巡礼の街にしばらくのあいだ留まった。

ガンジス川の、雨季にも乾季にも、つまり水位が低くても高くても沐浴ができるよう階段状に作られた川岸を歩いて死んだ人を焼く風景を間近に見たとき、僕の頭に浮かんだのは「人間、所詮、起きて半畳、寝て一畳」ということだった。もっともその経験が、閑居や独行を好む僕の性癖に影響を及ぼしたかどうかは知らない。

「人と違った時間に違った使い方をするのは気分がいい。」と村田喜代子は書く。時間だけではない、他のあれこれについても、人と違ったことをすると、からだも気分も楽である。

「禅とは、山を降りること」と、20年ほども前にある禅僧から聞いた。その禅僧はアメリカン・モーターズのチェロキーを所有していたから、自身は山から降りてはいなかったと思う。しかし村田喜代子や池内紀は明らかに、山から降りつつある。楽だと思う。


朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、しその実のたまり漬を薬味にし朝露をかけた冷や奴、ごぼうのたまり漬、生のトマト、赤飯、油揚と三つ葉の味噌汁
昼飯 「ふじや」の味噌ラーメン
晩飯 生のトマト空心菜のナムプラー炒めタイ産にんにく風味焼き餃子スペアリブと大根のスープ「紅星」の「二鍋頭酒」(生)バナナのプディング


美味しい朝食のウェブログ集は、こちら。

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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