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清閑 PERSONAL DIARY

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2021.5.21(金) じゅんさい

蛙の卵とはこのような食感に違いない、と思われるあれこれが好きだ。それはたとえばコンソメスープに浮かべるロワイヤルであり、なめこであり、蓴菜である。

僕が書記および酒の手配係を務める飲み会「本酒会」のお酒は現在、3つの酒屋から取り寄せている。そのうちのひとつ秋田の天洋酒店は、頼めばお酒に地元の産物を同梱してくれる。今ごろなら真っ先に、蓴菜が浮かぶ。今年もその蓴菜を注文し、それはきのう届いた。

今朝は先ず、片手鍋に湯を沸かす。そして手にずしりと重い、袋に満杯の蓴菜を水洗いしてその湯に放つ。生でも色鮮やかな蓴菜は、更に青味を増す。蓴菜は頃合いを見計らってザルに茹でこぼし、ザルごと氷水と流水により冷ます。

蓴菜に添えられた説明書には、様々な料理が紹介をされている。とはいえ僕は、これを味噌汁の具にするという、もっとも簡便、もっとも雑駁と思われる食べ方が好きだ。蓴菜は、なぜか赤味噌の汁に似合う。蓴菜は、これから数日は、愉しむことができるだろう。


朝飯 温泉卵、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、トマトのサラダ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、しその実のたまり漬、メシ、蓴菜の味噌汁
昼飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、塩鰹のふりかけ、なめこのたまり炊、焼き鮭のお茶漬け
晩飯 「大昌園」のあれやこれやそれや、他あれこれ、「田苑酒造」の麦焼酎「田苑シルバー」(オンザロックス)


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2021.5.20(木) 静かな時間

寝室を出て応接間を歩きながら、鳥の声に気づく。外はいまだ暗い。食堂の電波時計は3時48分を指していた。夜明けが近いらしい。そして雨は降っていないらしい。

ウチには書斎というものがない。僕はほとんどのことを食堂でする。食堂の天井の明かりは、本を読むには適していない。しかし冬が過ぎ、春も過ぎ、初夏が近づくにつれ、朝の光は豊かになる。その外光の力を借りて、このところは早朝にも本が読めて具合が良い。

その静かな時間は、家内が起きてくると同時に破られる。食堂に来るなりテレビの電源を入れるのだ。時ここにいたって僕は本を閉じ、コンピュータを閉じる。

新型コロナウイルスの接種証明書を「差別につながる」という理由から、政府はこれを発行しないとしていた。しかしそれでは済むまいと、発行を検討している部署もあることを、テレビのニュースが伝えている。

接種証明書の発行により生じることが懸念される差別とは、一体全体、どのようなものだろう。「入館に際しては、接種証明書が必要です」という施設や「入店は、接種証明書を持つ方のみとさせていただいています」という飲食店が現れかねない、ということなのだろうか。

「コロナ 接種証明書 差別 どのような」と検索エンジンに入れてみる。すると僕が上に書いたような卑近なことに留まらない、たとえば倫理学者による難しい話なども出てきた。しかしまぁ、接種証明書は間違いなく発行されるだろう


朝飯 納豆、めかぶの酢の物、スペイン風目玉焼き、刻みオクラ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、しその実のたまり漬、メシ、キャベツの味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」のスーラーメン
晩飯 リガトーニのオリーブオイル和え、チーズ、オールドイングランド、“Panification U”の4種のパンきのうのポトフによるトマトスープChablis Billaud Simon 2015


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2021.5.19(水) 先ずはスマートフォンで検索すべし

TSUTAYA宇都宮駅東店の、入って右奥の一角は面白い。料理や民芸の本と共に写真や意匠に関する古書も、そこには置かれている。その中に欲しいものを今日は見つけた。価格は500円。amazonの古書には無論、送料が追加をされる。「ここで買ってしまった方が安いに違いない」と考え、迷わず帳場で勘定をしてもらった。

