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清閑 PERSONAL DIARY

2019.6.24 (月) タイ日記(5日目)

目を覚ますと明かりは点いたままで、クーラーも動いている。初日と違うところは、素っ裸でも、しっかり布団に入っていたところだ。ゆっくりと、きのうの晩のことを思い出そうとする。蓮の花をかたどった皿の上に、丸い石鹸が乗っていた。ということは、とにかくシャワーは浴びたに違いない。いつまでぼんやりしていても仕方がない。起きて不必要な明かりを消し、クーラーも止める。

ベッドの下に、日本から持参したパジャマが落ちている。水を飲もうとして冷蔵庫の扉を開くと、コモトリ君がくれた、ひとつ数百バーツはしそうな巨大なマンゴーふたつが収まっている。パスポートや現金やコンピュータは、僕がいつも使う暗証番号で金庫に収まっていた。酔ってはいても、すべきことは済ませていたらしい。時刻は4時になろうとしている。

おとといの日記を整えるべく、コンピュータをデスクに置く。壁に作り付けのデスクにコンセントは無い。床ちかくのそこから電線を通すための穴が、後付けでデスクに設けられている。このホテルを設計したのは、コンピュータを使わない人だったに違いない。そういえば木曜日から2泊をした部屋は、壁に12ヶ所もコンセントを持ちながら、使える位置にあるものは皆無だった。タイにそのような「トマソン」は珍しくないから、いちいち気にしてはいられない

とはいえデスクの位置は高く、しかし置かれているのは椅子ではなく低いソファだ。よってそのソファの上に大きな枕をふたつ重ね、どうにか日記を書き始める。

朝方に降り出した雨がほとんど上がったところで外へ出るそしてホテルとバンラック市場を隔てるチャルンクルンsoi46にある屋台の汁そばを朝食とする。この店のスープの美味さに驚いたのは、ことし3月のことだ

チャルンクルン通りの、ごく短い散歩を切り上げ部屋に戻る。そして金曜日からきのうまでの衣類を洗濯機に入れて回す。このホテルは楽天トラベルから予約をすると、16時や、ときには18時までのレイトチェックアウトが追加料金なしで付く。しかしあてがわれる部屋は、サービスアパートメントとしても使えるこのホテルとしては狭いものだ。3月に泊まったときには洗濯機もなく、外の洗濯屋の世話になった。今回は洗濯機があって助かった。

11時から13時30分まではプールサイドで本を読む。3月の訪タイ時から読み始めた全633ページの本は、いよいよ最後に近い。

14時にホテルを出て、BTSでサラデーンに移動をする。そしてコモトリケー君が社長を務める会社とは目と鼻の先のマッサージ屋に入り、2時間のマッサージを受ける。「タイでマッサージを受けると靴がぶかぶかになる」という、同級生ヤマモトタカアキ君のことばを今日ほど実感したことはない。太ももの外側と内側、ふくらはぎと脛を「これでもか」といじめられた結果、trippenの革靴は、紐をきつく締めても脱げそうなほど緩くなっていた。

コモトリ君とは17時に待ち合わせて、ラマ4世通りを西へと向かう。月曜日にもかかわらず、渋滞はほとんどない。ファランポーン駅を右手に見ながら進入したヤワラーの通りは、クルマの流れがあまりになめらかで拍子抜けをした。駐車違反への強烈な規制を警察が行った結果のこととコモトリ君は言うけれど、それだけのことで、これほど道が空くだろうか。しかしあたりを見まわしてみれば、歩道はおろか車道にさえ遠慮なく店を出していた屋台がひとつも見あたらない。クルマを走らせる側からすれば、とても便利だ。しかしその便利さと引き替えに、南の国の風情は消えていく。どちらを選ぶかは、その国の人しだいだ

何年か前にコモトリ君と散歩をしながら目に留め、以来、気になっていた店の階段を上がる。料理が目の前に運ばれてみれば、そしてひとくち食べてみれば、調理の技術はとても高い。しかし店の内装は古色蒼然を通り越して、むしろうらぶれている。客のためのテーブルのうちの2客には様々なものが置かれ、家族と従業員のものとして使われている。また客席の一角は飲物などのための物置になっている。「惜しいなぁ」とは思うが、人の好みは色々だ。「ラオス出身の20歳、旦那は40歳の運転手」というお運びのオネーサンにコモトリ君が訊ねたところ「混んでくるのは19時から」とのことだった。

黒塗りのワゴン車は、早くも19時すぎにホテルへ送り届けてくれた。シャワーを浴び、冷房のスイッチを入れて、大きなバスタオルを広げたベッドの上で仰向けに休む。これもまた、南の国を旅するときの、愉楽のひとつである。

と、いきなり外に爆発音が轟いて、いつまでも収まらない。外を覗うと、チャオプラヤ川を隔ててシャングリラホテルの対岸、ペニンシュラホテルのすこし下流側から花火が盛大に打ち上げられていた。その上げ方は、日本のそれのように、余韻を楽しむための静けさをところどころに挟むことなく、連続して5分くらいは続いただろうか。金持ちの、私的なお祝いだったかも知れない。


朝飯 チャルンクルン通りソイ46を西に入って右側のクイティオ屋台のバミーナム
晩飯 「笑笑酒楼」のプラーディップオースワン揚州麺、麦焼酎「いいちこ」(ソーダ割り)、工夫茶


美味しい朝食のウェブログ集は、こちら。

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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