TSUTAYA宇都宮駅東店にはタリーズコーヒーが併設をされている。ここで紅茶を飲みながら本を読むことが、ここ数ヶ月の楽しみになっている。

高等学校を卒業するころまで、駅の売店では必ずマンガを買った。そのマンガは列車が走り出すまでは、決して開かなかった。駅弁も、列車が出発するまでは絶対に包みを開かない。いまだに抜けない、僕の癖のひとつである。

TSUTAYA宇都宮駅東店のタリーズコーヒーでも、今しがた買った古書は帯封を解かないまま席に置いた。そして持参の本を手提げから取りだし、それを数十分ほども読んだ。

帰社して閉店後、手に入れたばかりの古書をamazonで検索してみた。もっとも安いものは送料を入れても336円だった。「だっふんだ」である。


朝飯 菠薐草のおひたし、納豆、「なめこのたまり炊」のフワトロ玉子、茄子とピーマンのソテー、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、しその実のたまり漬、メシ、小松菜の味噌汁
昼飯 「丸亀製麺」のわかめうどん
晩飯 チーズ、トマトサラダ、Chateau Leoville Las Cases 1982、“Panification U”の3種のパンポトフChablis Billaud Simon 2015


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2021.5.18(火) 男のロマン

“romanticism”と、きのうの日記に表題を書き入れながら、ある年長の友人を思い出した。

あるとき、その友人のところに税務署の調査が入った。どこかに管理の甘さがあったらしい。「命の次に大切なお金について、あなたはどう考えているのですか」と、会計業務の改善を促された。その瞬間、友人は激情に駆られた。そして「命の次に大切なのは金などではない、男のロマンだ」と、長広舌を振るったという。

その長々とした演説は、税務署員の追求を逃れるための詭弁ではない。絶対に譲れない、心の底から噴出した言葉だった。その友人は、12時間でも口角泡を飛ばしながらしゃべり続けることができる。大した災難だったと、税務署員には同情を禁じ得ない。

ところで今日は隠居の保全に関して、ふたりの専門家が来た。ひとりは大工、ひとりは庭師だ。建物においては、南西に面した縁側の、土台の部分に傷みがある。虫歯のようなもので、できるだけ早く手を入れることとした。庭については、先ず枯れ木の処置から作業を始めることが決まった。これらについては近日中に、税理士とも相談をするつもりである。


朝飯 焼きおむすび、胡瓜と蕪のぬか漬け、ベーコンと長葱の味噌汁
昼飯 焼き鮭、なめこのたまり炊、しその実のたまり漬、胡瓜と蕪のぬか漬けのお茶漬け
晩飯 ハムとじゃがいもと胡瓜のサラダ、鶏の幽庵焼き、南瓜の甘煮、刺身湯波の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」がけ、エリンギとピーマンと豚肉の炒め、春雨スープ、野菜饅頭黒胡麻餡饅頭、「紅星」の「二頭鍋酒」(生)


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2021.5.17(月) romanticism

「家で飲む赤ワインは、美味い不味いではない、いまだ生きているか、それとも、もう死んでしまったか、それが唯一の大問題」と、きのうの日記に書いた。美味い不味いなら、スーパーマーケットでも売られている新世界製のワインの方が上かも知れない。古いワインを飲むとは、物語を飲むことと同義と思う。

クルマの価値を、より速く走り、より速く曲がり、より早く止まることと突き詰めれば、100年前のレーシングカーが現代の「ちょっと速い」くらいのクルマに勝てるのは、信号が青になった瞬間から1、2秒のあいだがせいぜいだろう。

古いワインを飲むことが「物語を飲むこと」なら、古いクルマに乗ることは「物語に乗ること」だ。それはまた、冒険譚を読むことに似ている。

現在はエアバスA350-900が、距離は16,000キロメートル超、時間は17時間超と、もっとも長く飛んでいられる飛行機だという。どこからどこへ飛ぼうが構わない。席は狭くて構わない。巨大な入道雲の更に上を飛びながら、古いワインや古いレーシングカーのような味わいの冒険譚を読んでいたい気分である。


朝飯 揚げ茄子、納豆、温泉玉子、焼き鮭、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと胡瓜の味噌汁
昼飯 「大貫屋」の餃子ライス
晩飯 レタスとブロッコリーのサラダ、冷やしトマト、カレーライス、ふきのたまり漬、大根のたまり漬、らっきょうのたまり漬、Old Parr(前割のお燗)、苺ゼリー


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2021.5.16(日) 生きているか死んでしまったか

お爺ちゃんの祥月命日により墓参りをしたのは4日前の12日。そろそろ水を替えないと、花はみじめに枯れる。そう考えて、朝の仕事の一段落したところで如来寺へ行く。花を引き抜くと、水は花立ての底から5センチばかりがかろうじて残っていた。天気は今日から下り坂という。とすれば、花はいまだ数日は保つだろう。

午前も過ぎるころに郵便物が届く。そのうちの、僕あてのものを開封していく。中に、銀座のワイン屋からのものがあった。手紙には、5月末で店を閉める旨があった。このワイン屋の前身である「ミツミ」を初めて訪れたのは、1980年代も暮れかかるころだった。店長だったか番頭だったか、オジサンは初見の僕に、ワイン蔵の鍵を貸してくれた。そのあまりの大人物ぶりに、僕はひとつ文章を書いた。オジサンは、いまもどこかで生きているだろうか

午後、昼食を摂るべく自転車で外へ出る。春日町の交差点の横断歩道を直角にふたつ渡りながら「オレが食べたいのはスパゲティだ」と確信する。よってふたたび2本の横断歩道を直角に渡って家に戻る。

家に赤ワインは古いものしかない。そのうちの1本を、数日前より廊下の奥、気温の低いあたりに立てておいた。その栓を19時前に抜き、恐る恐る味を見る。瓶の中味はいまだ生きていた。家で飲む赤ワインは、美味い不味いではない、いまだ生きているか、それとも、もう死んでしまったか、それが唯一の大問題である。肉を焼き終えた長男は、その39年前の酒をひと口すするなり「美味い」と言った。


朝飯 揚げ湯波の甘辛煮を薬味にした納豆、目玉焼き、ハムと玉葱とピーマンのサラダ、トマトサラダ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、白菜の味噌汁
昼飯 にんにくのたまり漬と唐辛子と青葱のスパゲティ
晩飯 玉葱とパテの冷たいスープトマトとレタスのサラダじゃがいもの素揚げを添えたビーフステーキChateau Leoville Las Cases 1982


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2021.5.15(土) 寄り道

きのう目をつけた皿小鉢は、それぞれのURLをエディタをに記録しておいた。今朝はそれらをまたひとつひとつクリックし、ためつすがめつする。その行いをしながらときおり目が脇に逸れる。逸れた先とは中国の、今は失われた民窯の酒器だったり高台だったりする。

猪口の直径は45ミリとある。そのくらいあれば充分に酒は飲めるだろうと、ウェブ上の画像を見ただけなら感じられる。しかし家にある器に定規を当ててみれば、直径50ミリでさえ実用にはほど遠いことが分かる。

それとは別に、緑釉の皿もある。ページに示されている値段が気にならないのは、日本にいてそれを見ているからだ。中国の器はインドシナに隨分と流れてきている。タイに旅をしながら求めようとすれば、更に面白いものが更に安く手に入る可能性はある。あるいはこれを言ってはオシマイかも知れないけれど、窯跡まで足を延ばせば宝の山かも知れない。そう考えて、しばし脇道に逸れていた目を正面に戻す。


朝飯 揚げ湯波の甘辛煮、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、揚げ玉と長葱を薬味にした煮奴、めかぶの酢の物、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトとピーマンの味噌汁
昼飯 なめこのたまり炊、梅干、揚げ玉、焼き鮭のお茶漬け
晩飯 牛肉と牛蒡のすき焼き風、生のトマト、胡瓜のぬか漬け、薩摩芋の蜜煮、小松菜のおひたし、なめこの味噌汁ヤシオマスの肉団子、ヤシオマスのムニエル、「南部美人」の「プリンセスミチコ純米吟醸」(冷や)


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2021.5.14(金) 器えらび

朝食は、この日記やfacebookに画像を載せるほか、TikTokやyoutubeに動画も上げている。それらを見るにつけ、変わりばえのしない食器が気にかかってきた。食器はあれこれあっても気に入ったものしか使わないから、お膳の景色はいつまでも変わらない。よって今朝は新しい器を手に入れるべく、ウェブ上を逍遥してみた。

食器の実店舗は、それを肉眼で見て、手に取って確かめられるところに価値がある。ウェブ上の買い物は、実店舗が在庫しきれない数千数万の中から個体を選べるところに価値がある。

数千数万とはいえ、目に留まるもの、食指の伸びるものが、そうあるわけではない。しかしまったく無いわけでもない。そのようなものがあらわれるたび、画像を拡大し、しげしげと眺め、大きさを示す数字を確かめる。そこでふと立ち止まる。いま使っている器は一体全体、どれほどの大きさだろう。それを知らないまま購入に臨めば、野村克也が長嶋茂雄の采配を評して言った「頓珍漢」とおなじことになる。

そこで、普段づかいの器を食器棚から取り出し、食卓に並べ、その大きさを測ってみることにした。早起きだけに、朝飯前の時間はふんだんにある。そして記録したものが以下である。

波深皿 φ110×H30
菊深皿 φ110×H35
鼠志野皿 φ113×H23
笹文なます皿 φ140×H35
唐草文皿 φ155×H29
草花文皿 φ160×H28

白釉小鉢 φ95×H43
子の字文小鉢 φ98×H45
富士山小鉢 φ104×H45
藁引小鉢 φ105×H53
赤青麦藁手小鉢 φ110×H50

こうしてみると、特に小鉢の直径はおおむね110mmに収まっていた。また、小さく見えても数字にしてみれば、より大きく見えるものと大して変わらないこともあることが分かった。これは中々に面白い発見だった。

そうしてインターネットの大海に引っかかった店の、商品検索窓に「φ11」と入れてみる。次は「φ10」と入れてみる。それらの中からどれを選ぶかを大まかに決めて、以降は後日の楽しみとする。


朝飯 豆腐の玉子とじ、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、若竹煮、上げ湯波の甘辛煮、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、白菜と長葱の味噌汁
昼飯 「大貫屋」のオムライス(ケチャップはかけないでね特注)
晩飯 帆立貝とパプリカと胡瓜とレタスのサラダスパゲティミートソースチーズ、TIO PEPE


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2021.5.13(木) マツタニ先生

きのうティオペペを飲むために使った藍色の小さなグラスを、朝、食器棚にしまう。定位置はすこし奥の方だから、先ずは手前に置いて、それを指先で奥の方へと押し込む。その際に、グラスの底が棚板とこすれてジャリジャリと音を発する。地震か何かでグラスが倒れ、割れ、それを片付けた後も、そこに小さな破片が残っているのだろう。気がついているならそれを掃除すれば良さそうなものを、そのままにしているのは僕の怠惰さのあらわれだろうか。

いざしようとすれば数分で片付くその小さな仕事を僕が怠っているのは、生来の怠け癖からのものともあながちは言えないと、心の中で思う。

日光街道に面して旧市街の中心にあったスーパーマーケット「かましん」は、4月のはじめにJR今市駅のちかくに移転をした。むかしそのあたりには古い洋館があって、そのマツタニ医院は僕のかかりつけだった。白髪にちょびひげを生やしたマツタニ先生は町医者だったから、内科も、また簡単なことなら外科もこなした。飼っているシェパードの具合が悪くなったときは、自分が注射を打って治す、などとも言っていた。

マツタニ先生は愛嬌のあるオジイサンで、僕は好きだった。診察室の窓際に寄ろうとすると「ガラスが危ない」と、いつも注意を受けた。注射液のアンプルは明るい窓際で割る、そういう習慣が、先生にはあった。

食器棚のガラスの破片をいつまでも拭かないのは、多分、僕がマツタニ先生を懐かしく思い出すために、無意識のうちにしていた行いなのだ。その破片を今朝は思い切って、綺麗さっぱりぬぐい取った。しかしまぁ、僕が先生を忘れることはないだろう。

マツタニ医院にはいつも、消毒液の匂いが濃く漂っていた。ひとけの無い待合室には、和田英作だか誰かの油絵が掛かっていた。シェパードは、善意の人が塀越しに投げ込んだ鶏の骨を食べて死んだと、後に聞いた。


朝飯 アスパラ菜と「ほぼカニ」のサラダ、納豆、若竹煮、ラタトゥイユを添えた目玉焼き、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波とアスパラ菜の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の海老そば
晩飯 らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、「マルサン葡萄酒」の「醸し甲州2019」、トマトとキウイのサラダ、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、玉子焼き、鮪の「にんにくのたまり漬」和え鶏の唐揚げ、芋焼酎「妻」(前割のお燗)、自由学園のクッキー、Old Parr(生)


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2021.5.12(水) いま観るべきは

本日はおじいちゃんの祥月命日により、6時前に家内と如来寺へ行き、墓参りをする。

おじいちゃんは酒もタバコもやらず、その代わり甘いものは好んで糖尿病に罹った。そして72歳で亡くなった。それを反面教師にしたか、オヤジは食事制限を好み、栄養失調と長年の喫煙により肺炎を起こして75歳で亡くなった。上澤家の男はおしなべて短命である。さて僕は何歳まで生きるだろう。

春先からのならいにて、今日も宇都宮の喫茶店でしばし本を開く。いま読んでいる「東京オリンピック 文学者の見た世紀の祭典」は、350ページまで進んだ。ここまででは、小田実の「メダルに縁のない国の話」と安岡章太郎の「オリンピック映画作り奮戦記」が心に残った。双方の文章に、勝者についての記述はひとつも無い。

先週まで、野党はオリンピックの開催に対して懸念は示すものの、明確には反対の立場を取らなかった。「オリンピック中止」を主張したところにオリンピックが開かれ、感動の場面がいくつもテレビに映し出されれば、国民の反感と冷笑は野党へと向かい、与党は息を吹き返す。それを恐れるゆえの、態度の保留だったのではないか。

ところが今週に入ると、彼らは一転して「オリンピック中止」を声高に訴え始めた。オリンピックは開催されない可能性が過半に達し、更に伸張しつつあるとの確証を得たのかも知れない。

いま観るべきは、市川崑の「東京オリンピック」だと思う。小学生の僕はこの映画を妹と共に二宮町の千歳座で2回続けて観た。そして「帰りが遅い」とオフクロに叱られた。小学生が2回、飽きずに観られる記録映画など、滅多にあるものではない。


朝飯 胡瓜と「ほぼカニ」のサラダ、納豆、菠薐草と榎茸のおひたし、鶏とリガトーニのグラタン、めかぶの酢の物、ごぼうのたまり漬、メシ、アスパラ菜の天ぷらとトマトの味噌汁
昼飯 なめこのたまり炊、豚挽き肉とマッシュルームのそぼろ、焼き鮭、しその実のたまり漬のお茶漬け
晩飯 ラタトゥイユリガトーニのミートソースパン茹でたブロッコリーを添えた鱈のバターソースグリーンアスパラガスの豚三枚肉巻き、TIO PEPE


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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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